【おうちづくりコラム】価格表示に惑わされない

家の価格の提示方法には一定のルールがないことから、
誰もが家の価格を正確に把握することが出来ません。

例えば、A・B・Cの3社に
「2500万円で家を建てられますか?」と聞いたところ、
いずれも「大丈夫です!」と回答してもらったものの、
蓋を開けてみると(=いざプラン作成に進んでみると)
その中身に統一感がないことが発覚するという感じです。

Aでは浄化槽や設計費用といった
いわゆる付帯工事が入っていなかったことが判明、
Bではその中に消費税が入っていなかったと判明、
Cだけが、付帯工事も消費税も全て含まれていたことが判明、
という風に。

そして、そこから溢れた費用は
家以外にかかる別途費用として予算計上されるため、
つまるところ外構工事や家具に充分な予算が回せなくなる
最悪な要因となってしまいます。

そんなわけでこの
「後から予算が狂ってしまう問題」
をスッキリ解決いただくために、
家の予算を伝える時には
「外構工事も含めて全項目をひっくるめた金額がこれです!」
と建築会社にお伝えいただくことをオススメしているのですが、
冒頭でお伝えしたこと以外にも
家の価格を勘違いさせてしまう要因があるので、
今回はそれについてお伝えしていきたいと思います。

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✔️「坪あたりいくら」という概念

家の価格の一つの見方に
「坪単価」というものがありますが、
これは一見単純なようで実は複雑な要素を持っています。

まず、坪単価は
家の面積が大きくなればなるほど安くなっていくし、
逆に家の面積が小さくなればなるほど高くなっていきます。

理由は、
キッチン・お風呂・洗面・トイレといった水回り設備が
ある場所とない場所とでは、
坪あたりにかかるコストが大きく違ってくるため、
設備がない場所が多くなるいわゆる面積が大きい家は
必然的に坪単価は安くなるし、
逆に、ない場所が小さくなるいわゆる面積が小さい家は
必然的に坪単価は高くなるということですね。

また、冒頭でお伝えした
付帯工事や消費税などが入っているかいないかでも、
価格への反映がずいぶんと違ってきます。

仮に2500万円の中に
付帯工事費用150万円が入っていない場合、
合計すると2650万円になりますが、
これを30坪で割った場合
見せかけの坪単価と本来の坪単価では
5万円もの差が生じてくることになるし、
仮に2500万円の中に消費税が入っていない場合、
合計すると2750万円になりますが、
これを30坪で割った場合、
見えかけの坪単価と本来の坪単価では
8万円以上差が生じてくることになるという感じですね。

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そしてこれと同じような要素として
どんな材料を使うかによっても坪単価は全く違ってきます。
外壁の仕上げ材、床材、内装仕上げ材、その他諸々。
これでも、あっという間に5万・10万と変わってきます。

さらに、坪単価は
全く同じ面積で全く同じ材料を使ったとしても
家の形状によっても違いが生じてきます。

仮に100平方メートル(30坪)の
平屋を建てるとして、
10m×10mの真四角である場合、
外壁全体の長さは40mですが、
これが12.5m×8mの長方形になれば、
外壁全体の長さは41mになるし、
もっと極端に言えば20m×5mの長方形になれば、
外壁全体の長さは50mにまでなるという感じですね。

そして外壁の距離が延びれば、
室内外の壁の面積が大きくなるため、
壁紙や外壁といったそれに付随する全ての工事が割高になり
家の価格が全然違ってくることになります。

このように坪単価という価格表示は
一見分かりやすい指標として用いられることが多いのですが、
蓋を開けてみると住宅会社のモラルや家の面積、仕様、
そして、土地の形状などにまで左右される
とっても複雑なものだというのが現実です。

なので、これらの内容も知っていただき
家の価格について勘違いしてしまわないように
気を付けていただければと思います。

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