【おうちづくりコラム】電気料金を抑える隠れた工夫

前回、前々回にもお伝えしたように
弊社では太陽光発電を設置することとその使い方を工夫すること、
そして後発的に蓄電池を設置することによって
電気料金の値上がりに一喜一憂しないでいい住まいづくり
を提案しているのですが、
この効果を最大化するためには家づくりにも工夫が必要となります。

まず基本となるのは「断熱性能」です。
断熱を強化すれば外気の影響を受けにくくなるし、
それと同時に気密も強化すれば
中の空気が外に漏れにくくなるからです。

要は、夏は外の暑い熱が家の中に入ってきにくくなるし、
かつ、中の冷たい空気が外に逃げにくくなる。
冬は、外の寒い冷気が家の中に入ってきにくくなるし、
かつ中の暖かい空気が外に逃げにくくなる。

そしてその結果、
家の中全体に温度差が生まれにくくなるし、
冷暖房機器もそれほどエネルギーを使うことなく
家の中を暖めたり冷やしたり出来るので
電気使用量の削減になるというわけですね。

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✔️軽視されがちな間取りの工夫

先程の「断熱性能」に関しては、
住宅会社も施主さんたちも意識が高くなってきているものの、
快適性の強化と電気料金の削減には間取りの工夫が必要不可欠である
ということはまだまだ認識されていない部分ではないでしょうか。

例えば、家の断熱性能をガチガチに強化しているのに
「廊下」をたくさん作ってしまっているとしたら、
これはその性能を上手く活かしているとは
とてもじゃないけど言えません。

廊下があればドアを閉め切ってしまい、
そこで空気の流れが止まってしまうからです。
つまり部屋ごとの温度差をつくる
要因となるのが廊下というわけですね。

また「階段」も廊下同様に
空気の流れを遮断してしまう要因となります。
いくら断熱性能を強化したからと言っても、
さすがに上下階を網羅するのは難しいからです。
階段を上りきったその先には
基本、長々とした廊下が広がりますしね。

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そんなわけで、より使用電力量を減らそうと思えば、
この「廊下」を出来るだけ作らないこと、
そして「階段」がいらない平屋にすること、
この2つが不可欠な要素だと考えています。

もっとも廊下や階段があったとしても
家全体の温度差がなくなるような工夫として
「全館空調システム」やそれによく似たシステムがあり、
これらは家を快適にしてくれると思うのですが、
一方で多額のコストが必要になるのもまた一つの事実です。

電化製品なので10年とは言わずとも
ローン返済よりも短い期間内で確実に故障するでしょうし、
そうなれば再び多額な修理コストが
必要になってくるでしょうしね。

なので、イニシャルコストとランニングコストをいずれも抑えつつ
快適で電気料金が安い住まいをつくるために
間取りの工夫は欠かせないということも、
ぜひ覚えておいていただければと思います。

【おうちづくりコラム】太陽光発電設置のルール その2

電気料金が高騰し、
かつ、今後もさらなる値上がりが考えられることから、
現在は太陽光発電の設置を標準化しているのですが、
弊社では海外メーカーの太陽光発電パネルは
提案しないようにしています。

理由は2つ。
1つは、海外メーカーは経営が厳しくなればすぐ撤退するし、
そうなった場合アフターサービスが受けられなくなるからです。

そしてもう1つは提案時の発電シュミレーションを
国内メーカーは必ず少なく見積もるのに対し、
海外メーカーは基本多めに見積もる傾向があるからです。

つまり、実際の発電が
提案時のシュミレーションを上回るのが
国内メーカーの特徴であるのに対し、
逆に下回ってしまうのが海外メーカーの特徴というわけですね。

そんなわけで弊社では海外メーカーではなく、
国内メーカーの太陽光発電パネルを提案させていただいています。

また、太陽光発電はただ設置すればそれでオッケーじゃなく、
その使い方によってけっこう差が生まれるということも
知っておくことが大切です。

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✔️発電している時間に電気を消費する

太陽光発電が普及し始めた当初は、
現在に比べてずいぶんと電気料金が安く、
逆に売電金額が高かったことから、
太陽光パネルが発電している時間帯に電気を使用せず、
昼間に比べて電気料金が安い夜間に電気を使う
というスタイルに徹する必要がありました。

これに対し現在は、
以前に比べて電気料金が大幅に上がり、
かつ売電金額が大幅に下がったことから、
以前とは真逆のスタイルに徹しなければいけなくなりました。

つまり、太陽光パネルが発電している時間帯に
出来るだけ電気を消費し、
太陽が沈んでからの時間帯は
出来るだけ電気を消費しないように
意識しなければいけないというわけですね。

例えば、エコキュート(電気給湯器)。
これは、家庭の電気消費量の中で約25%〜30%を占めており、
この節約が電気料金の削減に大きく寄与するのですが、
以前は料金が安かった深夜にお湯を沸かすというのが基本でした。

が、現在は深夜にお湯を沸かすのではなく、
太陽光パネルが発電している時間に
お湯を沸かすというのが基本になりました。

この他、洗濯機や食洗機なども、
以前は電気料金が安い深夜の時間帯に使用した方が
節約になると言われていたのですが、
現在はタイマーで昼間に設定し
太陽が出ている時間帯に使用していただくようにお願いしています。

このように以前と今では
太陽光発電を設置する目的も大きく変化したし、
その使い方を知っているか知らないかで
電気料金が大きく違ってくるというのが生々しい現実です。

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✔️蓄電池は必要なのか?

そして最後に蓄電池について少し触れたいと思いますが、
蓄電池に関しては
いきなり太陽光発電とセットで設置するのではなく、
半年から1年間の電気の使用状況を見てから
判断するのが適切だと考えています。

蓄電池によって節約出来る電気料金より
蓄電池の支払いが上回ってしまったのでは
全く設置する意味がないからです。

そんなわけで、蓄電池に関しては
太陽光発電を設置し半年から1年間
昼間に電気を使うことを意識しながら暮らしていただいた上で、
その結果を確認してから改めてシュミレーションを行い、
採算が合うなら設置するという風にさせていただいています。

いかがでしたか?

これが弊社の太陽光発電に対する考え方なのですが、
無駄な出費を防ぐためには太陽光発電の買い方と選び方、
そして慎重に段階を追って考えていくことの大切さを
ご理解いただけたのではないでしょうか。

というわけなので、
太陽光発電の設置は当たり前として、
その買い方と選び方を間違いないよう
注意深く家づくりを進めていただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】太陽光発電設置のルール

円安による物価高の影響は
私たちの生活に密接している電気料金にも出てきており、
とりわけ新築時は電気料金の契約形態が新しくなると同時に
家族人数も増え電気使用量が増えるため
電気料金がグンと上がる傾向があります。

ゆえ、これから家を建てる方は、
この事実を知った上で
家づくりの計画を立てなければいけない
というのが弊社の考え方です。

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電気料金は生きている間ずっとかかり続けるコストだし、
これに対する対策をしていないと
それこそローン返済に支障が出る
可能性だって充分あり得ますからね。

まず、家を建てる人にとって
電気料金の支払い負担を軽減するために欠かせないことが
太陽光発電の設置です。
太陽光発電を載せると電気が自給自足出来るようになり、
電気料金の値上げに一喜一憂する必要がなくなるからです。

ゆえ、基本弊社では
全ての方に太陽光発電の設置をオススメしているわけですが、
この際、パネルの設置費用は住宅ローンに組み込むのではなく、
住宅ローンとは別で10年ローンを組んでいただくようにしています。

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理由は2つ。
1つは、返済期間が短いほど利息の支払いが少なくて済むから。

仮に、国内メーカー太陽光発電パネルを10KW設置し、
それに200万円かかるとした場合、
固定金利1.4%にて35年返済でローンを組んだとしたら、
6,026円×420回=2,530,920円が総返済額になるのに対し、
(変動金利の場合、総返済額が確定しないので
確定出来る固定金利で試算しています)
10年返済で別ローンを組んだ場合、金利は1.7%と高くなるものの、
18,315円×120回=2,197,800円となり、
333,120円も利息の支払いを圧縮出来ますからね。

そしてもう1つの理由が、住宅ローンとは別に
太陽光発電のローンを負担することになったとしても、
太陽光発電を設置せず電力会社に電気料金を払い続ける
という選択をするより確実に家計の負担が小さくなるからです。

そして、太陽光発電パネルの返済を10年で終わらせることによって
それ以降家計の負担が大幅に軽減され
そこから大きな利益を生み出してくれます。
その利益たるや、ご家庭によって差異はあるものの
標準的な数字を挙げるとすると
年間で20〜25万円ぐらいではないでしょうか。

そんなわけで太陽光パネルの設置を標準化し、
その返済を10年にしてもらっているという次第であります。

もちろんキャッシュで支払えば
利息を一切払う必要がなくなるので、
さらなる経済効果を生むことになるのですが、
この場合、手元に残るお金が急激に減ってしまうことになり、
お金の不安が芽生えることになったり、
別のことにお金が使えなくなるというデメリットもあるので、
これは基本オススメしていません。

要は、あくまで太陽光発電パネルの設置費用は、
太陽光発電が生み出すお金で支払いをしていってもらうという
投資とリターンの考え方というわけです。

ぜひ参考にしてみてください。

【おうちづくりコラム】分離せず一体で考えるべきもの

外構工事は家づくりの予算を最も狂わせる
と言っても過言ではありません。
最初の予算の枠取りが甘過ぎるから。
そして、家が完成していくに連れて
外構にもこだわりたいという欲求が
どんどん芽生えてくるからです。

予算の枠取りが甘くなる理由は、
外構工事に予算を取り過ぎると
その分、必然的に建築予算を
減らさざるを得なくなるのですが、
要は住宅会社側がそれを嫌うからです。

ゆえ、最初に立てた資金計画から
大幅な予算の狂いを生じさせないためにも、
家の見積もりと同じタイミングで
外構工事もリアルな見積もりをとり、
あらかじめ自分たちがどれくらい
外構工事にお金がかかりそうなのかを
把握しておくことをオススメしています。

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例えば、弊社のお家は基本正面に窓がなく
大きな窓を外周部に設けないことから、
プライバシー性と防犯性に優れており、
目隠しや植栽によってそれらを担保する必要がないし、
家の壁そのものが塀の代わりとなるため、
境界に仰々しい塀を立てる必要もありません。

また、外観も美しくなるように設計していることから、
外構工事によって家を引き立てるような
工夫をする必要もありません。

さらに、出来るだけ敷地に無駄な余白を残さないように
家を建てるようにしているため、
そもそも外構工事の施工面積がそれほど大きくありません。

以上のような理由から弊社では、
外構工事には「土地の面積×1〜2万円」という範囲内で
外構の予算枠を取るのですが、
弊社とは全く別の考え方で家の設計をした場合、
同じぐらいの予算で外構工事を考えるべきではありません。

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✔️一般的なお家の外構予算

一般的な家とは、
南向きに部屋と大きな窓がある
一見、日当たりが良く明るそうに見える
2階建てのお家のことですが、
このようなお家を建てるとなれば、
敷地に出来る余白が大きくなります。

周囲に建つ家から
部屋や窓までの距離を充分確保しておかないと
家の中に光が充分に届かなくなるからです。
結果、必然的に施工面積が大きくなります。

また、外周部に大きな窓を設ければ
周囲から家の中が丸見えになるし、
リビングから伸びるウッドデッキも目隠しがなければ
せっかく作ったのにほとんど使わない場所になってしまうので、
住みやすさを担保しウッドデッキを使えるようにするためにも
確実に目隠しが必要となります。

そして、このようなお家は
防犯性を担保するための工事も必要となります。
安易に敷地に入ってこられるようでは
なんとなく気持ち悪いですしね。
そんなわけで、塀やゲートを頑丈につくるという
工夫もしなければいけないというわけですね。

その上、現在は以前に比べて材料費も値上がりしており、
工事価格も割高になっているし、
弊社ではウッドデッキは
当たり前のように建築費に入っていますが、
このようなお家では建築費には入っていませんしね。

これらを合計すると、
一般的なお家では最低でも土地の広さ×3〜4万円、
出来れば4〜5万円ぐらいは
予算枠として確保しておくべきだと思います。

というわけなので、外構工事の予算は
建てるお家によって大きく違ってくるということも
覚えておいていただければと思います。

そして、建築費の予算は建物だけじゃなく
外構工事費も含めた上で考えた方がいいということも
重ねて覚えておいていただければと思います。

【おうちづくりコラム】値上がりしている土地代を抑える方法

コロナ以降、材料費の高騰によって
建築費がずいぶんと値上がりしたのですが、
それと同時に土地価格も値上がりしています。

造成工事費用が値上がりしているから。
そして、津波や土砂崩れといった
災害の心配がない場所で土地を買いたい方が増えているため、
そういった地域の土地価格が上がっているからです。

また、材料費が高騰しているということは、
外構工事費用も値上がりしているということでもあるため、
如何にその負担を上ないように家づくりをすることが出来るかが、
これからの家づくりの鍵を握ると言っても過言ではありません。

所得が上がっていない状況の中、
物価はもちろん社会保険料や税金、
そして電気料金までも上昇の一途を辿り続けているため、
今のところ可処分所得は減る一方ですからね。

そんなわけで今回は、
土地取得費用を抑える方法について
お伝えしていきたいと思います。
これは外構工事費用を抑える一つの方法でもあるので、
ぜひ知識を身につけていただければと思います。

土地の単価が高くなりつつある現在、
住む場所に妥協せずに土地の価格を抑えるためには、
購入する土地の面積を縮めるしか方法がありません。

仮に土地の坪単価が20万円だとしたら、
5坪面積がカット出来れば100万円、
10坪面積がカット出来れば200万円、
家づくりにかかるコストが変わってくるし、
これに外構代やローン金利を合わせると
さらに50万円ほど変わってくるかもしれませんからね。

では、これを実行していくためには
どうすればいいのでしょうか。

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✔️先に建てたい家を明確にする

土地にかかるコストを最小限にするためには、
いきなり土地を探し始めるのではなく、
その前にどんな家を建てたいのかを
明確にしておくことをオススメします。

自分がどんな家を建てたいかを明確にし、
それがどれくらいの大きさになるのかを
あらかじめ把握しておけば、
それに合わせた土地選びが出来るからです。

例えば、自分が建てたい家が「平屋」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで
建てたい家の大きさが30坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが3台だとした場合、
目安となる土地の広さは55坪前後となります。

平屋を建てるために70〜80坪ぐらい
土地が必要だと思っていたとしたら、
15〜20坪も土地面積を圧縮出来るので、
坪単価が20万円のエリアなら
土地にかかるコストが300〜400万円も
圧縮出来たことになりますよね。

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あるいは、自分が建てたい家が「2階建て」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで、
建てたい家の1階部分の大きさが20坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが2台だとした場合、
目安となる土地の広さは40坪前後となります。

少し大きめの家がいいから
土地の広さは60坪ぐらいはいるかな?と思っていたとしたら、
20坪前後土地面積が圧縮出来るので、
坪単価が25万円のエリアだとしたら
500万円前後も圧縮出来たことになりますよね。

これらの計算式は、
「必要な1階部分の面積+土地の余白10坪
+4.5 坪×駐車スペースの数」です。
土地の余白とは、家の周囲に出来る給排水を通したり、
エアコンや給湯器を置いたり、
通路として利用するスペースのことです。

先程の平屋の場合だと、
30坪+10坪+4.5坪×3台=53.5坪
(55坪前後)がちょうどいい広さで、
2階建ての場合だと、
20坪+10坪+4.5坪×2台=39坪
(40坪前後)がちょうどいい広さという感じですね。

このように土地を探す前に
どんな家にしたいのかが明確になっていれば、
自ずと探すべき土地の広さが明確になり、
無駄な出費を防ぐことが出来ます。

なので、いきなり土地を探し始めるのではなく
まずは住宅会社に行ってどんな家にしたいのかと
それがどれくらいの大きさになりそうなのかを明確にしてから
土地探しをしていただければと思います。

もちろん、それに加えて土地の予算も
明確にしておかないといけないんですけどね。

ぜひ、参考にしてみてください。

【おうちづくりコラム】「中庭」があるお家ならでは、の暮らし

「中庭」は土地の日当たり問題を
解消する最高の手段であり、
明るさと開放感を手に入れるために
必要不可欠な要素でもあるということを、
前回、前々回に渡りお伝えさせていただいたのですが、
「中庭」を手に入れると日々の暮らしの中で
数多くの恩恵を受けることが出来ます。

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例えば「食事を外で取ることが出来る」ということ。
休日の朝、マックを買ってきて「中庭」で食べる。
昼下がり、「中庭」に出てコーヒーを片手に本を読んだり
ボケーっと日向ぼっこをする。
夜は「中庭」に出て月夜の下
みんなでホットプレートを囲んでお肉を焼いたり。
焼きそばやお好み焼きをつくったり。

このように家に居ながら
ちょっとしたキャンプ気分が味わえるだけで
ずいぶんと暮らしが豊かになるのではないでしょうか。

人目を気にしなくていい「中庭」では、
暑い夏の日には、親も水着になって
子供たちとプール遊びが出来ますしね(笑)

また「中庭」は家事に育児、
そして仕事に忙しい奥様にとって強い味方となります。

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✔️生活のストレスが軽減出来る

「庭」が家の中にあれば、
子供たちを外で遊ばせるために
わざわざ家事の手を止めて外に出ずとも、
中庭(外)で遊ぶ子供たちを横目に
料理や洗濯、お掃除をやることが出来ます。

また、洗濯物を「中庭」で干すことが出来るため、
干すまでの動線が大幅に短縮出来ます。
なんせ「中庭」がないお家で、外で洗濯物を干すとなれば
勝手口ドアを出て隣家との間のスペースまで洗濯物を干しに行くか、
わざわざ階段を上って2階のベランダまで
洗濯物を干しに行かないといけませんからね。

そして「干す」だけじゃなく
「取り込んで片付ける」動線も大幅に短縮出来ます。
「中庭」に洗濯物を干せば、
リビングから数歩で洗濯物に辿りつくことが出来るし、
その近くに収納さえ設けていれば、
取り込んだ洗濯物を片付ける動線も圧倒的に短くなりますからね。

「中庭」がないお家だと勝手口ドアを介して
リビングと外を何度も行ったり来たりしないといけないか、
階段を介して上下を行ったり来たりしないといけないため、
時間のロスも大きくなるし、なによりその作業が大変ですしね。
洗濯は料理同様に毎日のことですからね。

「中庭」があればお布団もそこに干すことが出来るので、
人目に触れることなく
お布団を日光に当てて除菌してあげられますよね。

その上、家を平屋にして
全ての部屋を「中庭」にアクセスしやすいようにしておけば、
いつでも簡単にお布団を干すことが出来ますしね。

いかがでしたか?
「中庭」がある暮らしがどんなものなのかを
ご想像いただけたのではないでしょうか。

【おうちづくりコラム】「中庭」がもたらす暮らしの恩恵

「中庭」に面した窓には
人目をシャットアウトするためのカーテンが不要になるので
カーテンコストが大幅に削減出来るし、
カーテンがいらない分、
カーテンを洗濯する必要もなくなれば、
カーテンレールの上にたまる埃を
いちいち掃除する必要もなくなります。

また「中庭」につくった窓には
台風の時のような強風が直接当たることもないし、
強風によって何かが飛んできて
ガラスが割れるような心配もないので、
シャッターをつける必要もありません。

結果、カーテン費用だけじゃなく
けっこう馬鹿にならないシャッター費用までも
大幅に削減出来るというわけですね。

大きな窓1箇所にかかるシャッターとカーテン費用が
合計で15万円ぐらいだとしたら、
「中庭」をつくることで75〜90万円ほどの
オプション費用を追加で払う必要がなくなる
という感じでしょうか。

そして、このカーテンが不要であるということは、
コスト的な利点だけじゃなく
日常に大きな恩恵をもたらしてくれます。

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✔️家の中が劇的に明るくなる

カーテンが不要になれば、
外部からの光を遮るものがなくなるため、
家の中が劇的に明るくなり、
日中は一切照明に頼る必要がありません。
サンサンと晴れた日はもちろん、
たとえどんより曇っていようとも、
また、たとえ雨が降っていようとも、です。

「中庭」から採光を取るということは、
家の中心部から光を取り込むということなので、
家全体が満遍なく明るくなりやすいですしね。

✔️常に外が感じられ、空が見える

また、カーテンが不要となれば、
常に外を感じることが出来ます。
「中庭」に射し込んでくる光の動き。
時間の移ろいや四季の移ろい。
雨がデッキを叩く姿や窓を伝う雫。
しんしんとデッキに積もっていく雪。

これらを家の中に居ながら見たり感じることが出来るだけで
とっても豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

中庭のデッキからはもちろん、
リビングやダイニング、そしてキッチンからも
空にプカプカと浮かぶ雲や月の姿も
常に見ることが出来るわけですしね。

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✔️なにより開放感が半端ない

そして、これらの要素は
圧倒的な開放感をもたらしてくれます。

カーテンがいらない家は
カーテンがある家に比べて
圧倒的に奥行きが感じられること。

「中庭」につくったデッキも
リビングの一画のように感じられるため、
さらに空間に奥行きが感じられること。

これらの効果によって、
リビングダイニングキッチンという空間が
よりいっそう価値ある空間になることこそ、
「中庭」をつくる最大の意義ではないか
と感じているぐらいです。

いかがでしたか?
今回は明るさと開放感にのみフォーカスしてみたのですが、
その素晴らしさをなんとなくでも感じていただけたでしょうか?

では、次回も
「中庭」がもたらす暮らしの恩恵の
続きをお伝えしていきたいと思います。
「中庭」がどのように使えるのかについて
詳しくお伝えしていきますので、
次回もぜひご覧いただければと思います。

【おうちづくりコラム】「中庭」の欠点と利点

弊社の施工実例写真をご覧いただくと
お分かりいただけると思いますが、
弊社がご提案するお家の一部に
「中庭」があるという特徴を持っています。

もちろん、この特徴には「コストが高くなる」
という不安点が一般的には存在するのですが、
どっこい蓋を開けてみると、
その不安とは裏腹にこの特徴は、
逆にコストを落としてくれるという
嬉しいサプライズをもたらしてくれます。

では、その理由について
今回はお伝えしていきたいと思います。
非常に多くの方が見落としてしまっている
家づくりの大きな落とし穴について言及していくので
どうぞ最後までお付き合いください。

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✔️土地代を大きく抑えられる

今回の記事だけでは紹介しきれないぐらい
「中庭」には多くの利点が存在するのですが、
そのうちの1つが「土地代を抑えられる」ということです。

「中庭」をつくらないお家は、
南からの光を確保するために
障害物が存在しない南向きの土地を選ぶか、
隣家から充分な距離を空けることが出来る
広めの土地を選ばざるを得ないため
その分土地代が割高になってしまうのに対し
「中庭」があるお家はそのいずれも一切気にすることなく
土地を選ぶことが出来るからです。

つまり、土地の日当たりを気にする必要がなくなるため、
価格設定が割高な南向きの土地にこだわる必要もなくなるし、
日当たりを確保するために余分な広さの土地を買うことによって
隣家から充分な距離を開ける必要もなくなるというわけですね。

なんせ「中庭」をつくれば
自ずと隣家から充分な距離が開いた場所に
窓をつくることが出来ますからね。

そして、その結果、
隣家との距離を気にすることなく
家を建てることが出来るようになり、
土地に無駄な余白を残すことなく
敷地をいっぱいまで有効活用することが出来ることになります。
「中庭」というプライバシーに優れた庭があることによって、
人目が気になる外に庭をつくる必要もなくなりますしね。

✔️外構予算を抑えることが出来るから

日当たりを気にしなくてよくなること、
そして庭を外につくらなくてよくなること、
この2つによって敷地に出来る余白を最小限に出来るのが
「中庭」がもたらす大きな利点なのですが、
この結果、外構工事の費用が削減出来ます。
単純に施工面積が小さくなるからです。

また「中庭」からの採光を有効活用出来れば、
外周部に大きな窓を設置する必要もなくなるし、
窓の数を多くする必要もなくなるため、
境界に立てるブロック塀やフェンスなども
設置する必要もなくなります。
家の外壁が塀そのものの役割を兼ねることが出来るからです。

家の中やウッドデッキのプライバシーを担保するためや
防犯性強化のための植栽や目隠しなども
一切つくる必要もなくなるので、
これらのコストだって丸々浮いてきますしね。

そんなわけで「中庭」は、
予算がはみ出しがちな外構工事のコストをも
抑えてくれる役割を果たすというわけですね。

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✔️トータルコストで考えることが重要

「中庭」をつくれば、
「中庭」をつくらない家よりも家の価格は割高になります。
「中庭」をつくる分、外周面積が増えるし、
中庭部分も施工しないといけないからです。

とはいえ、ここまでお伝えしてきたように
土地代を抑えることが出来るし、
外構工事代を抑えることが出来るため、
土地、家、外構のトータルコストで考えると
予算を落とすことが出来ると考えています。

イメージとしては、
家のコストは100万円上がることになるけど、
土地のコストを100万円落とすことが出来、
かつ外構のコストを100万円落とすことが出来る、
という感じでしょうか。

もちろん、家も設計によって
贅肉的な箇所を削ぎ落とすことが出来れば、
コストを上げることなく
「中庭」がある家をつくることが出来るので、
それが実現出来ればさらにトータルコストを
抑えることが出来るようになるんですけどね。

というわけなので、
「中庭=高くなる」という
なんとなくのイメージだけに引っ張られて、
住みやすい家をつくるための手段を
安易に縮めないように気を付けていただければと思います。

【おうちづくりコラム】面積の鍵を握る「収納」

「収納はたくさん欲しい」と
家を建てる誰もがお考えになりますが、
かといって床面積を増やせば
それはコストアップに直結するため、
安易に床面積を増やすという手段を
選択すべきではありません。

また、床面積を増やすにしても、
利便性の良さから人気が高い
「回遊動線」をつくってしまうと、
本来の収納力を半減させる可能性があるため
その良し悪しを理解しておくことも
大事な要素となってきます。

そんなわけで、
ここからはコストを上げることなく
よりたくさんの収納をつくる方法について
お伝えしていきたいと思います。

いわば、この知識は図面を読み解く力でもありますので、
間取りを描いてもらうまでに
ぜひ身に付けておいていただくといいと思います。

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まず、収納を考える上で
必ず知っておいた方がいいことが、
収納の分量は「床面積」ではなく
「壁面積」で考えないといけないということです。

例えば、間口91cm×奥行き91cmの収納と
間口182cm×奥行き45.5cmの収納は
床面積は全く同じであるものの、
棚の枚数が同じだとしたら、
単純に物が置ける量が2倍違います。
間口の広さが違うからです。

もちろん、間口が91cmの収納は
間口は半分であるものの奥行きが2倍あることから
奥に詰めて物を置くようにすれば、
間口1m82cmの収納と同じだけ
モノが置けるということになります。

しかし、その収納は確実に使いにくいのではないでしょうか。
奥のものを取り出すために
いちいち手前のモノを取り出さないといけないし、
再び元の位置に戻す時も
一手間作業が増えることになるからです。

かつ、奥には滅多に取り出さないモノを
置くようになると思いますが、
結果、奥にあるモノを忘れてしまい
滅多に使わないモノなのにまた同じモノを買うことになり、
どんどん家の中にモノが蓄積されていく
という悪循環を産む原因となるのではないでしょうか。

ゆえ、単純に床面積を広げるのではなく
いかに壁面を有効活用出来るかまで考えながら
収納はつくるべきだというわけですね。
なんといっても収納で最も大切なことは、
「いかに管理がしやすいのか」ですからね。

とりわけ、リビング周辺は
細々したモノが多くなることから、
管理がしやすい収納をつくっておかないと
それが散らかる原因につながるし、
ストレスの原因にもなりますしね。

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✔️行き過ぎた利便性

家の中をグルグルと回れる
「回遊動線」は利便性がアップすることから
非常に人気があるのですが、
実は「収納量が低下する」という
大きなデメリットを秘めています。
通り抜け動線にするということは
「=収納の壁が減る」ということだからです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜け出来ないどん詰まりの収納にした場合、
合計約5.5m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら、
使える壁の量が半分以下の2.6mにまで減ってしまいます。
廊下をつくることによって2方向の壁が使えなくなるからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまい、
それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまう
なんてことも決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
過度な最短動線を追求する必要もないのでは
と思っている次第です。
ここ会津では、ほとんどのエリアで平屋を建てることが出来るし、
平屋にすればそれだけで洗濯動線も短くなれば
片付けや掃除だって楽になりますしね。

というわけなので、間取りを見る時には
「いかに壁を有効活用出来ているか?」
を見るようにしていただければと思います。

この図面の見方が出来るようになれば、
「収納が足りないかも?」という不安を払拭しやすくなり、
結果余計なコストを払う必要がなくなるし、
いざ暮らし出してみたら全く収納が足りなかったなんていう
最悪の事態を引き起こすことも間違いなくなくなるはずですから。

【おうちづくりコラム】位置と広さと数量と

「子供のために」という想いは、
家を建てる大きな原動力の一つだと思いますが、
とはいえ子供は遅かれ早かれ家から出ていくことから、
子育て期間中のことだけじゃなく、
子供が巣立った後まで考えた上で
間取りをつくっておいた方がいいのではないでしょうか。

内装や設備は比較的簡単に変えられますが、
使い勝手が悪くなったからといって
間取りの変更をしようとしても
そう簡単には出来ないですしね。

そんなわけで、子供部屋に関しては
それぞれの想いもあると思いますが、
最も合理的に考えた方がいいスペース
だというのが個人的な意見です。

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まず考えていただきたいことが、
子供部屋を2階につくることが
本当に正解なのかどうかということです。

子供部屋を2階につくった場合、
子供が小さいうち(中学生になるまで)
自分の部屋を全くと言っていいほど
使うことがないからです。

子供に限らず家族みんな
1日の大半を過ごすのはリビングダイニングキッチンだし、
子供たちが小さいうちは
お母さんの近くから離れないでしょうし、
寝るのも親と一緒ですからね。

結果、リビングやダイニングが
子供たちのオモチャや服で
散乱していくのではないでしょうか。

そして、1階にリビングとは別部屋か
充分な収納が確保出来ていない場合、
子供のものを片付ける収納ボックスを
リビングに置かざるを得なくなり、
生活感があふれてしまう上、
狭苦しく掃除もしにくいリビングに
なってしまうのではないでしょうか。

以上のようなことが想定されることから、
子供部屋の位置を最初から2階に指定してしまうのは
どうかと考えている次第です。

子供部屋を1階につくっておけば、
自分の荷物は全て自分の部屋に片付けられるでしょうし、
親御さんが泊まりに来た時なんかもここを使ってもらえるし、
やがて子供たちが出て行った後も
何かと使い勝手がいいでしょうしね。

要するに、子供部屋は
2階よりも1階につくっておいた方が
使える幅が大なり小なり広がるだろうし、
ライフスタイルの変化に応じて使い分けがしやすい、
というわけです。

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✔️コストに直結する広さと数量

続いて考えていただきたいことが、
「広さ」と「数」についてです。

広さに関しては、
寝室同様何を置く予定なのか?から
算出するのでいいのではないでしょうか。

仮に部屋とは別でクローゼットがあり、
置くものがシングルベッドと机だけであれば、
内寸で2.6m×2.6mある
4.5帖という広さで充分だと思います。

ハウスメーカーの住宅展示場や
住宅会社のモデルハウスなどは、
6帖でつくっている場合が多いのですが、
たとえ思春期を迎えたとしても
部屋に篭りっきりにならずに
寝る寸前までリビングで
一緒に過ごすことが多いと思うので、
子供に関してはそんなに広くつくる必要はなく
「自分の部屋がある」ということだけで
充分だという認識でいいと思います。

冒頭でも申し上げましたが、
遅かれ早かれ子供は家を出ていくでしょうし、
その後の利用用途を考えてみても、
4.5帖もあれば充分でしょうしね。

数に関しても、必ずしも子供の人数に合わせて、
つくる(つくっておく)必要はないかもしれません。

子供が自分の部屋を使い出すのは
中学生になってからの可能性が高いし、
高校卒業と同時に家を出ていくとしたら
1人で部屋を使う期間は最大6年なので、
兄弟姉妹の年齢差によっては
使う時期が被らない可能性もあるからです。

そんなわけで、子供部屋を
必ずしも人数分つくる必要はないし、
どう考えてもつくらないといけないとしても
4.5帖という広さのまま増やすのではなく、
3.75帖とか3帖という広さにすることを
検討した方がいいのではないかと考えています。
面積を広げれば広げるほど
確実に家のコストは上がっていってしまいますしね。

いかがでしたか?
もちろん、子供部屋も寝室同様に
予算的にゆとりがあるのであれば、
全然広げていただいても問題ないので、
この意見も参考にしていただきつつ
考えてみていただければと思います。

では、次は「収納」についてお伝えしていきたいと思います。