【おうちづくりコラム】ローンの恐ろしさを知る

コロナ後のインフレを抑制するために、
アメリカの中央銀行(FRB)が
急ピッチで利上げを進めてきたため、
アメリカの住宅ローン金利は
日本では考えられない高水準にあるのですが、
実はアメリカ人の90%以上が
固定金利で住宅ローンを借りていると言われています。

ゆえ、アメリカでは、
すでにこれまでに家を買っている人は
どれだけ金利が上がろうとも
全くダメージを受けることはありません。

他方、アメリカとは比較にならないぐらい
金利が安いここ日本では、
固定金利を選ぶ人は全体の20%ぐらいしかおらず、
大部分の方がいわゆる変動金利で
住宅ローンを借りていると言われているのですが、
どうやらこれがインフレを抑制するために
全世界的に利上げが進んでいった中、
唯一日本だけが利上げが出来ない
理由の一つになっているようです。

物価と同じように賃金が上がっていない中、
利上げを実行してしまうと、
たちどころに住宅ローン破綻する人が
続出する可能性が高いからです。

ゆえ、どれだけ物価は上がろうとも、
日本銀行が利上げをする可能性は低い
と言われているのですが、
とはいえ、その可能性は0ではないので、
もし実行するとなると一体どうなるか?
今回は考えていきたいと思います。

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例えば、利上げが起こり
返済額が来月から急に数万円も上がってしまうとしたら
あなたならどうしますか?

もちろん生活にゆとりがある方なら
別段問題はないでしょうし、
計画的に貯金が出来ている方なら
繰上げ返済によって返済額の調整が出来るので
別段問題はないでしょう。

しかし、返済が上がると困る状況に
陥りそうなのだとしたら、
金利が上がっても返済額は上がらないように
返済期間を延ばしてもらうしか方法はありません。

つまり、いつまで経っても
ローンが終わらないという状況になり、
結果、利息の支払いがどんどんどんどん膨らんでいく
というわけですね。

また利上げによる返済額アップが
きつい状況になるような予算で
家を建ててしまっているとしたら、
これから先に待ち構えていることに
後手の対応しか出来なくなってしまいます。

家のメンテ費用に
家電製品の買い替え費用、
そして車の買い替え費用に
子供たちの進学費用などです。

家のメンテをするために
仮にリフォームローンを組むとなれば、
おそらく毎月2万円前後の支払いが
今後10年ほど住宅ローンに
上乗せされることになるでしょう。

それに加えてエコキュートやエアコンなどの
価格が高い製品を買い換えるとなり、
これもリフォームローンでいくとしたら
さらに1万円ほどが上乗せになります。

また、不運にもこれらと同じタイミングで
車を買い換えないといけないとしたら、
さらに毎月の出費が嵩増しになり、
相当厳しい家計になってしまうのではないでしょうか。

子供たちの教育費に関しては
中学を卒業するまでは
そこまで大きなものではありませんが、
仮に子供を大学に行かせてやろうとお考えであれば、
高校はそれなりに出費が増えると
想定しておいた方がいいと思います。

ましてや大学に行くとなると
授業料だけじゃなく家賃や光熱費、そして生活費も
負担してやらないといけませんからね。

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ゆえ、家を建てる時には、
こういったことまで想定した上で予算を設定し、
住宅ローンを選ぶことをオススメしているというわけです。

そこまでゆとりある家計じゃないにもかかわらず、
これから先の出費のことまで考えないで家を建ててしまうと、
間違いなく死ぬまでずっとローンに縛られたまま
生きていくことになってしまうだけですからね。

そんなわけなので、家を建てる時には
金利上昇のリスクを織り込んで考えつつ
建てた後に必要となる費用を
どのように準備していくかまで考えた上で
家づくりの計画を立てていただけたらと思います。

それが「資金計画」というやつです。

【おうちづくりコラム】バイアス解除のススメ

周りを見渡してみると
ほとんどの家がそうなっているように、
家を建てるとなれば、
日当たりがいいところに部屋を配置し、
そうじゃないところに
部屋以外を配置するものだという
当たり前が存在します。

そして土地の方位や環境などは
どこ吹く風と言わんばかりに、
どんな土地であっても
このもっともらしい論理になぞって
設計プランがつくられていくのですが、
もちろん、この結末がいいものになることは
「ほぼほぼ無い」と言っても過言ではありません。

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例えばこの論理が最もしっくりきそうな
南向きの土地の場合、
日当たりがいい場所に全ての部屋を配置すると
部屋には直射光がたっぷりと
入ってくるのは間違いありません。

しかし、光が眩し過ぎること、
熱も入ってき過ぎること、
台風の直風がモロに当たること、
そして、なにより家の中が丸見えなり過ぎること、
などの困った理由から
大きな窓には全て基本的に
カーテンとシャッターがセットで必要になってきます。

そしてカーテンはおろか、
立地によったらシャッターまでも
ずっと閉めた状態にしているという光景も
よくお見かけするのではないでしょうか。
つまり、何のために大きな窓をつくったのやら・・
という状態になっているというわけです。

庭につくったウッドデッキだって
丸見え過ぎることから
全くと言っていいほど使っていない、
というか使いたくても使えない
状況になっているでしょうしね。

次に北向きの土地で考えてみましょう。
この場合、南に部屋をつくったとしても
よほど土地に奥行きがない限り
南からの光が充分に入ってきません。
北向きの土地では基本すぐ南に家が建っているからです。

また、南に部屋を配置すれば
必然的に水回りが北に配置されるのですが、
この結果、正面である北面に
窓や換気扇や給湯器といった部材が
設置されることになります。
つまり、家の顔となる正面が不細工になりやすい上、
汚くなりやすいというわけです。

では、東や西向きの土地はどうでしょう。
これらの土地に共通して言えるのは、
家の正面に丸見えになる
大きな窓を設置する可能性も低いし、
景観を乱す水回りも正面になりにくいということですが、
北向きの土地と同じように
日当たり面で支障が出やすいのが特徴です。
基本すぐ南に家が建っているからです。

ゆえ、この場合も単純にこの論理になぞって
間取りを決めるのは懸命な選択だとは言えません。

また、すぐ南に家が建っているということは、
「=家の裏側がよく見える」ということでもあるので、
南に大きな窓をつくった場合、
いい景色を窓から臨むことは皆目出来ないことも
もはや言うまでもありません。

そして、この問題を解決するために
外構工事により多くのお金を
かけざるを得ないということになります。
南向きの土地以外は庭の景観をよくするために。
南向きの土地はプライバシーを担保するために。

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✔️根本的な解決策を知っておく

冒頭でお伝えした論理は、
それを適用して問題がない土地なら
そうしていただいても何の問題もありませんが、
ここまでお伝えしてきたように、
よほど広い土地じゃない限り、
必ず何らかの支障が出るのは間違いありません。

つまり、最適なプランというのは
セオリーだけで成り立つのではなく、
「土地」そのものが持つ個別の条件によって
大きく左右されるということですね。

ゆえ、家を建てる時には
こういった当たり前のように認識されている
様々なバイアスを一旦解除することをオススメしています。

そして、家を建てる土地の前に立ち、
周囲の環境をよく観察してみてください。

これらがバランスよく考えられれば、
きっと本当に住みやすい家を
建てることが出来るようになるはずです。
もちろん、美しいデザインも両立しながら。