【おうちづくりコラム】「平屋は高くなる」は本当なのか?

現在「平屋」は空前のブームになっているし、
土地価格が安く平屋を建てるには
最適な広さの土地が多いここ徳島では、
まずは「平屋」に出来ないかを優先して考えた方がいいと
以前からお伝えしているのですが、
とはいえ、まだまだ多くの方が
「平屋にすると高くなる」というイメージから
敬遠しているのではないでしょうか。

まず高くなりそうなのが「家そのものの価格」。
そして、平屋を建てるとなると
それなりに広い土地がいりそうだから土地の価格も高くなりそう。
かつ敷地が広がる分、外構工事までも高くなりそう。
と、普通は思ってしまいますよね。

では今回は、
そんなイメージから平屋を諦めかけそうになっている方に
「実際のところはどうなのか?」お伝えしていきたいと思います。

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✔️平屋と2階建ての価格比較

同じ材料を使い同じような仕上げで
平屋と2階建てをそれぞれ建てるとしたら、
同じ面積で考えると坪あたり10万円前後価格は違ってきます。
35坪だと350万円ほど平屋が高くなるという感じですね。

しかし、実を言うと
この比較方法自体がそもそも間違っています。
同じ面積で比較するということが、です。

2階建てには階段が必要ですが、
平屋には階段が必要ないからです。
ゆえ、この場合の比較方法は
35坪から2坪(1•2階それぞれ1坪ずつ)を
差し引いた33坪で比較するのが正解です。

とはいえ、そうしたとしても
まだまだ価格は平屋の方が高いのが現実です。

ゆえ、ここから
2階建てから平屋にすることによって
必要じゃなくなるものについて考えていきたいと思います。

まず、議論したいのが「トイレ」。
2階建てでは1•2階両方にトイレが必要だと思います。
夜中にわざわざ階段を下りて1階までトイレに行くのは
だいぶ面倒臭いですからね。

それに対し平屋だと
トイレが1箇所でもいいのではないでしょうか。
もちろん、混雑しがちな家庭だと
2つ必要かもしれないんですけどね。

続いて議論したいのが「廊下」。
2階建ての場合、
階段を上り切ってからそれぞれの部屋に行くためには
確実に廊下が必要になるのに対し、
平屋にすれば廊下を無くそうと思えば、
ゼロにすることだって出来ますからね。

そして、この「トイレ」と「廊下」を無くしてもいいとしたら、
先程の面積からさらに2坪ほどマイナスすることが出来ます。
先程の続きで考えると31坪ということですね。

では、ここで一旦
価格の比較をしてみましょう。

仮に2階建ての坪あたりの価格を70万円、
平屋の坪あたりの価格を80万円としたら、
2階建て:70万円×35坪=2450万円
平屋:80万円×31坪=2480万円となり、
実はそう価格が変わらないということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。

部屋の数も収納の数も部屋の広さも収納の広さも
全くさわっていないので、
ホントに無くても問題ないものだけを抽出したという感じですね。

というわけなので、「平屋は建築費が高くなる」は
一旦、頭の中から帳消しにしていただけたらと思います。

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✔️土地の価格はどうなのか?

平屋は、2階建に比べて1階の面積が大きくなるため
その分、土地も広く必要となります。

しかし、冷静に考えてみると、
ここ会津では55〜60坪という広さで
販売されている土地が最も多く、
実を言うと、これだけの広さがあれば
充分、平屋を建てることが出来ます。
駐車場を3台確保しつつ、です。

ゆえ、平屋を建てたいからと言って、
わざわざもっと広い土地を探す必要は
全くと言っていい程ないんですよね。

広げれば広げるほど
土地価格どころか外構工事費用も高くなるだけでし、
もっと言うと固定資産税も高くなるだけですからね。

そんなわけで
弊社が出した結論としては、
「平屋だから高くなる」というのは
必ずしもイコールではないということです。

なので、平屋を建てたいと思っている方は
ぜひぜひ、そのまま平屋で突き進んでいただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】一網打尽な提案

物が溢れやすく生活感が出やすい
リビングダイニングキッチンを
美しい状態で保ちやすくするには、
「部屋や収納をどこに配置するか」が大事です。

例えば「子供たちの部屋は2階につくるもの」だと
一般的に考えられていますが、
自分自身の過去の経験上、
この当たり前は必要ないという結論に至りました。

子供たちは小さいうち自分の部屋を全く使わないし、
思春期となり使い出したとて
寝る前までリビングで過ごすのが
日常的に当たり前となっていることから、
いつも使うものは基本、
常にリビング付近に置きっぱなしになっているからです。

もちろん、時々は張り切って掃除をして
一旦、荷物をまとめて自分の部屋に
持っていってもらっていたのですが、
10日もすれば元通りになっているということを繰り返した結果、
不毛さに気が付いてそのまま放置しているという状態ですね。

ま、これはこれで
子供たちと過ごす時間が多いことの裏返しでもあるので、
いいんですけどね(笑)

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そんなルーツもあってか
弊社では子供たちの部屋を基本1階につくることを
オススメしているのですが、
これは子供部屋に限らず
寝室にも同じことが言えるのではないでしょうか。

これも再び自分の話になるのですが、
着ていた服をわざわざ2階まで持っていくのも
明日(今日)着る服を1階に持って下りてくるのも
なかなか面倒だからです。

結果、いつも着るものは
基本ダイニングチェアーに引っ掛けているし、
鞄なんかもダイニングチェアーの上に
置きっぱなしになっているというのが我が家の現状です。

そんなわけで、
こんな我が家の状況踏まえて
「だったら絶対平屋がいいやん!」
という結論に至ったというわけです。
もちろん、うちの子供たちも100%同意です(笑)

もっとも、我が家がそろいもそろって
ただただ横着家族なだけかもしれないところは
否めない事実なんですが・・・

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✔️平屋に家事楽なんて関係ない?

家事楽な家にしたいというご要望を
家を建てる誰しもがお持ちだと思いますが、
こと「平屋」に関しては、
そんなことを気にする必要は一切ないのではないでしょうか。

部屋や収納がリビングダイニングキッチンと同じフロアにあるため、
自分たちの荷物や服を自分の部屋に片付けるのが
2階建住宅のように億劫じゃなくなるし、
そうなればリビング付近に物が溢れにくくなるので、
仕事に行っている日中にルンバのタイマーをセットしておけば
勝手に床掃除をしてくれるからです。

また、洗濯の一連の流れに関しても
上下移動がない上、移動距離も短くなることから
2階建てに比べて圧倒的に楽になるのは間違いないと思います。

ましてや平屋の最大の難点である
防犯とプライバシーを担保するために
「中庭」があるお家にしてしまえば、
干すも取り込むも片付けるも全てわずか数歩でこなせますからね。

そんなわけで、日常生活の困った、を一気に解決し
より豊かに暮らしを送っていただくために
弊社では平屋を中心とした家づくりをしているというわけです。

【おうちづくりコラム】収納が多いに越したことはない?

「収納は多いに越したことはない」
収納が足りず部屋に物が溢れている状態を想像すると、
あっさりこういう結論に至ってしまうのですが、
収納を多くつくれば建築コストも上がってしまうため
(家の面積が大きくなるから)
単純にたくさんつくればいいというわけではありません。

また、人は「隙間があればそこを埋めたくなる」
という習性を持っているため、
たとえ収納をたくさんつくったとて
その余白に合わせて物を増やしてしまう可能性が高いことから
収納のつくり過ぎにも注意した方がいいかもしれません。

「物が増える」ということは
「無駄遣いをしている」可能性が高い
ということでもありますしね。

というわけで今回は、
「収納」に対する弊社の考え方について
お伝えしていきたいと思います。

これを覚えていただくと
不用意にコストを上げることなく
充分な収納量を備えたお家を建てやすくなると思うので、
知識アップのために最後までお付き合いください。

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✔️床ではなく壁で考える

その収納にどれだけの物を納めることが出来るかは、
床の多さというよりも壁の多さに大きく依存します。

例えば、2帖という収納は
1m69cm×1m69cmという広さですが、
この収納は壁をどう使うかによって収納の分量が違ってきます。

全部で4面ある壁のうち
2面しか使えないように入口をつくった場合、
1.69m×2面=3.38mが棚1段あたりに置ける分量ですが、
これを3面使えるように入口をつくった場合、
1.69m×3面=5.07mにまで棚1枚あたり置ける分量が増えますからね。

ゆえ、収納を考える時は、
単純に広さだけを見るのではなく
その壁をどれだけ有効活用出来そうなのかに
着目していただければと思います。

それさえ出来るようになれば、
ある程度正確に収納の容量が
把握出来るようになるんじゃないかと思います。

✔️回遊動線は落とし穴

そしてこの考え方を知っていただくと
回遊動線(グルグル回れる通り抜け動線)が
いかに収納に悪い影響を及ぼしやすいのかを
ご理解いただけると思います。

通り抜けられるということは、
その通路に面した壁を全く使えなくなる
ということだからです。

先程の2帖の収納の場合で考えると、
4面ある壁のうちたった1面しか使えなくなる
ということになりかねませんからね。

つまり1帖の収納と同じだけの容量しかないということです。
2帖という広さは1帖という広さよりも
30〜40万円も多くコストがかかっているというのに、です。

そんなわけで回遊動線に関しても
便利そうだというメリットだけに着目するのではなく
その裏にこんなデメリットがあることも
ご理解いただければと思っています。

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✔️収納に限らず部屋にも壁が必要

さらにこの考え方は
収納だけじゃなく部屋でも同じことが言えます。

4面ある部屋の壁のうち、
1面には入り口のドアがつくとして
もう1面にクローゼットをつくり
残りの2面に窓をつくってしまったら、
その部屋には全体を使える壁がなくなってしまうからです。

結果、物の配置が難しくなるし、
模様替えをする余地もなくなるし、
コンセントの位置もかなり限定されてしまいます。

ゆえ、間取りを考える時、
いかに壁を多くつくるのかを
弊社では意識しているというわけです。
壁が増えれば収納が安定するだけじゃなく、
耐震も良くなるし断熱効果も良くなりますしね。

もちろん、そのためには
最小限の窓で採光と風通しを確保出来る
間取りにしないといけないんですけどね。

というわけで、
最後は少し話が脱線しましたが、
とにかく収納は「床」ではなく「壁」が重要であることを
ぜひ知っておいてもらえたらと思います。

【おうちづくりコラム】なぜカーテンがいらない家にこだわるのか?

カーテンの役割は、
①光量を調整する
②窓から侵入する外気を防ぐ
③プライバシーを担保する
④見たくないものを隠す(外)
⑤見られたくないものを隠す(中)
この5つがあると言われていますが、
これら5つを全て満たすために
全窓へのカーテン設置を前提として
間取りや窓を考えてしまうと、
開放感や明るさが犠牲になります。

常に③〜⑤を満たそうとすると
カーテンを開けたままにしておくことが
出来なくなってしまうからです。

また、カーテン費用は
基本建築費用に入っていないため、
数が増えればその分コストへの跳ね返りが大きくなるし、
それに加えて
一つ一つデザインや素材にこだわっていくとなると
なおのことその跳ね返りが大きくなります。

そんなわけで弊社では、
出来るだけカーテンが必要のない
間取りや窓づくりをするように常に心がけています。

カーテンが必要なくなれば、
カーテンを洗う手間もなくなるし、
レールの拭き掃除もしなくていいし、
窓を開ける度にカーテンがビラビラ揺れる
あの鬱陶しい思いも一切しなくて済みますしね。

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基本カーテンが必要ない家にするためには、
周りから自分の家がどのように見えるのかを考えながら
間取りを考えなければいけません。

例えば、南向きの土地で間取りを考える場合、
安易に南向きにリビングをつくり
南向きに窓をつくってしまうと外からの視線が気になり
四六時中カーテンが開けられない家になってしまうので、
基本このようなレイアウトでは間取りをつくりません。
このお家は直射光が眩し過ぎるせいで
きっとテレビの画面も見にくいでしょうしね。

また、北向きの土地の場合、
南向きと違ってリビングが
人の目に触れる可能性はグンと下がるものの、
裏側に家が建っているとしたら、
室外機や給湯器やゴミ箱が陳列され、
換気扇から出てくる黒カビで薄汚れた
家の裏側がリビングから見える景色となり
結局カーテンが開けられなくなるので、
この場合も安易にリビングを南に持ってくるのではなく、
どうすればリビングの窓から
カーテンを取り除くことが出来るのかを考えつつ
間取りをつくりあげていきます。

大半の時間を過ごすリビングの窓に
カーテンがいらなければ、
光もたっぷりと入ってくる上
外や空が見えることで開放感が出て、
最高の空間が出来上がりますからね。

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✔️カーテンがいらない設計にする利点

カーテンがいらないお家をつくることが出来れば、
日中照明をつける必要が一切ありません。
常時入ってくる自然光を防ぐものがなくなるからです。
晴れの日はもちろん曇りや雨の日だとしても、です。

そして、カーテンがいらないお家をつくることが出来れば、
カーテン代が必要なくなります。
おそらく50万円前後のコストが。

また、カーテン代が浮くと共に
窓のコストも減ることになります。
カーテンがいらないことで最小限の窓だけで
採光と換気が確保出来るようになるからです。

さらに、冒頭でもお伝えしたように
カーテンを洗う必要もなくなれば
レールの拭き掃除もいらないし、
窓を開けた時の鬱陶しいカーテンのビラビラに
イライラすることもなくなります。

この他、カーテンがいらなくなり
窓の数を最小限に出来れば、
その分、壁が増えることになるので
耐震性も高くなるし断熱性も高くなります。

窓が少なくなれば、
外壁を汚す窓からの垂れジミも少なくなるし、
戸締りの心配もきっと減るでしょうしね。

というわけなので、
カーテンの数を少しでも減らせるよう、
周りから自分の家がどう見えるのか?
そして、カーテンがいらないようにするには
どうすればいいのか?
こういった視点で間取りを考えてみてください。

【おうちづくりコラム】建築中に必要となる利息の話

住宅ローン返済は、
家の引き渡しが終わった時点から
始まるのが一般的な流れですが、
この流れで進めた場合綿密に申し上げると、
土地をローンで購入する方は土地の支払いをした時点から、
土地を現金で購入する方や土地を買わなくていい方は
中間金のお支払いをした時点から、
元本は据え置いたまま利息だけ支払うことが一般的です。

ゆえ、住宅ローンを利用するにあたっては
金利や保証料の有無やパーセンテージ、
その他最初にかかる費用などに加え、
この利息がどれくらいかかるのかも
一緒にお聞きしていただくことをオススメしています。

では今回は建築中にかかる利息について
お伝えしていきたいと思います。

「分割融資」と「一括融資」の2つのパターンがあり、
どちらを選ぶかによって利息の額が違ってくるのですが、
それぞれにメリットもあればデメリットもあるし、
どちらも選択できる銀行とそうじゃない銀行があるので、
まずは基本的な知識を身につけていただければと思います。

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✔️分割融資と一括融資の違い

土地から買って家を建てる場合、
銀行からの融資が必要となるのは
①土地の支払いをする時
②家の中間金を支払う時
③家が完成し残金を支払う時
この3つですが、
①や②の時点から住宅ローン返済が始まってしまうと、
家賃とローンを二重払いしないといけなくなるため、
基本、銀行は①や②のタイミングで融資を実行しても
元本は据え置いたまま利息だけを返済してください
という形をとっています。

そして「分割融資」とは、
①のタイミングではその際に必要となった
融資金額だけで利息を計算し、
②のタイミングを迎えた時点で、
①に加えて②の利息も発生するという流れを取るのに対し、
「一括融資」とは、
①のタイミングで借入額全額に対して利息を発生させる
という流れを取ります。

具体的な数字を当てはめてみると
仮に借入額が4000万円で金利が1.4%、
土地取得にかかる費用が1000万円で
土地購入から住宅ローン返済までの期間を6ヶ月、
建築費の中間金が2000万円で
中間金支払いから住宅ローン返済までの期間を3ヶ月だとしたら、

「分割融資」の場合は、
1000万円×1.4%÷12ヶ月×6ヶ月=約70,000円(土地利息)
2000万円×1.4%÷12ヶ月×3ヶ月=約70,000円(建物利息)
合計約140,000円

「一括融資」の場合は、
4000万円×1.4%÷12ヶ月×6ヶ月=約280,000円

といった感じですね。
こうやって見比べてみると
「分割融資」の方が利息の負担が小さいのは
お分かりいただけたかと思います。

ま、あくまで「分割融資」を選ぶことが出来れば、
の話なんですけどね。
銀行によっては「一括融資」しか
選択肢がないところもありますからね。

✔️一括融資の利点

では、続いて「利息」ではなく
「保証」という点に目を向けてみますね。

住宅ローン金利の中には
「団体信用生命保険」と呼ばれる
生命保険料も含まれているのですが、
もちろん、利息だけの支払いが発生する
この融資にも保険がかかっています。

ゆえ、建築中に万が一のことが起こった場合、
「一括融資」だと借入金全額が
一括繰り上げ返済されるのに対し、
「分割融資」だと融資してもらっている
部分的な金額分しか繰り上げ返済がなされません。

仮に、土地の支払いが終わったと同時に
万が一のことが起こったとしたら
「一括融資」だとローンが0円になるのに対し、
分割融資だと土地取得のために払った費用
1000万円しか繰り上げ返済がなされないため
残った3000万円分は相続人が払っていかないといけなくなる
という感じですね。

このように保証に目を向けてみると
「一括融資」の方がいいかも?
となる方もいらっしゃるかと思います。
万が一とはいえ、
こんなわずかの期間で絶対に起こらない
とは言い切れませんからね。

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✔️で、結局どっちがいいのか?

という話になると思いますが、
「分割」と「一括」の両方を選べる銀行もあれば、
「分割」しか選べない銀行もあるし、
逆に「一括」しか選べない銀行もあります。

また、銀行によったら
元本据え置きの利息を払っている期間、
実行された融資額にも住宅ローンと同じ金利で
利息をつけてくれているところもあります。
(つまり、実質負担が0だということです)

なので、住宅ローンの話を聞きに行った時には、
金利や保証料の有無やパーセンテージ、
その他最初にかかる費用などに加えて
「分割融資」と「一括融資」についても
一緒に聞くようにしてくださいね。

そして、全条件をテーブルに並べ
それらを総合的に判断して
最も自分がしっくり来るローンを
選んでいただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】利息の無限ループの予防法

「家賃並みで家が買える」という謳い文句は、
家が欲しいと思っている方にとって
とっても魅力的なフレーズですが、
これをそのまま真に受けて家を建てていいのかと言うと、
もちろんそうではありません。

賃貸住宅だと固定資産税を払わなくいいけど、
家を持てば持ち続けている限り
ずっと払い続けなければいけなくなる。

賃貸住宅だと
家財道具にだけ保険をかけていればいいけど、
家を持てば家そのものにも火災保険をかけなくてはいけなくなる。
と同時に地震保険にも。(これは任意です)

賃貸住宅だと
建物そのものが老朽化しても自分で直す必要はないけど、
家を持てば老朽化の修正費用は全て自己負担となる。
そして、その修繕を怠ってしまうと
家の寿命を縮めることになるし暮らしの質も下がる。

賃貸住宅だと
面積が小さい上に家族の人数も少ないし
子供たちも小さいことから
光熱費(電気・ガス代)はそこまで高くないのに対し、
家を持てば面積が大きくなる上に
家族の人数が増える可能性が高いし、
子供たちが大きくなるに連れて光熱費も高くなりやすい。

といったことが想定されるからです。

ゆえ、こういった維持管理(ランニング)コストを
どう準備していくのかを考え、
その上で毎月の返済金額をはじき出して欲しいと思っています。

あ、そうそう。
家電製品の買い替え費用も、ですね。
これは賃貸住宅に住んでようがマイホームに住んでいようが
いずれにしても必要となる費用なので
冒頭の説明では割愛していましたがこれも必要になりますからね。

しかも、これらはなぜか支出が増えるタイミングで
見事に壊れてくれますからね。

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✔️準備を怠った結果

冒頭の謳い文句に飛びついて家を建てた方の多くが、
おそらくこれらの費用の捻出に
かなり苦戦しているのではないでしょうか。

例えば、
家電は10年前後で壊れるとよく言われますが、
実は家電が壊れるタイミングは
子供たちにかかるお金が急激に増えるタイミングと
ちょうど被ります。(塾代や進学費用です)

結果、ジリジリと貯金が減っていくし、
そんな中家電を買い換えるとなると、
数十万単位のお金が一気に吹っ飛んでいきます。

(例)
→エコキュートの買い替え:
処分費も含めて約50万円
→便器交換:
処分費も含めて約15〜30万円
→エアコン交換:(1台あたり)
処分費も含めて約10〜20万円

ま、通帳からこれだけのお金が
ジャブジャブなくなっていくとなると、
メンタル的にかなりしんどいですよね。

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その上、建って10〜15年ほど経つと
コーキングが切れたりひび割れたり
外壁材の塗料が落ちてきたりするため、
この修繕にも着手しないといけなくなります。

そして、これらには
ざっと150万円ほどかかるのですが、
この状況に備えて修繕費を積み立てていない場合、
これを見送るかあるいはリフォームローンを組むかの
2択を強いられることになります。

見送るとなると
家はどんどん劣化していくことになるし、
リフォームローンを組むとなると、
既存の住宅ローンに上乗せして
さらにローンを払うという感じですね。

そんなわけで、
こんな状況に陥らないために
事前にこういった資金を
どう準備するのかを考えておいて欲しいと
思っている次第であります。

この他、老後に近づくと
キッチンやお風呂なども老朽化し
取り替えないといけなくなるのですが、
これまたリフォームローンを組むとなると、
エンドレスで割高な利息を払い続けることになるので、
甘くて楽観的なフレーズに騙されないよう
気をつけてくださいね!

【おうちづくりコラム】家づくりは「暗い老後」と「明るい老後」の分かれ道

「老後資金」は「住宅資金」と「教育資金」と共に
人生の三大資金と言われていますが、
リタイアした後の資金(老後資金)を
どのように準備していくのかを考えながら
家づくりをした人とそうじゃない人とでは、
間違いなく老後の暮らしにくっきりと明暗が分かれると
個人的には考えています。

ゆえ、リタイア後の資金をどう準備するのかを同時に考えながら
家づくりの予算計画を立てることをオススメしているのですが、
では、それを実行するためには
何をどのように考えればいいのでしょうか。

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まず、リタイア後の資金計画を建てる上で
知っておいてもらいたいことが、
リタイア後、豊かに暮らしていくためには
一体どれくらいの費用がかかりそうなのかということですが、
国が発表しているデータなどを参考にざっくりと試算してみると
おそらく月35万円ぐらいだと考えておいた方が良さそうです。
(夫婦2人の最低生活費が22万円、
それにゆとり(旅行・趣味)費用13万円を上乗せした合計金額です)

ゆえ、この数字を把握するためには
自分が仕事を辞めたいと考えている年齢と
その後、何年ぐらい生きそうなのかに
420万円(35万円×12ヶ月)を
かけていただくといいのかなーと思います。

仮に65歳でリタイアしたくて
家系的に90歳ぐらいまでは生きそうかなーとしたら、
420万円×25年=1億500万円という感じですね。
こうやって数字に直してみるととんでもない数字ですよね・・・

では、次に「年金」をどれくらいもらえそうなのか
考えていってみましょう。
仮に、規定通り65歳から年金をもらい始めるとしたら
どれくらいもらえるのでしょうか。
もしかしたら今後は減っていく可能性もあるかもしれませんが、
とりあえず現時点の基準で試算してみますね。

仮に、ご主人が会社に勤め続け
平均年収500万円をもらい続けたとして、
奥さんは扶養の範囲内で働き続けたとしたら、
このご家庭が65歳からもらえる年金額は
おおよそ22万円ぐらいです。

ゆえ、このご家庭の場合贅沢をしなければ
なんとか年金だけで暮らしていくことは出来そうですが、
それだけでいっぱいいっぱいなので
全く楽しくない老後生活を送らざるを得なくなってしまいます。

ゆえ、不足分である毎月13万円を25年×12ヶ月分、
つまり3900万円を
これからリタイアするまでに貯金していかなければいけません。

なかなか大変な数字ですがこれがリアルな数字だし
家を持ちながらそして子供たちを育てながら
これを実行していかないといけません。

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✔️不足資金を賄う2つの対策

ここまでの話だと、
「ちょっと無理かも・・」「家は買えそうにないな・・」
と思ってしまったかもしれませんが、
個人的には全く悲観的にならなくていいと思っています。
これからお伝えさせていただく2つの対策さえ実行していただければ。

まず、1つ目の対策が
「長期積立投資」を今すぐやり始めるということです。
かつ働き続けている間ずっとやり続けるということです。
「長期積立投資」とは毎月(毎日でも良いです)決まった額で
投資信託を買い続けていくことです。

例外なく誰もがこれをやった方が良い理由は、
一番お金が増える貯蓄方法からです。
銀行の定期預金や貯蓄型の保険なんて
比にならないぐらい圧倒的に、です。
ゆえ、働いて稼いだお金の中で可能な限り多くの金額を
「長期積立投資」に入れていってください。

まず1つ目の対策がこれです。
端的に申し上げると
「あなたも働きながらあなたが稼いだお金にも働いてもらう」
という感じですね。

そして、2つ目の対策が
リタイアする年齢を65歳から75歳に延ばすということです。
かつ、夫婦そろってです。出来れば奥さんも正社員で。
正社員になれば労働期間中余分に納税しないといけませんが、
厚生年金に加入出来ればその分もらえる年金が増えるからです。

「えっ?それはちょっと・・・」と一瞬思われたかもしれませんが、
けっこう真面目にこれをお伝えしています。

理由は2つ。
1つは仕事をしなくなったら間違いなく毎日退屈になるから。
ますます長生き社会になるとしたら
働かない期間を延ばしたらその分もっと資金が必要になりますしね。

そしてもう1つは、
75歳まで年金受給を遅らせると国民年金額が1.84倍になるからと
その上、厚生年金を夫婦そろってもらえるとなると
最悪、貯金がほとんど出来てなくても年金だけでなんとかなるからです。
ゆえ、2つ目の対策として
夫婦そろって75歳まで働き続けることを推奨しています。

ただし、これは健康であることが条件になってくるので、
あくまで第2の対策なんですけどね。
(所得があると納税も多めにしないといけなくなるし
医療費も高くなってしまいますしね)

というわけで、この2つを知っていただき
実行することを前提として家づくりをしていただければと思います。
そうすれば「絶対に」とは言い切れませんが、
ほぼ老後の心配をすることなく
マイホームを持つことが出来ると思いますから。

【おうちづくりコラム】農地に建てるという選択肢

インフレによって建築費はもちろん
外構工事費も土地造成費も値上がりしたことから、
土地から買って家を建てるとなれば
数年前よりも最低でも500万円、
場合によったら1000万円ほど
家づくりの予算が上がってしまいました。

ゆえ、個人的には費用を大幅に浮かせるために
実家に土地があるのなら
そこを積極的に活用することをオススメしているのですが、
もちろん、この場合でも何もせずに(お金をかけずに)
そのまま建てることが出来る土地もあれば
そうじゃない土地もあります。
古い家が建っている場合であれば解体工事が必要になるし、
田んぼや畑に建てるのであれば造成工事が必要になるように。

そんなわけで今回は、
手続き的にも費用的にも若干ややこしい
田んぼや畑などの「農地」に家を建てる場合について
お伝えしていきたいと思います。

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実家が所有している農地に家を建てる場合、
「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかによって
手続きやかかる時間が変わってきます。

「市街化区域」は基本的に宅地を推奨している地域なので、
簡単に宅地にすることが出来るのに対し、
(事後報告の許可で大丈夫です)
「市街化調整区域」は基本的に農地を推奨している地域なので、
市街化区域のように簡単に宅地にすることが出来ないからです。
(事前に届出をして許可をもらわないといけません)

ゆえ、まずはこの地域を確認していただければと思うのですが、
仮に「市街化調整区域」か、
「市街化区域」でも「市街化調整区域」
のどちらでもない地域だったとしたら、
次に確認していただきたいことが
「農業振興地域」に該当しているかどうかということです。

仮に、農業振興地域に該当しているとしたら、
農地を宅地に変える「農地転用」という申請をする前に、
農業振興地域から外してもらう
「除外申請」をしないといけないのですが、
そのタイミングが年に2回しかないからです。

ゆえ、農地に家を建てようと思ったら
ここまでのことを親御さんに確認してみてください。

市街化区域の場合だと、
農業振興地域であることもないし、
農地転用は1ヶ月もあれば出来るのですが、
市街化調整区域やそれ以外の地域の場合は、
農地転用に2ヶ月ほどかかる上に、
農業振興地域にかかっている場合、
申請のタイミングが年に2回しかないため、
早くても8ヶ月、タイミングが悪い場合、
1年以上も農地転用が終わるまで
時間がかかってしまうかもしれませんからね。

要は、地域によって家を建て始めるまでの時間が
かなり違ってくるというわけですね。

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✔️農地を宅地にする費用

続いて費用についてですが、
農地を宅地にする場合、
以下の費用がかかってきます。

・農地転用費用
・開発許可費用(必要な場合)
・測量分筆費用(農地の一部を宅地にする場合)
・境界擁壁工事(田んぼや隣地との境の壁)
・水道引き込み工事
・水道加入金(市役所に払うお金)
・排水負担金(農業用水路に排水をするため)
・土工事(土のすきとりと追い足し)

もちろん、これらは土地の状況によって違ってくるので
一概には言えないのですが、
単純な目安としては「宅地にする坪数×5万円」
くらいは最低でも予算に組み込んでくといいのでは?
といつもお伝えさせていただいています。

宅地にする広さを60坪にするのなら
最低でも300万円ぐらい、
宅地にする広さを70坪にするのなら
最低でも350万円ぐらい、という感じですね。
(ここから大幅に予算が狂うとしたら
水道が前面道路に通ってない場合です。
だとしたら+100万円は必要かもしれません)

思っていたよりも安かったでしょうか?
あるいは、逆に高かったでしょうか?

いずれにせよ、こっちの方が土地を買うよりも
断然予算が抑えられそうなのだとしたら、
この選択肢を現実的に考えていただいても
いいんじゃないかと思っている次第です。

もっとも、安いからといって土地面積を広げ過ぎると、
外構工事に余分なコストがかかるし、
今後払い続けることになる固定資産税も高くなってしまうので、
面積の加減をよく考えないといけないんですけどね。

というわけで、ざっとした説明ですが
家づくりをする上でこの選択肢も考えられるとしたら
今回の記事を参考にしてみてください。

【おうちづくりコラム】子育て世代の強い味方

お年寄りになるとフローリングで仕上げた洋室よりも
タタミで仕上げた和室の方が良いんじゃないかと
ついつい考えてしまいますが実際はそうではありません。

年をとると足や腰になんらかの支障が出てきて
屈伸をするのが辛くなるため、
タタミに布団を敷いて寝るよりも
ベッドで寝る方が楽だからです。

そして、この観点から考えると
階段も足腰に負担がかかることから
「歳をとったら絶対に平屋がいいよねー」となり
もちろんその通りなのですが、
では若いうちは平屋より2階建ての方がいいのかと言うと、
それも決してそういうわけではありません。
若い人たちもいずれは歳をとってお年寄りになるわけですしね。

では今回は、
若くても2階建てより平屋の方がいい理由について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️リビングが散らかりにくいから

2階建てを基本に考えてしまうと
子ども部屋や寝室を2階につくることになるのですが、
子どもたちは親のそばでずっと居るし、
いちいち自分の部屋まで片付けに行くのが面倒なので、
いつも使うものの定位置がリビング付近になってしまいます。

また、寝室を2階につくるとセットであることが多い
ウォークインクローゼットも2階につくることになるのですが、
いつも着る服をいちいち上まで持ち運ぶのも面倒なので、
これまたリビング付近がそれらの定位置になってしまいます。

結果、コストを抑えるために収納を削ってしまうと、
リビングが常時散らかった状態になるし、
それを防止するために収納や余分な部屋をつくるとなると、
大幅に建築コストが上がってしまいます。

他方、平屋にすれば全ての収納と部屋が
リビングから移動しやすいところに配置されることになるので、
おもちゃや衣類を片付けるのが
2階建てに比べて面倒じゃなくなります。
その上、余分な収納や部屋をつくる必要もなくなるので、
その分コストが抑えられますしね。

✔️家事の手間が減るから

そして平屋のもう1つの良さが家事の手間が減ることです。
例えば、洗濯動線。
洗濯物を干しに行くにしても洗濯物を片付けに行くにしても
水平移動だけで済むため、
上下を移動するよりもずいぶんと時短になるでしょうし、
毎日のこの負担が減るだけでも
気持ち的にもずいぶんと楽になるのではないでしょうか。

片付けに関しては先程お伝えした通りです。
子どもたちやご主人がそれなりにキッチリ片付けてくれれば、
奥さんの負担はきっと大なり小なり減ることでしょう。

掃除に関しても、ワンフロアだけで済むことから
あなたが仕事に行っている時間帯に
お掃除ロボットを動かしておくだけで、
床掃除の手間がずいぶん減るのは明らかな事実ではないでしょうか。

そんなわけで平屋は
家事・育児・仕事を同時にこなす超絶忙しい奥さんとって
強力な味方となるわけです。

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✔️コストが抑えられるから

「平屋は2階建てよりも建築費が高い」
というイメージがあると思いますが、
これは建て方次第でどうとでもなります。

要は、先程も少し触れたように2階建てに比べて
保険的な意味合いの部屋や収納をつくる必要がなくなるので、
そこさえ理解しておけば
決して建築費そのものも高くなることはないというわけですね。
平屋にすれば階段もなくなるし、
廊下の面積も2階建てに比べて圧縮することが出来ますしね。

また、平屋にすれば耐震性が高くなることから
制震ダンパの設置が必要なくなること、
平屋にすれば体積が小さくなるし
上下階に温度差が出来なくなることから、
空調システムなどに余分なコストをかける必要がなくなること、
これらも平屋のいいところだと思います。

空調システムは2階建ての家にとって
快適に暮らすための素晴らしいツールではありますが、
電化製品であるが故に
エコキュートや冷蔵庫同様にそのうち壊れる時が訪れて、
とんでもないメンテコストがのしかかってくることになるでしょうしね。

以上のような理由から弊社では、
たとえ年齢が若くとも平屋をオススメしているというわけですね。
間取りのつくり方次第で、
土地のコストや外構もコストだって
2階建てに比べて抑えることも出来ますしね。

というわけで、
これから家を建てる方はぜひこの記事も参考にしながら
家づくりの計画を立てていただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】変化する経済事情

激化する米中対立によって
今後、日本経済は良くなるのではないかと言われ始めています。
実際、日経平均株価はバブル以降で最高値を更新し、
その勢いは衰えるどころかまだまだ上昇しそうだし、
AIの発達に伴い今後ますます需要が増えるであろう
半導体の製造工場も中国の侵攻が危ぶまれる台湾から
日本へと急ピッチで移っていっているので、
これも日本経済にとってはかなりな追い風となるでしょうしね。

そんなわけで
「失われた30年」と呼ばれ続けたこれまでとは変わって、
これから日本は景気が良くなる可能性が上がりつつあるのではないか?
と考えている今日この頃です。

というわけで今回は、この状況を踏まえた上で
これから家を建てる方は住宅ローンをどう考えればいいのか?
についてお伝えしていきたいと思います。

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✔️価値観の転換

日本経済は、バブル崩壊以降
約30年あまり低空飛行を続けてきたため、
今後も経済は良くならず、
結果、金利の上昇もまずないだろうと巷では言われているし、
円安の影響による物価上昇のせいで
目先の生活は苦しくなっているのに対し、
所得は全くと言っていい程上がっていないため
経済が良くなりそうなイメージなんか全く出来ないと思います。

とはいえ、地政学的な動きに目を向けてみると、
明らかに世界の情勢は確実に変化しつつあるため、
これまでの考え方や価値観を転換するタイミングに
来たんじゃないかと個人的には考えています。

これまでの約30年は、
世界の覇権国である米国の制裁の矛先が日本だったのに対し、
現在はその矛先が中国に移り、
日本はその協力を求められている
という状況に変わりつつあるからです。

ゆえ、ここから先は
経済は上向きになる可能性が高まっていることを加味した上で、
住宅ローン商品の選択をした方がいいと考えています。

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✔️変化に備える

住宅ローンには「変動型」と「固定型』があり、
低空飛行が継続している今の状況では、
金利が割高となる「固定型」よりも
金利が割安な「変動型」を選んだ方が
利息の支払いが少ない可能性が高いため
「変動型」の住宅ローンを選ぶ方が得策だと言われていますが、
その場合でも世界情勢の流れは変わりつつあるので、
いつでも変化に対応出来るようにしておくべきだと思います。

つまり、金利が上がる可能性が徐々に高まってきているため、
そうなった時に備えて計画的に貯蓄をしていくことが大事だ
ということです。

貯蓄さえしておけば、
仮に金利が上がり返済負担が大幅に上がることになったとしても
返済負担が上がらないように
繰上げ返済によって元本を減らすことが出来るからです。

また、計画的な貯蓄が難しそうなのであれば、
利息を多く払う可能性は高いものの
固定型の住宅ローンを選んでおくのも
決して悪くない選択肢だと思います。

経済が成長すれば、
変動型の金利が現在の固定型の金利より
高くなる可能性だって充分考えられますからね。

ただし、固定型の住宅ローンを選ぶ場合は、
変動型よりも金利が高いため
返済負担を上げたくない場合は借入額を減らさないといけないし、
さらに固定型の住宅ローンは
変動型よりも初期費用が余分にかかるため
さらに土地や家にかけられる予算が減ってしまう
というデメリットがあります。

なので、これまでが金利が上がってないから
今後も上がることはないだろうと安易に考えるのではなく、
これらのことを加味した上で
どちらの方が自分たちにとって良さそうなのかを
ご判断いただければと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画の第三段階

総予算を算出しそこからもろもろの経費を引けば、
土地、家、外構にかけられるトータル予算が出るわけですが、
ここからの振り分けに関しては
あなたがどんな家を建てたいのか、
そしてどこに住みたいかによって全く違ってきます。

例えば、土地の価格が500万円の地域と1000万円の地域とでは、
単純に家と外構にかけられる予算が500万円違ってくるし、
家の面積が30坪の方と40坪の方では
家の価格が500万円ほど違ってくるため。
土地にかけられる予算が500万円違ってくることになります。

ゆえ、住みたいとお考えの地域やどんな家にしたいのかなどを考慮しながら、
土地、家、外構それぞれに予算を振り分けていくという作業を行っていきます。

では、仮に総予算が3800万円で
もろもろの経費が300万円だと仮定して、
残りの3500万円を土地、家、外構に
それぞれ振り分けするとなった場合、
弊社ではどのようにしているのかについて
お伝えしていきたいと思います。

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✔️予算の振り分け方法

予算を振り分けるにあたって最初にお聞きすることが
「どんな家を建てたいのか?」ということです。
平屋にしたいのか?2階建てにしたいのか?
家の広さはどれくらいになりそうなのか?
によって、探すべき土地の広さが違ってくるからです。

例えば、どうしても平屋が建てたいとして
必要なものをお聞きしていく限り
総施工面積が30坪ぐらいでおさまりそうだとしたら、
55坪前後の土地を探していくといった感じです。

あるいは土地価格が高そうな地域であれば
土地面積を少しでも抑えるために
一部を2階部分に持ってくることによって
1階部分の面積を抑えるという感じですね。
仮に1階部分が20坪ぐらいでおさまりそうなのであれば、
45坪前後の土地を探していくといった感じですね。

ここまで分かれば家の予算が大体見えてくるので、
予算の振り分けが出来るようになります。

仮に総施工面積30坪の平屋の価格が
2500万円ぐらいになりそうだとしたら
残り1000万円で土地を買い外構工事をすることになるので、
土地に費やす予算が900万円前後、
外構に費やす予算が100万円前後、といった感じですね。

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そして、土地の相場が20万円ほどする地域だと、
55坪で探すと1100万円となり、
200万円ほど予算オーバーしてしまうので、
200万円予算を絞りながら土地探しをするといった感じです。

南向きの土地をあえて外す、とか
日当たりに少々難がありそうな土地に絞って探す、とか
新規分譲地ではない土地を探す、など
近隣に比べて価格が安く設定されていそうな土地を中心に。

外構に関しては、どんな家を建てるのかによって
予算の枠組みが大きく違ってきますが、
弊社が建てる家は基本最低限の費用しか必要ありません。
間取りが分かりにくい弊社のお家は、
プライバシーや防犯を担保するための余分な工事が一切必要ないし、
外観が美しいことから華美な外構工事をする必要もないからです。

結論を申し上げると、予算の振り分けは
どんな家を建てるのかによって違ってくるということなので、
まずは自分がどんな家に住みたいのかを明確にしていただき、
それに基づいて土地や外構の予算を決めていただければと思います。

といっても
自分自身でここまでやり切るのはかなり至難の技だと思うので、
具体的に動き出す前に知っておきたいなーという方は、
いつでもご相談いただければと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画の第二段階

資金計画の第1ステップ全体の予算設定が終わったら、
この資金を個別のものに振り分けていくのですが、
この振り分けを行うにあたって知っておいた方がいいことが、
家づくりでは「思いもよらなかった費用が上積みしてかかることがある」
ということです。

例えば、
土地はネット広告に表示されている価格だけを支払えば
手に入れることが出来ると思ってしまいがちですが、
実はそこに表示されていないことがいくつも存在します。

仲介手数料、水道加入金、排水負担金、
登記代(所有権移転&抵当権設定)、境界基礎代金、境界ブロック代金、
そして場合によったら水道引き込み代金といった費用です。
そして、これらには通常100万円前後必要となるし、
水道が引き込まれていない場合
さらに50万円〜100万円ほど追加費用が必要になることがあります。

また、家の金額にしても建てる方からすると
当たり前にように含まれていると思っているものが
当たり前にように含まれていないことが多々あるので、
この点も注意しておく必要があります。

伝えられた価格や出てきた見積もりは安かったものの、
蓋を開けてみると実は設計費用、照明器具、カーテン費用、
シャッター費用、浄化槽費用、といった工事が含まれていなかったとか、
最低のものでしかみてくれていなかったため、
実際の打ち合わせが始まると追加費用がどんどん計上されていき
当初の計画より遥かに高くなったなんてことがざらにありますからね。

外構工事に関しても、
住宅会社は低めに見積もる傾向があるので
この点も気をつけておかないといけないところです。
住宅会社側の視点に立ってみるとお分かりいただけると思いますが、
全体予算が決まっている場合、
外構予算の枠を広げるとその分建築予算が縮まるから、です。

ゆえ、土地、家、外構では
こういった落とし穴があるということまで織り込んだ上で
予算の振り分けをしないといけないし、
決めた予算の中からはみ出ないように土地を探し、
家や外構の設計を住宅会社にしてもらわないといけません。

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✔︎もろもろの経費を把握する

では、これらをご理解いただいた上で
予算の振り分けを考えていってもらいたいのですが、
土地、家、外構に予算を振り分ける前に
まずは、家づくりに伴って必要となる
様々な経費を算出しないといけません。

・銀行経費
・火災保険(地震保険)
・登記代(土地と建物の両方)
・地盤改良費用
・新居に必要な家具や家電費用
・引越し費用
・ネット(テレビ)回線工事
・雑費(地鎮祭・近所挨拶など)
これらの費用ですね。

銀行経費に関しては、
利用する銀行によっても違えば変動か固定かによっても違うし、
あなたの職業によっても違ってくるので、
利用しようと考えている銀行にご確認いただくのがいいと思います。

火災保険に関しても、
年数や補償の範囲、家の構造などによって違ってくるので、
損保会社に知り合いがいらっしゃるなら聞いてみるといいし、
中立的に保険をたくさん扱う保険会社を
ネットで調べて聞いてみてもいいと思います。

登記代に関しては、
土地から買って家を建てる場合、
通常、土地の所有権移転登記、建物の表題登記&保存登記、
土地、建物それぞれに抵当権設定登記が必要となってくるのですが、
これらに関してもネットで調べれば目安が出てくるので、
動き出す前に調べておくといいと思います。

この他、地盤改良費用は平屋か2階建かによって異なるし、
改良方法によっても異なるのですが、
平屋の場合は100万円ぐらいを
2階建ての場合は80万円ぐらいを
見込んでおくといいのではないでしょうか。

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家具や家電に関しては
家庭によって必要なものが違ってくるので、
ご夫婦で話し合いつつ
家具屋さんや家電量販店などに下見に行っていただければ
ある程度予算枠を掴むことが出来るし、
引越し代やネット回線工事に関しては、
それぞれ地域の専門業者に確認いただくと教えていただけると思います。

以上が、いわゆる諸経費と呼ばれる
土地、家、外構以外に必要となるもろもろの経費たちなので、
全体予算が算出出来たら
まずは以上の項目を概算で算出していただければと思います。

では次回は、資金計画の最終段階である
土地、家、外構への予算の振り分けについて
お伝えしていきたいと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画の第一段階

何事もゴール(目標)を設定してから
プロセス(やる事)を決めていくように、
家づくりの資金計画もライフプランを考えた上で
家づくりの予算を決めた方がいいし、
予算決定においても返済計画を元に全体予算を決めてから
個別(土地・家・外構)に振り分けしていくのが
最良の方法ではないでしょうか。

家づくりでは叶えたいと願う理想の形と
暮らしを第一に考えた現実的な予算との間に
大きなギャップが生じる可能性がかなり高いからであり、
この選択を間違えると
先々生活が苦しくなる可能性が相当高くなるし、
最悪、家を手放すという選択を
強いられるリスクすら充分考えられるからです。

ゆえ、モデルハウスを見に行ったり見学会に参加したり、
土地を探したりという風にあれこれと動き出す前に、
まずは資金計画をしていただくことを
オススメしているというわけですね。

そして、もう一歩踏み込んで言うなら、
現在の原材料コストからすると
ほぼ確実に予算オーバーしてしまうので
前回お伝えさせていただいたように
資金計画をする前に貯蓄計画の見直しをしていただくことを
オススメしているというわけです。

つまり、家計負担の上振れリスクをヘッジするために、
マネーリテラシーを高めていただき
貯蓄額を上振れさせていくという
作戦を実行していく算段ですね。

では今回は、
資金計画のやり方についてお伝えしていきたいと思います。
最近は資金計画を最初に行う住宅会社も増えてはいますが、
住宅会社が行う資金計画は
住宅会社に都合が良い資金計画であることが多く
現実との乖離が著しくなる可能性が高くなるので、
今回の記事を元にぜひ自分たちでもやってみていただけたらと思います。

ネットを開けばローンシュミレーションはあるし、
住宅ローンの情報も溢れているし、
かつ金利の比較も出来るし土地の相場も概ね分かりますしね。

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✔️資金計画の手順

資金計画では最初に全体の予算を出します。
全体の予算とは自己資金の額と
銀行から調達する資金(ローン)を合わせた金額のことですね。
仮に、自分たちの貯金から出せる金額が100万円で
親からの援助が200万円あるとしたら
合計300万円が自己資金という感じです。

銀行のローンに関しては、
1.毎月の返済額
2.金利
3.返済期間
この3つが分かれば必然的に決定するので、
この3つを決めていく作業から始めていきます。

まずは毎月の返済金額。
これを現状の家賃との比較だけで
決めようとする方(住宅会社)がけっこういらっしゃるのですが、
家(資産)を持つと維持管理コストがそれなりにかかるので、
これも織り込んで考えていただくことを忘れないようにしないといけません。

固定資産税(都市計画税)、火災保険(地震保険)、
定期的なメンテ代の積立、設備品の老朽化に伴うリフォーム代の積立、
家電製品の買い替え費用、といった費用ですね。

続いてが金利。
金利に関しては「変動」か「固定」によってけっこう違ってくるのですが、
個人的にはどちらを選んでいただいても良いと考えています。

現在は、固定金利だけがずいぶんと上がってしまったため
変動金利一択のような流れにはなっていますが、
とはいえ固定の金利も1%代とそこまで高いわけでもありませんしね。

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最後に返済期間についてですが、
これに関しては出来るだけ長くしていただいていい
というのが個人的な考えです。

住宅ローン金利の中には
掛け捨ての生命保険が含まれているし、
返済期間を長くすれば利息の支払いは増えてしまうものの
毎月の返済負担が減るため、
その浮いた資金を住宅ローン金利より利回りが高い
長期積立投資に回し続けることが出来るからです。

要は、長期間もしもの時の保証を保有し続けることが出来るし、
手元に残るお金も増えやすくなるからというわけですね。

以上の点を踏まえて、
まずは全体の予算計画を立ててみていただければと思います。
では、次回は個別予算の考え方について
お伝えしていきたいと思います。

【おうちづくりコラム】家づくりに動き出す前に

家づくりで取り返しがつかない失敗をしないためには、
モデルハウスや見学会に行く前に、
また土地探しを始める前に、
まずは予算を決める資金計画をした方がいいのですが、
資金計画の精度を高めるためには、
その前にライフプランの見直しをすべきではないでしょうか。

理由は、建築資材の値上がりによって建築費はもちろん、
外構工事費や土地取得費もそろって値上がりしていることから、
家計における住居費の割合が高くなり、
結果、きちんと計画しないまま家を建ててしまったら
苦しい生活を送り続ける可能性が
以前に比べて高くなっているからです。

物価上昇によって家計の負担が増える分、
それに連動して所得も上がれば別段問題ないのですが、
現状それは難しそうだし、
今後も期待出来そうにありませんしね。

そんなわけで、これから家を建てようとお考えの方は、
具体的に家づくりに動き出す前に
ライフプラン計画を立てた上で家にかける予算を
決定していただくことをオススメしています。

要は、安心して(不安を感じることなく)
家づくりが出来るようになるために
事前に「貯蓄計画」を整えた上で
家づくりを計画した方がいいということですね。

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例えば、子供が生まれたら
「生命保険」と「学資保険」に入っておかないといけない
という当たり前が世間にはあり、
実に多くの方がこれらに貯蓄資金を投入してしまっていますが、
「お金を増やす」という観点で考えると、
これらは最良の選択ではありません。

学資保険に至っては、
全く増えないと言っても過言ではない
銀行の預金と同程度しか増えないし、
死亡保証と同時に貯蓄性もある「終身保険」にしても
国が推奨する「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
と比べると増えないからです。

ゆえ、個人的には
保険には貯蓄性を求めるべきではないと考えています。

そして、保険に入る必要があるとしたら
子供たちが自立するまでの間、
もしものことがあった時のための
死亡保証だけでいいと考えています。
(掛け捨ての安い定期保険です)
年齢的に考えると死亡するリスクは限りなく低いですが、
万が一ということも「なきにしもあらず」だからです。

とはいえ、家を建てるにたり住宅ローンを利用するのであれば、
住宅ローン金利の中には「団体信用生命保険」が含まれており、
もしものことがあった時には一括繰上げ返済してくれ
ローン返済はなくなるわけだし、
それと同時に遺族年金も支給されることになるので、
過剰に入り過ぎる必要もないんですけどね。

さらに、医療保険に関しても
若い時から加入すると保険料が安いからと
ついつい保険会社に言われるがまま入ってしまいがちですが、
そもそも「国民健康保険」という
高額な保険を給料天引きで支払っており、
医療費は30%負担でいいし
高額療養費制度も利用出来ることから
冷静に考えると入る必要はありません。

おそらく、というかほぼ確実に
払った保険料以上に保険金を受け取ることはないでしょうし、
医療費の半分以上が必要となる65歳以上の方でも
多い方で月平均7,000円ぐらいしか医療費がかかっていない
というデータが厚生労働省にもありますしね。

そんなわけで、保険には基本加入せずに、
それらの費用をもっとお金が増える
「長期積立投資」に回していただきたいと考えている次第です。
もちろん、銀行の定期預金なんかも入るだけ無駄なので
この資金も、です。

おそらく今後はこれまでの常識に従い
銀行預金と保険で貯蓄を考えている方と、
それらを極限まで低め
その浮いた資金を長期積立投資に回している方とでは、
子供たちの教育資金にせよ、老後資金にせよ、
間違いなく雲泥の差が生じると思います。
家の修繕費用や家電の買い替え費用といった
維持管理費用に回すことが出来る資金も。

また「貯蓄」に回すべき資金を
家づくりに回してしまった方と、
家づくりに回す資金を抑える努力や工夫をし
その浮いた資金を「貯蓄」に回した方とでは、
なおのこと大きな差が生じることになると思います。

なので、家づくりをする前には
必ずライフプランや貯蓄の見直しを
行なうようにしていただければと思います。

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現在は、ネットやYouTubeなどで
簡単に情報を手に入れることが出来るし、
その実行が難しければライフプランの見直しから貯蓄計画にまで
寄り添ってくれるファイナンシャルプランナーもいらっしゃるので、
まずはこの段階を踏んでから家づくりに取り組むという
意識を持っていただければと思います。

手堅く計画すると
家づくりの予算が低くなってしまうかもしれませんが、
それが現実の予算であり、
家づくりの予算を間違えないことは
家族を守るために大切な要素なので、
ぜひ、これからの常識に加えていただければと思います。

【おうちづくりコラム】家づくりに動き出す前に

家づくりで取り返しがつかない失敗をしないためには、
モデルハウスや見学会に行く前に、
また土地探しを始める前に、
まずは予算を決める資金計画をした方がいいのですが、
資金計画の精度を高めるためには、
その前にライフプランの見直しをすべきではないでしょうか。

理由は、建築資材の値上がりによって建築費はもちろん、
外構工事費や土地取得費もそろって値上がりしていることから、
家計における住居費の割合が高くなり、
結果、きちんと計画しないまま家を建ててしまったら
苦しい生活を送り続ける可能性が
以前に比べて高くなっているからです。

物価上昇によって家計の負担が増える分、
それに連動して所得も上がれば別段問題ないのですが、
現状それは難しそうだし、
今後も期待出来そうにありませんしね。

そんなわけで、これから家を建てようとお考えの方は、
具体的に家づくりに動き出す前に
ライフプラン計画を立てた上で家にかける予算を
決定していただくことをオススメしています。

要は、安心して(不安を感じることなく)
家づくりが出来るようになるために
事前に「貯蓄計画」を整えた上で
家づくりを計画した方がいいということですね。

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例えば、子供が生まれたら
「生命保険」と「学資保険」に入っておかないといけない
という当たり前が世間にはあり、
実に多くの方がこれらに貯蓄資金を投入してしまっていますが、
「お金を増やす」という観点で考えると、
これらは最良の選択ではありません。

学資保険に至っては、
全く増えないと言っても過言ではない
銀行の預金と同程度しか増えないし、
死亡保証と同時に貯蓄性もある「終身保険」にしても
国が推奨する「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
と比べると増えないからです。

ゆえ、個人的には
保険には貯蓄性を求めるべきではないと考えています。

そして、保険に入る必要があるとしたら
子供たちが自立するまでの間、
もしものことがあった時のための
死亡保証だけでいいと考えています。
(掛け捨ての安い定期保険です)
年齢的に考えると死亡するリスクは限りなく低いですが、
万が一ということも「なきにしもあらず」だからです。

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とはいえ、家を建てるにたり住宅ローンを利用するのであれば、
住宅ローン金利の中には「団体信用生命保険」が含まれており、
もしものことがあった時には一括繰上げ返済してくれ
ローン返済はなくなるわけだし、
それと同時に遺族年金も支給されることになるので、
過剰に入り過ぎる必要もないんですけどね。

さらに、医療保険に関しても
若い時から加入すると保険料が安いからと
ついつい保険会社に言われるがまま入ってしまいがちですが、
そもそも「国民健康保険」という
高額な保険を給料天引きで支払っており、
医療費は30%負担でいいし
高額療養費制度も利用出来ることから
冷静に考えると入る必要はありません。

おそらく、というかほぼ確実に
払った保険料以上に保険金を受け取ることはないでしょうし、
医療費の半分以上が必要となる65歳以上の方でも
多い方で月平均7,000円ぐらいしか医療費がかかっていない
というデータが厚生労働省にもありますしね。

そんなわけで、保険には基本加入せずに、
それらの費用をもっとお金が増える
「長期積立投資」に回していただきたいと考えている次第です。
もちろん、銀行の定期預金なんかも入るだけ無駄なので
この資金も、です。

おそらく今後はこれまでの常識に従い
銀行預金と保険で貯蓄を考えている方と、
それらを極限まで低め
その浮いた資金を長期積立投資に回している方とでは、
子供たちの教育資金にせよ、老後資金にせよ、
間違いなく雲泥の差が生じると思います。
家の修繕費用や家電の買い替え費用といった
維持管理費用に回すことが出来る資金も。

また「貯蓄」に回すべき資金を
家づくりに回してしまった方と、
家づくりに回す資金を抑える努力や工夫をし
その浮いた資金を「貯蓄」に回した方とでは、
なおのこと大きな差が生じることになると思います。

なので、家づくりをする前には
必ずライフプランや貯蓄の見直しを
行なうようにしていただければと思います。

現在は、ネットやYouTubeなどで
簡単に情報を手に入れることが出来るし、
その実行が難しければライフプランの見直しから貯蓄計画にまで
寄り添ってくれるファイナンシャルプランナーもいらっしゃるので、
まずはこの段階を踏んでから家づくりに取り組むという
意識を持っていただければと思います。

手堅く計画すると
家づくりの予算が低くなってしまうかもしれませんが、
それが現実の予算であり、
家づくりの予算を間違えないことは
家族を守るために大切な要素なので、
ぜひ、これからの常識に加えていただければと思います。

【おうちづくりコラム】土地探しをする前に

いわゆる「固定概念」と言われる
なんとなく当たり前のように受け入れている常識的なものは、
家づくりの予算を押し上げる原因となるものが多かったりします。

例えば「土地は南向きがいい」ということ。
一般的に日当たりがいい土地が最も良いとされているからです。
結果、需要が供給を上回り割高な価格がつけられ、
かつ値引きの余地もなくなります。

そして、南向きの土地の利点を活かすように
部屋を南向きでつくることになれば、
これもまた家の予算を押し上げる隠れた要因となります。

理由はオプション品が割増で必要となるからです。
まず割増で必要となるのが「シャッター」です。
なんせ、南向きの土地は台風の風がモロに直撃するので、
ガラスに何かが飛んできたら大変なことになってしまいますからね。
その上、南向きの土地は窓を見れば間取りが分かってしまうし、
夜になると(電気の点灯で)使っている部屋まで分かってしまうという
防犯面で不安な点を抱えていますしね。

そんなわけで、これらの不安がつきまとう大きな窓には
「シャッター」というオプションが
セットでくっついてくるというわけです。
窓1つあたり5〜10万円単位の。

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そして必要となるもう1つのオプションが「カーテン」です。
南向きの窓は1日中直射日光が差し込んでくるため
カーテンがないと眩し過ぎるし、
光線で液晶画面が見にくくなるし、
家具や雑貨が焼けてしまうし、
なにより、カーテンがないと外から家の中が丸見えになってしまい
落ち着いて過ごせないからです。

家で居る時は寝癖ボーボーのままだし
家着(パジャマ)のままだし
ゴロゴロと過ごしているのが普通ですが、
流石にそんな姿をご近所さんたちにお披露目出来ないですからね。

そんなわけで、人目が気になる大きな窓には
レースカーテンはもちろんのこと、
中が隠せるドレープカーテンまで一緒に必要となってくるのですが、
これらもシャッター同様に窓1つあたり
5〜10万円単位で追加費用がカウントされていきます。

さらに、南向きの土地は
外構工事も余分なコストがかかりやすいという特徴を持っています。
先程述べたような防犯性の悪さを
外構工事でカバーせざるを得ないからです。
知らない人が心理的に敷地の中に入ってきにくくする工夫ですね。

また、南向きの土地では
ウッドデッキも道路に面してつくることになりますが、
これも目隠しなしではとてもじゃないけど使えません。
こここそ完全に丸見えとなる場所ですからね。

ゆえ、デッキ工事にプラスしてなんらかの形でデッキを隠す
目隠し工事をせざるを得なくなるのですが、
この目隠しに関しても
天然の木でつくれば比較的割安につくることが出来ますが、
絶対に朽ちない木目調のアルミ製がいいということになれば、
それだけで7〜80万円もの費用になってしまいます。

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まとめると、
・土地は日当たりがいいほど良い、
・部屋は南向きが良い
・南向きの窓が多いほど良い
家づくりの絶対的な王者として君臨するこの3つの固定概念は、
その裏に最も高い買い物をするという負の側面(欠点)を持っています。

土地代が高くなり家代も高くなり、その上外構代も高くなる。
結果、銀行からの借り入れも増え利息の支払いが多くなり、
家計のゆとりが少なくなる。

裏返すと、需要も高く資産価値が高いため、
将来的に売却の可能性があるなら
南向きの土地はとっても良い土地であるということになるのですが、
ここに永住するつもりで土地を購入されるのであれば、
こういった事実も知っていただいた上で
土地探しや家づくりに取り組んでいただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】表と裏を意識する

非日常を感じていただけるような空間づくりにこだわるために、
ホテルがお客様の目に触れない場所にバックヤードをつくるように、
家もまた、美しさにもこだわるなら「表」と「裏」を意識しながら
「間取り」と「外観」をつくりあげていかないといけません。

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例えば「水回り」スペース。
洗面脱衣、トイレ、お風呂、キッチンといった水回りスペースは
景観を乱しやすい要素を兼ね備えていることから
絶対に家の「表」に配置すべき空間ではありません。

1つ目の要素が「窓」です。
窓が景観を乱す理由は、
水回りスペースは窓のサイズや高さを統一しにくいからと、
窓の数が増えれば外壁に出来る涙のような
垂れジミの数も多くなってしまうからです。

そして2つ目の要素が「換気扇」です。
これらのスペースには全て「換気扇」が設置されることになるのですが、
それらは生活感を醸し出すと同時に、
ここから発生するカビを原因とする黒い汚れを
確実に外壁に付着させていきます。

ゆえ、これら水回りスペースは
どんな土地であっても基本家の「裏」に配置することを
設計の基本にした方がいいというわけですね。

これらのスペースの近くには
エコキュートやガス給湯器なども確実に置かれることになりますしね。
そんなものまで家の「表」に見えようものなら
カッコよさもへったくれもありませんからね。

また、もう1つ絶対に「表」には出してはいけないものが
「エアコンの室外機と配管カバー」です。
こんなものが家の正面に出てこようものなら
それだけで死ぬほど家がカッコ悪くなってしまいますからね。

そんなわけで間取りを考える時は、
水回りに出来る窓や換気扇はもちろん、
給湯器や室外機が「表」に出てこないかというところまで
意識しながら配置を考えていかないといけないというわけですね。
「動線」はもちろんのこと近隣の環境も織り込みつつ
「採光」をどう取るかまで並行して考えながらです。

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✔️固定概念が邪魔をする

これらが「住みやすさ」と「美しい外観」を実現するために
僕たちが考慮していることなんですが、
美しい外観の実現を邪魔する最たるものが「固定概念」です。
固定概念とは「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージですね。

例えば、部屋は南向きでつくらないといけないという固定概念は
万人の頭の中に知らない間に溶け込んでいることですが、
このルールを北向きの土地で頑なに守ろうとすると、
必然的に「表」となる北側に水回りが配置されることになります。

そして、その固定概念が不細工な外観をつくりあげてしまいます。
同時に、日当たりが悪いリビングも実現しながら。
(南側の家との間に充分な距離が取れないからです)

あるいは、このルールを大人気の南向きの土地で適用しようものなら、
水回りは「裏」につくられるものの
部屋が「表」につくられることから
エアコンの配管カバーや室外機が「表」に登場しやすくになります。

そして丸見えの部屋を覆い隠すためにカーテンとシャッターを設置し、
光が入ってこない薄暗い家を
100万円以上の追加費用を支払って
つくりあげることになってしまいます。

ゆえ、美しい外観も同時に実現したいとお考えなのであれば、
こういった「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージを
一旦リセットしていただかないといけません。

一つ例を挙げるとしたら、南向きのこだわる理由は
光は「直射光」しかないと思いこんでしまっているからですが、
光には「天空光」という空気中の塵や水蒸気に反射して拡散する光もあり
安定した採光を実現するのは
実は「天空光」だということを知ることさえ出来れば、
南向きの部屋に固執することもなくなるという感じでしょうか。

とにかく、家づくりには
こういった根拠の薄い固定概念がいくつも存在しているので、
これらに縛られないように
根拠ある正しい知識をつけていただければと思います。

【おうちづくりコラム】限りなくシンプルに仕上げる理由

弊社では室内にせよ室外にせよ
限りなくシンプルに仕上げることを常に心がけています。
室内をシンプルに仕上げるということは、
出来るだけ凹凸をつくらず直線的な空間に仕上げること。
かつ白をベースにし、それ以外は2〜3色でおさめることです。

直線的な空間にこだわる理由は、
凹凸が多くなれば目に飛び込んでくる情報が多くなり、
それが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となるからです。

そして、白をベースとし色を多く用いない理由は、
光の反射・拡散効果を最大化するためと
家具や生活雑貨を置いた時ゴチャゴチャしないようにするためですね。

色がたくさんあることも
凹凸がたくさんあることと同じように、
目に飛び込んでくる情報が多くなり、
これが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となりますからね。

そんなわけで弊社では、
室内を限りなくシンプルに仕上げているというわけです。
家そのものの存在感を薄くした方が
家具や雑貨などのオシャレアイテムがよりいっそう引き立ちますしね。

また、弊社では外観も
限りなくシンプルに仕上げているのですが、
これにもそうすべき理由がしっかりと存在しています。

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✔️最重要項目「プライバシーの担保」

快適な暮らしを送る上で、
弊社が最も大事だと思っていることが
「プライバシーが担保されているかどうか」ということです。

外から丸見えの家では、
寝癖やパジャマのまま家の中をウロウロしにくいし、
外から丸見えのウッドデッキでは
バーベキューや日向ぼっこが落ち着いて出来ませんしね。

ゆえ、弊社では「中庭」や「吹抜け」を使うことで
室内に届ける採光を安定させ、
人目に晒されるところから採光を取らなくていいようにしている
というわけです。

結果、外観がスッキリすると同時にカーテンもいらなくなり
家の中が劇的に明るくなります。
圧巻の開放感を感じられます。
比較するのは申し訳ないのですが、
そうじゃない普通の家とのその差は
天国と地獄レベルではないかと思います。

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そして外観をスッキリさせた結果、
家の見た目が限りなく美しくなるのですが、
これがもたらす効果は外構工事で
凝った仕上げをする必要が一切なくなるということです。
家そのものを美しく出来れば
それだけで存在感が生まれるからです。

結果、外構工事のコストを最小化することが出来ます。
外構工事に思わぬ費用がかかり
大幅に予算オーバーしてしまったり
貯金が底をつくなんてこともありません。
また、お金が足りなくなり外構工事が出来ないなんていう
最悪の事態を引き起こすこともありません。

さらに、このようなお家は
外から見ただけで家の間取りを読み取ることは不可能なのに加え、
外周部につくる窓が小さくていいことから
防犯のための小細工をする必要もありません。

なんせ弊社のお家は外壁そのものが塀代わりとなるため
塀にこだわる必要どころか
塀を立てる必要すらないかもしれませんからね。
結果、さらに外構工事費用を圧縮出来るというわけですね。

このように弊社では、
室内・室内ともに限りなくシンプルに仕上げることによって
たくさんのメリットを意識的にもたらしています。

というわけなので、
こういった観点を頭の片隅に置きつつ
弊社の建てるお家を再度ご覧いただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】解決策は「お金」ではなく「間取り」

お金さえかけることが出来れば
家はいくらでも良くなります。

例えば、全館空調システム。
これを設置すれば平屋だろうと2階建てだろうと
あるいは家が小さかろうと大きかろうと
全ての部屋に冷暖房が行き届く温度差のない
快適な住まいを手に入れることが出来ると思いますが、
その引き換え条件としてそうしない場合よりも
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

また、床暖房も足元の冷えを解決してくれる
素晴らしいアイテムではあるものの、
設置するとなれば空調システム同様に
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

このように家はお金さえかければ
際限なく理想に近づいていくのですが、
「予算」という現実に真摯に向き合うと
その多くを諦めざるを得ないというのが
家づくりをする多くの方がぶち当たる大きな壁ではないでしょうか。

そんなわけで弊社では、
こういった「あったらいいなー・・でも予算的に無理だなー・・」
的なことをお金をかけずにカバー出来るように
間取りに工夫を凝らしています。

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✔️温度差の少ない空間づくり

温度差の少ない空間をつくるためには、
そもそも温度差が生まれやすい間取りをつくらないことが
最善の方法ではないでしょうか。

例えば、階段をなくす。
2階建てになると必然的に上下階に温度差が生まれます。
そしてリビング階段だと上の階から冷たい空気がおりてきて
暖房をしているのに妙に冷えを感じるという現象を引き起こします。

であれば、建てられるのであれば
平屋にすればそれだけでこの問題は解決出来ます。

また、廊下をなくせば
確実に家の中に温度差が生じにくくなるのではないでしょうか。
廊下があればそこで空気が分断され
全体に空気が循環しにくくなりますからね。

さらに、闇雲に家を大きくしないことも
温度差を少なくするためには非常に大切な要素となります。
単純に面積が大きくなればその分体積も大きくなりますからね。
その上、天井を高くしようものならさらに温度差が生まれやすくなるので、
弊社では天井を高くすることなく開放感を出す工夫をすることによって
無駄に体積を増やさないようにしています。

結果、空調システムや床暖房といった
イニシャルコストもランニングコストも多額にかかる機械に頼ることなく、
温度差の少ない空間づくりが実現しやすくなるというわけですね。

こういった機械類はやがて壊れるものであるため、
メンテコストも馬鹿にならないですしね。
電気代もどんどん上がっていることですし、
なるだけ電力を消費しない家にした方が間違いなくいいでしょうしね。

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✔️高い耐震性と耐久性

耐震に関しても、
2階建てではなく平屋にすればそれだけで一気に問題は解決します。

平屋にすれば、
2階建てのように重い2階部分を支える必要もないし、
2階建てのように家のバランスが悪くなりにくいからです。

なんせ2階建ては、
2階を支えないといけない1階が
2階より柱も壁も少なくなってしまう上、
南と北の壁のバランスも悪くなってしまいますからね。
南向きにこだわって家を建てると
兎にも角にも南に大開口をつくることになり、
必然的に南にほとんど壁がなくなってしまうからです。

そんなわけで弊社では「平屋」を基本としている次第です。
重心が低くどっしりとした平屋にしておけば、
耐震性の不安を払拭するために
50万円以上のコストをかけて制震ダンパを設置する必要もないし、
耐震等級3を取得するにしても、
間取りに制約を受けることが全くと言っていいほどありませんしね。

かつ、重心が低いということは
強風や重量車両の通行による揺れという
日常的な軽い地震のような影響も
受けにくいということでもあるので、
家もより長持ちしやすくなるでしょうしね。

いかがでしたか?

快適性にせよ安全性にせよ、
そもそも設計によって問題を解決すれば
無駄なお金を払う必要はないというのが
弊社の基礎となる考え方です。

以前より建築費が高騰している現在は、
経済的な側面を考えてもコストを抑える工夫が
これまで以上に必要になっているのは間違いありませんしね。

なので、単純にお金をかけて問題を解決していくという選択肢だけじゃなく、
お金をかけることなく問題を解決するという選択肢があるということも
ぜひ覚えておいていただければと思います。

【おうちづくりコラム】図面を読み解く力

多くの方が単純に方位と動線だけに着目し
家の間取りを決めてしまいがちですが、
住みやすさと美しさを同時に実現するためには、
他にも着目すべき点があります。

例えば、南向きの土地はとっても日当たりがいいため、
全ての部屋を南に配置し、
かつ南面に大きな窓をたくさんつくりたくなるのですが、
それは結果的に周りから丸見えになってしまうことから
カーテンが開けられない薄暗い家をつくる可能性を高めます。

そして、そんな環境の中では
高いお金を出してつくったウッドデッキもほぼほぼ使えない
なんてことにもなりかねません。

また、南向きの土地では、
玄関も南向きにつくるのが一般的ですが、
リビングのエアコンの抜き位置も考えておかないと、
玄関のすぐ隣にエアコンの室外機がちょこんと置かれている
なんてことにも十分考えられます。

北向きの土地に至っては、
南向きとはまた違った問題が
発生しやすいという特徴を持っています。

まず考えられる問題が、
家の顔となる正面が汚くなりやすいという問題です。
トイレ・脱衣・風呂といった水回りが
北に配置されるのが一般的なため、
換気扇や不均一な高さ&サイズの窓が
正面に並びやすくなるからです。

これに加えて水回りの近くには
給湯器も置かれやすくなるし、
外観を無視したまま間取りを考えると、
家の正面に勝手口が出来てしまうことも
決して少なくないからです。

その上ぐるりと家に囲まれているせいで
光が入ってきにくい土地だとしたら、
それこそ薄暗くジメジメした家になってしまいますしね。

そんなわけで、間取り図を見る時は
単純に方位と動線だけを見るのではなく
以下の点も同時に見ていただきたい、
いや見ていただくべきだと考えています。

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✔️周りからどう見えるのか?

誰も来ないような場所にポツンと建てるのなら話は違いますが、
基本、ほとんどの土地が
それなりに家が密集して建っているのではないでしょうか。
であれば、ご近所さんを含め
周りからどう見えるのかまで織り込みつつ
間取りや窓を考えるべきではないでしょうか。

大きな窓をつくっても
カーテンが1分たりとも開けられないのなら
そこから充分な光も入ってこないし、
風なんて全く通せないですからね。

ウッドデッキにしても、
気心が知れたご近所さんならまだしも
見ず知らずの人に見られるような所では
なんだか気恥ずかしくて活用しにくいですしね。

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✔️立面図に出てこない部材の位置

そして図面を見るにあたって
もう1つ読み取っていただきたいことが、
立面図には出てこない部材の位置です。

・エアコンの配管と室外機
・給湯器(エコキュートなら本体と室外機)
・樋(軒から地面までのたて樋)
・給排気口(キッチン・水回り・収納・居室)
・電気メーターボックス
・太陽光発電の宅内引き込み線
・太陽光発電のパワコン(外部に設置するなら)
・蓄電池(設置するなら)
といった部材です。

これらを考慮しなければ間取りは自由に変えやすいのですが、
考慮しないまま間取りを考えたり変えてしまうと、
冒頭でお伝えしたように
玄関の横にエアコンの室外機を置かざるを得ない状態になったり、
家の正面にエアコンの配管が出てきたり、
目立つ場所に給湯器を置かざるを得ない状況になってしまい、
結果、家の景観が乱れることになります。

というわけなので、
こういった間取り図の見方も覚えておいていただければと思います。
図面を読み解く力を養えば、
より住みやすく、よりカッコイイ家が
出来上がるのは間違いありませんので!

【おうちづくりコラム】間違った当たり前と解決策

窓をたくさんつくれば
それに比例して家の中が明るくなるように思いますが、
現実は決してそうではありません。
窓の向こうに隣家が建っていたり、
窓の向こうが開けている場合、
窓からは光や日差しとともに視線も入ってくるからです。

結果、それらの窓には全てカーテンが必要となり、
そして全くと言っていいほど開けることが出来なくなるため、
思っていたように家の中には光が入ってこなくなるというわけです。

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そんなわけで、
本当に明るい家を手に入れたいとお考えであれば、
単純に方位だけを考えて間取りや部屋の位置、窓を決めるのではなく、
その土地の周辺環境も加味しながら
それらを決めるのが最良の手段であると考えています。

カーテンが閉めっぱなしだと
家の中が暗くなるだけじゃなく、
外が見えず抜け感がなくなり
開放感まで台無しになってしまいますしね。

また、開放感を出すために
「天井を高くする」という方法がありますが、
これも先程の窓同様に、
ただそうすればそれだけで開放感が増すのかと言うと、
これまたそういうわけでもありません。

理由は、先程も申し上げたように
基本全ての窓にカーテンが設置されていて
かつ閉まったままの状態になっているため、
抜け感が感じられないどころか逆に閉塞感を感じてしまうから。

そして、たとえ天井だけを高くしても、
ドアや窓を既製品サイズの2mを使用しているのだとしたら、
天井とドアや窓との間に出来る垂れ壁が
さらに長くなってしまうことから
より天井付近に光が届きにくくなり、
薄暗さが増してしまうからです。
そもそもカーテンによって
入ってくる光の量が大幅に減っているわけですしね。

そんなわけで、
本当に開放感を手に入れたいとお考えだとしたら、
単純に天井を高くするのではなく
天井とドアと窓の高さをそろえることが
最良の手段であると考えています。
かつ、カーテンがいらない窓にすること。
この2つがそろえば文句なしの明るく開放的なお家の完成です。

この方法だと全くコストが上がらないどころか、
カーテンがいらない分むしろコストが下がるわけですしね。

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✔️ハイドア・ハイサッシの利点

天井の高さにドアを合わせる場合、
ハイドアと呼ばれる高さ2m40cmのものを使うことになるのですが、
そうすれば垂れ壁が全く出来なくなるので、
天井がずっと続いているように見えます。

また、外に出られる所に設置する窓を
天井まで高さがあるハイサッシにしつつ
そこにカーテンがいらないようにすれば、
圧倒的な開放感が得られると同時に空を眺めることが出来るし、
入ってくる光量にも圧倒的な差が生じます。

結果、たとえ曇りや雨の日でも
照明なしで過ごせるぐらい圧巻の明るさを
手に入れることが出来ると同時に、
まるでリゾートホテルで居るかのような
圧倒的な開放感を感じながら日々過ごすことが出来ます。

その上ドア枠も窓枠も必要じゃなくなるし、
カーテンやカーテンレールも必要じゃなくなるので、
その分、掃除や洗濯も楽になりますしね。

というわけなので巷で言われている方法では、
充分な明るさと開放感を手に入れることが出来ないということ、
そして、それらを手に入れるためには
間取りのアプローチの仕方や仕上げの方法が大切であるということを
覚えておいていただければと思います。

【おうちづくりコラム】家事の負担を軽減する最良の方法 その2

毎日しなければいけない洗濯の負担を軽減するためには、
その全ての移動を平面で出来るようにしておくこと
ではないでしょうか。

洗濯機から取り出した洗濯物を干しに行く動線、
乾いた洗濯物を取り込む動線、
そして畳んだ洗濯物を片付ける動線、
この全てが平面移動だけで済むのか?
それとも上下移動しなければいけないのか?
で、その負担は大きく違ってくるからです。

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例えば、洗濯機は1階にあるけど
干すのと片付けるのが2階だとしたら、
干すために水に濡れた重い洗濯物を
毎回2階まで持ち運ばなければいけません。

結果、移動が大変であるとともに
干しに行っている間と取り込み畳んで片付けている間
子どもたちから目を離すことになるのですが、
まだ子どもたちが小さいとしたらこれは少し不安になりますよね。

また、足腰が弱ってきたらその移動がなおのこと苦痛となります。
もちろん、これは遠い未来のことですが、
ここに住み続けることが前提であるので
これも想定しておく必要はありますよね。

では、これを解決するために
干場も片付ける場所も1階につくるとしたらどうでしょうか?

この場合、キッチンか脱衣室に勝手口を設け、
隣家との間にテラスをつくりそこに干す、
そして勝手口近くに家族全員のファミリークローゼットをつくり
そこに片付けるという間取りになり、
平面移動で全てが済むことになるため
移動効率の悪さ問題、子どもたちから目を離す問題、
老後に移動が苦痛になる問題、
これらは解決したかのように見えます。

しかし、これはこれで住んでみてから
初めて気が付く問題点が潜んでいます。

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✔️2つの問題点とその解決法

この間取りが抱える問題は2つ。
1つは、洗濯物を干す時、取り込む時、
お隣さんやご近所さんと鉢合わせになる可能性が高いため、
ボサボサの髪やノーメイク、そしてパジャマや家着のままで
その作業がやりにくいこと。

そしてもう1つは、
勝手口を経由しての移動は実はけっこうな距離がある上、
持てる荷物の量に限りがあるため、
干す・取り込む、の作業が思っている以上に大変なこと。
かつ、暑い日は汗だくになりながら、
寒い日はブルブル震えながら、その作業をしないといけないことです。

そんなわけで、あなたが
常に室内干し派やガス乾燥機「乾太くん」派じゃなく
基本スタイルは抜群の日当たりと風通しが期待出来る
外干し派であるとしたら、
勝手口から外に出て干すという動線ではなく、
「中庭」をつくることをオススメしています。

「中庭」をつくり、
そこにアクセスしやすい場所に脱衣室やクローゼットがあれば、
干す・取り込む・片付けるの全ての距離が圧倒的に短くなります。

また「中庭」は
基本リビングダイニングキッチンに接していることから、
常に子どもたちの近くで全ての作業をこなすことが出来るし、
「中庭」は隣家や近所の人たちの目を一切気にしなくていいので、
時間も気にする必要もなければボサボサの髪やノーメイク、
そしてパジャマや家着のままでもその作業をこなすことが出来ます。
なんなら、旦那さんが半裸や下着のままその作業をしても
なんの問題もありません。

結論としては「中庭がある平屋」にすること、
これが洗濯の負担を軽減出来る最良の方法ではないでしょうか。

【おうちづくりコラム】家事の負担を軽減する最良の方法

忙しい奥さんにとって「家事の負担軽減」は
家づくりで必ずクリアしたい重要な課題の一つだと思いますが、
この課題をクリアするにあたって大事なことが
「間取りづくり」です。

例えば、子ども部屋を2階につくると
子どもたちのものが自然とリビングに散乱することになるため、
よほどこまめに片付けをしない限り
リビングが散らかった状態になります。

結果、埃も溜まりやすくなり、
かつ掃除機をかけるにしても
まずは散らかった荷物の片付けから始めないといけなくなり、
掃除に余分な時間を取られてしまうことになります。

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もちろん、この問題は1階にリビングとは別に部屋を設ければ
その部屋が子どもの荷物の受け皿となり
解決することにはなるのですが、
家の面積が大きくなってしまうため
コストが大幅に跳ね上がってしまう
という別の問題を発生させてしまいます。

ゆえ、2階建ての家を建てるにしても
安易に子ども部屋は2階だと決めつけるのではなく、
1階につくるという選択肢も持っていただきたいと考えている
というわけですね。

また、子ども部屋だけに限らず、
寝室も1階につくれるのであればそうする方が
掃除・片付けの手間が大幅に削れるのではないでしょうか。

帰ってきて荷物を置くにしても服を着替えるにしても
わざわざ2階まで行くのはけっこう面倒くさいのに対し、
わずか数歩の水平移動だけで済む場所に寝室があれば
そう感じなくなるからです。

結果、リビングダイニングに
服やズボン、そして荷物などを置きっぱなしにすることがなくなり、
生活感が滲み出ることもなければ
片付けや掃除もうんと楽になるのではないでしょうか。

というわけで、片付けや掃除を楽にしたいとお考えであれば、
「平屋」にするのがベストではないかと思っている次第です。
平屋だと仕事に行っている間に
「お掃除ロボット」が家全体の床掃除をしてくれるわけですしね。

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  • 【おうちづくりコラム】「難敵」生活感を打破する工夫 -続編-

    共働きが当たり前となった現在、
    仕事・家事・育児をバランスよくこなさないといけない
    超絶忙しい奥さんが、
    キッチン周りを常に綺麗に保つことは
    かなり不可能に近いと思います。

    ゆえ、弊社では前回お伝えさせていただいたように、
    少々横着をしても生活感満載のキッチンにならないような
    間取りや仕上げの工夫をしているのですが、
    リビングダイニングキッチンを
    いつもオシャレな感じで保つためには
    もう1つ間取りの工夫が必要となります。

    この工夫も前回同様
    弊社のお家の大きな特徴であり、
    この工夫がもたらす恩恵は
    長い目で見ても大きなものであると個人的には考えているので、
    今回も最後までお付き合いいただければと思います。

    その工夫とはズバリ
    「子ども部屋を1階につくる」ということなのですが、
    では、なぜ子ども部屋を1階につくればそれだけで
    生活感が出にくくなるのでしょうか?

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    ✔️小さな子どもたちは親の近くに居たい

    家を建てるタイミングで最も多いのは
    子どもたちが未就学の時だと思いますが、
    これを前提として間取りを考えた時、
    子供部屋を2階につくってしまうと
    建ててから10年前後もの長い間、
    子ども部屋はほとんどその役目を
    果たさない時期を過ごすことになります。

    子どもたちが自分だけで寝ることもなければ、
    子どもたちが親から離れた場所で
    勝手に遊ぶこともまずないからです。

    では、どこで遊ぶのか?
    もちろんリビングですよね。
    お母さんはキッチンを中心に家事をしているし、
    お父さんはリビングで過ごしているからです。

    となると、子どもたちがいつも使うおもちゃや絵本などは、
    必然的にリビングに置かざるを得ませんよね。
    いちいち、それを取りに2階に上がるのも
    それを片付けに2階に上がるのもかなり面倒くさいことですからね。

    結果、リビングダイニングは子どもたちのものが
    常に散乱した状態になりやすくなってしまいます。
    また、それらを片付けておくための収納家具が必要となり、
    リビングが窮屈になってしまいます。

    他方、子ども部屋を1階につくっておけば、
    子どもたちに自分の部屋を使ってもらいやすくなります。
    自分の部屋におもちゃや絵本を片付けてもらいやすくなります。

    結果、リビングが散らかりにくくなり、
    またリビングに邪魔な収納家具を置く必要もなくなります。

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    もちろん、この工夫も万能かと言われるとそうではなく、
    子どもたちが思春期になった時、
    2階部屋に比べるとプライバシーを確保してやりにくくなる
    という欠点も持っています。

    とはいえ、もっと長い期間で考えてみると
    子どもたちが家を出て行った後なんかは
    部屋が下にあれば別の用途で使いやすいし、
    老後を迎え2階に上がるのが億劫になった時、
    単純に下に移動すればいいだけで
    無駄な増築をする必要もないので、
    そこまで考えていただいた方がいいかと思っています。

    というわけなので、
    「子ども部屋は2階につくるのが普通だ」という固定概念が、
    強く頭の中にあるとは思いますが、
    せっかくこだわってつくったリビングダイニングキッチンを
    オシャレな状態で維持していただくために
    今回の記事もぜひ参考にしていただければと思います。

    【おうちづくりコラム】「難敵」生活感を打破する工夫

    リビングダイニングキッチンは常に過ごす場所だし
    来客をもてなす場所でもあることから
    家の中で一番こだわりたいところ。

    しかし、一方で常にいる場所であるがゆえに
    「生活感」の塊のような空間にも
    なってしまいやすいところでもあります。

    そんなわけで今回は、
    こだわってつくったリビングダイニングキッチンを
    常にオシャレでカッコよく保つために、
    「生活感」を打破する工夫についてお伝えしていきたいと思います。

    この工夫は弊社のお家の大きな特徴でもあり、
    大まかに分けると2つあるので、
    ぜひ参考にしていただければと思います。

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    まず1つ目の工夫は、
    「キッチン周りから生活感を消す工夫」です。

    対面式キッチンが当たり前の現在、
    ダイニングやリビングから見えるところは
    キッチンの手元を隠すためにキッチン前につくるカウンターと
    キッチンの背面スペースなのですが、
    これらのスペースは油断をすると
    なんやかんやと置いたり貼ったりしてしまう場所ですからね。

    例えば、キッチン前のカウンター。
    この高さは床から1m〜1m10cmの間でつくられることが多いのですが、
    この高さは何かを置くのに最も丁度いい高さでもあります。

    結果、調味料はもちろんいつも使うような生活用品なども
    ついついここに「ちょこん」と置いてしまいます。
    そしてそれが慢性化し、
    リビングやダイニングからの景色は「生活感」の塊と化していきます。

    また、冷蔵庫は一般的にキッチンの背面に置くようになっていますが、
    冷蔵庫はマグネットボードのように磁石がくっつくことから
    ゴミの日程表や学校の連絡網などを
    ついつい貼ってしまうのではないでしょうか。
    (名付けなんかもここに貼っちゃいますよね)

    その上、レンジやジャーの周りも
    いつも使うようなものは
    ついつい出しっぱなしにしてしまいますしね。

    そして、これらの合わせ技によって
    リビングダイニングキッチンから
    急速にオシャレ感が消え去ることになります。

    他方、キッチン前カウンターに
    ついつい何かを置いてしまうのであれば、
    そもそも何も置けないようなカウンターにしてしまえば、
    置きたくても置けなくなります。
    つまり、カウンターの厚みを思い切って超薄型にし、
    ただ手元を隠すだけの役割にしてしまうというわけですね。

    また、冷蔵庫に関しても
    思い切ってリビングやダイニングから見えないところに隠してしまえば、
    どれだけ色んなものをペタペタと貼ったとしても
    一切生活感が出なくなるし、家電製品も同じように
    思い切ってリビングやダイニングから見えないところに隠してしまえば、
    そんなに毎日キチキチと片付けなくても
    生活感丸出しになることもありません。

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    ゆえ、弊社ではキッチンの背面に大きなサイズのパントリーをつくり、
    そこに冷蔵庫や家電を置くというスタイルを推奨しています。

    パントリーをつくればキッチン背面がスッキリするだけじゃなく、
    リビングやダイニングから見えないところに
    死角となる壁が出来ることになるため、
    ゴミの日程表や学校の連絡網はもちろん、
    子供たちが幼稚園や保育園で描いた絵やつくったものなんかも
    ここに貼ったり置いておいたり出来ますしね。

    そんなわけで弊社ではこの2つを間取り提案時に
    取り入れさせていただいているというわけですね。

    もちろん、パントリーに関しては
    家電までの距離が遠くなるという欠点もあるので、
    これとて「完璧な提案」というわけではないのですが、
    まーそこらへんは、どっちを優先するかで判断していただけたら、
    ということで。

    では次回は、
    リビングダイニングキッチンの生活感を打破する
    もう1つの工夫についてお伝えしていきたいと思います。

    【おうちづくりコラム】電気料金を抑える隠れた工夫

    前回、前々回にもお伝えしたように
    弊社では太陽光発電を設置することとその使い方を工夫すること、
    そして後発的に蓄電池を設置することによって
    電気料金の値上がりに一喜一憂しないでいい住まいづくり
    を提案しているのですが、
    この効果を最大化するためには家づくりにも工夫が必要となります。

    まず基本となるのは「断熱性能」です。
    断熱を強化すれば外気の影響を受けにくくなるし、
    それと同時に気密も強化すれば
    中の空気が外に漏れにくくなるからです。

    要は、夏は外の暑い熱が家の中に入ってきにくくなるし、
    かつ、中の冷たい空気が外に逃げにくくなる。
    冬は、外の寒い冷気が家の中に入ってきにくくなるし、
    かつ中の暖かい空気が外に逃げにくくなる。

    そしてその結果、
    家の中全体に温度差が生まれにくくなるし、
    冷暖房機器もそれほどエネルギーを使うことなく
    家の中を暖めたり冷やしたり出来るので
    電気使用量の削減になるというわけですね。

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    ✔️軽視されがちな間取りの工夫

    先程の「断熱性能」に関しては、
    住宅会社も施主さんたちも意識が高くなってきているものの、
    快適性の強化と電気料金の削減には間取りの工夫が必要不可欠である
    ということはまだまだ認識されていない部分ではないでしょうか。

    例えば、家の断熱性能をガチガチに強化しているのに
    「廊下」をたくさん作ってしまっているとしたら、
    これはその性能を上手く活かしているとは
    とてもじゃないけど言えません。

    廊下があればドアを閉め切ってしまい、
    そこで空気の流れが止まってしまうからです。
    つまり部屋ごとの温度差をつくる
    要因となるのが廊下というわけですね。

    また「階段」も廊下同様に
    空気の流れを遮断してしまう要因となります。
    いくら断熱性能を強化したからと言っても、
    さすがに上下階を網羅するのは難しいからです。
    階段を上りきったその先には
    基本、長々とした廊下が広がりますしね。

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    そんなわけで、より使用電力量を減らそうと思えば、
    この「廊下」を出来るだけ作らないこと、
    そして「階段」がいらない平屋にすること、
    この2つが不可欠な要素だと考えています。

    もっとも廊下や階段があったとしても
    家全体の温度差がなくなるような工夫として
    「全館空調システム」やそれによく似たシステムがあり、
    これらは家を快適にしてくれると思うのですが、
    一方で多額のコストが必要になるのもまた一つの事実です。

    電化製品なので10年とは言わずとも
    ローン返済よりも短い期間内で確実に故障するでしょうし、
    そうなれば再び多額な修理コストが
    必要になってくるでしょうしね。

    なので、イニシャルコストとランニングコストをいずれも抑えつつ
    快適で電気料金が安い住まいをつくるために
    間取りの工夫は欠かせないということも、
    ぜひ覚えておいていただければと思います。

    【おうちづくりコラム】太陽光発電設置のルール その2

    電気料金が高騰し、
    かつ、今後もさらなる値上がりが考えられることから、
    現在は太陽光発電の設置を標準化しているのですが、
    弊社では海外メーカーの太陽光発電パネルは
    提案しないようにしています。

    理由は2つ。
    1つは、海外メーカーは経営が厳しくなればすぐ撤退するし、
    そうなった場合アフターサービスが受けられなくなるからです。

    そしてもう1つは提案時の発電シュミレーションを
    国内メーカーは必ず少なく見積もるのに対し、
    海外メーカーは基本多めに見積もる傾向があるからです。

    つまり、実際の発電が
    提案時のシュミレーションを上回るのが
    国内メーカーの特徴であるのに対し、
    逆に下回ってしまうのが海外メーカーの特徴というわけですね。

    そんなわけで弊社では海外メーカーではなく、
    国内メーカーの太陽光発電パネルを提案させていただいています。

    また、太陽光発電はただ設置すればそれでオッケーじゃなく、
    その使い方によってけっこう差が生まれるということも
    知っておくことが大切です。

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    ✔️発電している時間に電気を消費する

    太陽光発電が普及し始めた当初は、
    現在に比べてずいぶんと電気料金が安く、
    逆に売電金額が高かったことから、
    太陽光パネルが発電している時間帯に電気を使用せず、
    昼間に比べて電気料金が安い夜間に電気を使う
    というスタイルに徹する必要がありました。

    これに対し現在は、
    以前に比べて電気料金が大幅に上がり、
    かつ売電金額が大幅に下がったことから、
    以前とは真逆のスタイルに徹しなければいけなくなりました。

    つまり、太陽光パネルが発電している時間帯に
    出来るだけ電気を消費し、
    太陽が沈んでからの時間帯は
    出来るだけ電気を消費しないように
    意識しなければいけないというわけですね。

    例えば、エコキュート(電気給湯器)。
    これは、家庭の電気消費量の中で約25%〜30%を占めており、
    この節約が電気料金の削減に大きく寄与するのですが、
    以前は料金が安かった深夜にお湯を沸かすというのが基本でした。

    が、現在は深夜にお湯を沸かすのではなく、
    太陽光パネルが発電している時間に
    お湯を沸かすというのが基本になりました。

    この他、洗濯機や食洗機なども、
    以前は電気料金が安い深夜の時間帯に使用した方が
    節約になると言われていたのですが、
    現在はタイマーで昼間に設定し
    太陽が出ている時間帯に使用していただくようにお願いしています。

    このように以前と今では
    太陽光発電を設置する目的も大きく変化したし、
    その使い方を知っているか知らないかで
    電気料金が大きく違ってくるというのが生々しい現実です。

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    ✔️蓄電池は必要なのか?

    そして最後に蓄電池について少し触れたいと思いますが、
    蓄電池に関しては
    いきなり太陽光発電とセットで設置するのではなく、
    半年から1年間の電気の使用状況を見てから
    判断するのが適切だと考えています。

    蓄電池によって節約出来る電気料金より
    蓄電池の支払いが上回ってしまったのでは
    全く設置する意味がないからです。

    そんなわけで、蓄電池に関しては
    太陽光発電を設置し半年から1年間
    昼間に電気を使うことを意識しながら暮らしていただいた上で、
    その結果を確認してから改めてシュミレーションを行い、
    採算が合うなら設置するという風にさせていただいています。

    いかがでしたか?

    これが弊社の太陽光発電に対する考え方なのですが、
    無駄な出費を防ぐためには太陽光発電の買い方と選び方、
    そして慎重に段階を追って考えていくことの大切さを
    ご理解いただけたのではないでしょうか。

    というわけなので、
    太陽光発電の設置は当たり前として、
    その買い方と選び方を間違いないよう
    注意深く家づくりを進めていただけたらと思います。

    【おうちづくりコラム】太陽光発電設置のルール

    円安による物価高の影響は
    私たちの生活に密接している電気料金にも出てきており、
    とりわけ新築時は電気料金の契約形態が新しくなると同時に
    家族人数も増え電気使用量が増えるため
    電気料金がグンと上がる傾向があります。

    ゆえ、これから家を建てる方は、
    この事実を知った上で
    家づくりの計画を立てなければいけない
    というのが弊社の考え方です。

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    電気料金は生きている間ずっとかかり続けるコストだし、
    これに対する対策をしていないと
    それこそローン返済に支障が出る
    可能性だって充分あり得ますからね。

    まず、家を建てる人にとって
    電気料金の支払い負担を軽減するために欠かせないことが
    太陽光発電の設置です。
    太陽光発電を載せると電気が自給自足出来るようになり、
    電気料金の値上げに一喜一憂する必要がなくなるからです。

    ゆえ、基本弊社では
    全ての方に太陽光発電の設置をオススメしているわけですが、
    この際、パネルの設置費用は住宅ローンに組み込むのではなく、
    住宅ローンとは別で10年ローンを組んでいただくようにしています。

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    理由は2つ。
    1つは、返済期間が短いほど利息の支払いが少なくて済むから。

    仮に、国内メーカー太陽光発電パネルを10KW設置し、
    それに200万円かかるとした場合、
    固定金利1.4%にて35年返済でローンを組んだとしたら、
    6,026円×420回=2,530,920円が総返済額になるのに対し、
    (変動金利の場合、総返済額が確定しないので
    確定出来る固定金利で試算しています)
    10年返済で別ローンを組んだ場合、金利は1.7%と高くなるものの、
    18,315円×120回=2,197,800円となり、
    333,120円も利息の支払いを圧縮出来ますからね。

    そしてもう1つの理由が、住宅ローンとは別に
    太陽光発電のローンを負担することになったとしても、
    太陽光発電を設置せず電力会社に電気料金を払い続ける
    という選択をするより確実に家計の負担が小さくなるからです。

    そして、太陽光発電パネルの返済を10年で終わらせることによって
    それ以降家計の負担が大幅に軽減され
    そこから大きな利益を生み出してくれます。
    その利益たるや、ご家庭によって差異はあるものの
    標準的な数字を挙げるとすると
    年間で20〜25万円ぐらいではないでしょうか。

    そんなわけで太陽光パネルの設置を標準化し、
    その返済を10年にしてもらっているという次第であります。

    もちろんキャッシュで支払えば
    利息を一切払う必要がなくなるので、
    さらなる経済効果を生むことになるのですが、
    この場合、手元に残るお金が急激に減ってしまうことになり、
    お金の不安が芽生えることになったり、
    別のことにお金が使えなくなるというデメリットもあるので、
    これは基本オススメしていません。

    要は、あくまで太陽光発電パネルの設置費用は、
    太陽光発電が生み出すお金で支払いをしていってもらうという
    投資とリターンの考え方というわけです。

    ぜひ参考にしてみてください。

    【おうちづくりコラム】分離せず一体で考えるべきもの

    外構工事は家づくりの予算を最も狂わせる
    と言っても過言ではありません。
    最初の予算の枠取りが甘過ぎるから。
    そして、家が完成していくに連れて
    外構にもこだわりたいという欲求が
    どんどん芽生えてくるからです。

    予算の枠取りが甘くなる理由は、
    外構工事に予算を取り過ぎると
    その分、必然的に建築予算を
    減らさざるを得なくなるのですが、
    要は住宅会社側がそれを嫌うからです。

    ゆえ、最初に立てた資金計画から
    大幅な予算の狂いを生じさせないためにも、
    家の見積もりと同じタイミングで
    外構工事もリアルな見積もりをとり、
    あらかじめ自分たちがどれくらい
    外構工事にお金がかかりそうなのかを
    把握しておくことをオススメしています。

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    例えば、弊社のお家は基本正面に窓がなく
    大きな窓を外周部に設けないことから、
    プライバシー性と防犯性に優れており、
    目隠しや植栽によってそれらを担保する必要がないし、
    家の壁そのものが塀の代わりとなるため、
    境界に仰々しい塀を立てる必要もありません。

    また、外観も美しくなるように設計していることから、
    外構工事によって家を引き立てるような
    工夫をする必要もありません。

    さらに、出来るだけ敷地に無駄な余白を残さないように
    家を建てるようにしているため、
    そもそも外構工事の施工面積がそれほど大きくありません。

    以上のような理由から弊社では、
    外構工事には「土地の面積×1〜2万円」という範囲内で
    外構の予算枠を取るのですが、
    弊社とは全く別の考え方で家の設計をした場合、
    同じぐらいの予算で外構工事を考えるべきではありません。

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    ✔️一般的なお家の外構予算

    一般的な家とは、
    南向きに部屋と大きな窓がある
    一見、日当たりが良く明るそうに見える
    2階建てのお家のことですが、
    このようなお家を建てるとなれば、
    敷地に出来る余白が大きくなります。

    周囲に建つ家から
    部屋や窓までの距離を充分確保しておかないと
    家の中に光が充分に届かなくなるからです。
    結果、必然的に施工面積が大きくなります。

    また、外周部に大きな窓を設ければ
    周囲から家の中が丸見えになるし、
    リビングから伸びるウッドデッキも目隠しがなければ
    せっかく作ったのにほとんど使わない場所になってしまうので、
    住みやすさを担保しウッドデッキを使えるようにするためにも
    確実に目隠しが必要となります。

    そして、このようなお家は
    防犯性を担保するための工事も必要となります。
    安易に敷地に入ってこられるようでは
    なんとなく気持ち悪いですしね。
    そんなわけで、塀やゲートを頑丈につくるという
    工夫もしなければいけないというわけですね。

    その上、現在は以前に比べて材料費も値上がりしており、
    工事価格も割高になっているし、
    弊社ではウッドデッキは
    当たり前のように建築費に入っていますが、
    このようなお家では建築費には入っていませんしね。

    これらを合計すると、
    一般的なお家では最低でも土地の広さ×3〜4万円、
    出来れば4〜5万円ぐらいは
    予算枠として確保しておくべきだと思います。

    というわけなので、外構工事の予算は
    建てるお家によって大きく違ってくるということも
    覚えておいていただければと思います。

    そして、建築費の予算は建物だけじゃなく
    外構工事費も含めた上で考えた方がいいということも
    重ねて覚えておいていただければと思います。

    【おうちづくりコラム】値上がりしている土地代を抑える方法

    コロナ以降、材料費の高騰によって
    建築費がずいぶんと値上がりしたのですが、
    それと同時に土地価格も値上がりしています。

    造成工事費用が値上がりしているから。
    そして、津波や土砂崩れといった
    災害の心配がない場所で土地を買いたい方が増えているため、
    そういった地域の土地価格が上がっているからです。

    また、材料費が高騰しているということは、
    外構工事費用も値上がりしているということでもあるため、
    如何にその負担を上ないように家づくりをすることが出来るかが、
    これからの家づくりの鍵を握ると言っても過言ではありません。

    所得が上がっていない状況の中、
    物価はもちろん社会保険料や税金、
    そして電気料金までも上昇の一途を辿り続けているため、
    今のところ可処分所得は減る一方ですからね。

    そんなわけで今回は、
    土地取得費用を抑える方法について
    お伝えしていきたいと思います。
    これは外構工事費用を抑える一つの方法でもあるので、
    ぜひ知識を身につけていただければと思います。

    土地の単価が高くなりつつある現在、
    住む場所に妥協せずに土地の価格を抑えるためには、
    購入する土地の面積を縮めるしか方法がありません。

    仮に土地の坪単価が20万円だとしたら、
    5坪面積がカット出来れば100万円、
    10坪面積がカット出来れば200万円、
    家づくりにかかるコストが変わってくるし、
    これに外構代やローン金利を合わせると
    さらに50万円ほど変わってくるかもしれませんからね。

    では、これを実行していくためには
    どうすればいいのでしょうか。

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    ✔️先に建てたい家を明確にする

    土地にかかるコストを最小限にするためには、
    いきなり土地を探し始めるのではなく、
    その前にどんな家を建てたいのかを
    明確にしておくことをオススメします。

    自分がどんな家を建てたいかを明確にし、
    それがどれくらいの大きさになるのかを
    あらかじめ把握しておけば、
    それに合わせた土地選びが出来るからです。

    例えば、自分が建てたい家が「平屋」だとして、
    先にざっくりヒアリングさせていただくことで
    建てたい家の大きさが30坪前後だと明確になり、
    かつ、必要な駐車スペースが3台だとした場合、
    目安となる土地の広さは55坪前後となります。

    平屋を建てるために70〜80坪ぐらい
    土地が必要だと思っていたとしたら、
    15〜20坪も土地面積を圧縮出来るので、
    坪単価が20万円のエリアなら
    土地にかかるコストが300〜400万円も
    圧縮出来たことになりますよね。

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    あるいは、自分が建てたい家が「2階建て」だとして、
    先にざっくりヒアリングさせていただくことで、
    建てたい家の1階部分の大きさが20坪前後だと明確になり、
    かつ、必要な駐車スペースが2台だとした場合、
    目安となる土地の広さは40坪前後となります。

    少し大きめの家がいいから
    土地の広さは60坪ぐらいはいるかな?と思っていたとしたら、
    20坪前後土地面積が圧縮出来るので、
    坪単価が25万円のエリアだとしたら
    500万円前後も圧縮出来たことになりますよね。

    これらの計算式は、
    「必要な1階部分の面積+土地の余白10坪
    +4.5 坪×駐車スペースの数」です。
    土地の余白とは、家の周囲に出来る給排水を通したり、
    エアコンや給湯器を置いたり、
    通路として利用するスペースのことです。

    先程の平屋の場合だと、
    30坪+10坪+4.5坪×3台=53.5坪
    (55坪前後)がちょうどいい広さで、
    2階建ての場合だと、
    20坪+10坪+4.5坪×2台=39坪
    (40坪前後)がちょうどいい広さという感じですね。

    このように土地を探す前に
    どんな家にしたいのかが明確になっていれば、
    自ずと探すべき土地の広さが明確になり、
    無駄な出費を防ぐことが出来ます。

    なので、いきなり土地を探し始めるのではなく
    まずは住宅会社に行ってどんな家にしたいのかと
    それがどれくらいの大きさになりそうなのかを明確にしてから
    土地探しをしていただければと思います。

    もちろん、それに加えて土地の予算も
    明確にしておかないといけないんですけどね。

    ぜひ、参考にしてみてください。

    【おうちづくりコラム】「中庭」があるお家ならでは、の暮らし

    「中庭」は土地の日当たり問題を
    解消する最高の手段であり、
    明るさと開放感を手に入れるために
    必要不可欠な要素でもあるということを、
    前回、前々回に渡りお伝えさせていただいたのですが、
    「中庭」を手に入れると日々の暮らしの中で
    数多くの恩恵を受けることが出来ます。

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    例えば「食事を外で取ることが出来る」ということ。
    休日の朝、マックを買ってきて「中庭」で食べる。
    昼下がり、「中庭」に出てコーヒーを片手に本を読んだり
    ボケーっと日向ぼっこをする。
    夜は「中庭」に出て月夜の下
    みんなでホットプレートを囲んでお肉を焼いたり。
    焼きそばやお好み焼きをつくったり。

    このように家に居ながら
    ちょっとしたキャンプ気分が味わえるだけで
    ずいぶんと暮らしが豊かになるのではないでしょうか。

    人目を気にしなくていい「中庭」では、
    暑い夏の日には、親も水着になって
    子供たちとプール遊びが出来ますしね(笑)

    また「中庭」は家事に育児、
    そして仕事に忙しい奥様にとって強い味方となります。

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    ✔️生活のストレスが軽減出来る

    「庭」が家の中にあれば、
    子供たちを外で遊ばせるために
    わざわざ家事の手を止めて外に出ずとも、
    中庭(外)で遊ぶ子供たちを横目に
    料理や洗濯、お掃除をやることが出来ます。

    また、洗濯物を「中庭」で干すことが出来るため、
    干すまでの動線が大幅に短縮出来ます。
    なんせ「中庭」がないお家で、外で洗濯物を干すとなれば
    勝手口ドアを出て隣家との間のスペースまで洗濯物を干しに行くか、
    わざわざ階段を上って2階のベランダまで
    洗濯物を干しに行かないといけませんからね。

    そして「干す」だけじゃなく
    「取り込んで片付ける」動線も大幅に短縮出来ます。
    「中庭」に洗濯物を干せば、
    リビングから数歩で洗濯物に辿りつくことが出来るし、
    その近くに収納さえ設けていれば、
    取り込んだ洗濯物を片付ける動線も圧倒的に短くなりますからね。

    「中庭」がないお家だと勝手口ドアを介して
    リビングと外を何度も行ったり来たりしないといけないか、
    階段を介して上下を行ったり来たりしないといけないため、
    時間のロスも大きくなるし、なによりその作業が大変ですしね。
    洗濯は料理同様に毎日のことですからね。

    「中庭」があればお布団もそこに干すことが出来るので、
    人目に触れることなく
    お布団を日光に当てて除菌してあげられますよね。

    その上、家を平屋にして
    全ての部屋を「中庭」にアクセスしやすいようにしておけば、
    いつでも簡単にお布団を干すことが出来ますしね。

    いかがでしたか?
    「中庭」がある暮らしがどんなものなのかを
    ご想像いただけたのではないでしょうか。

    【おうちづくりコラム】「中庭」がもたらす暮らしの恩恵

    「中庭」に面した窓には
    人目をシャットアウトするためのカーテンが不要になるので
    カーテンコストが大幅に削減出来るし、
    カーテンがいらない分、
    カーテンを洗濯する必要もなくなれば、
    カーテンレールの上にたまる埃を
    いちいち掃除する必要もなくなります。

    また「中庭」につくった窓には
    台風の時のような強風が直接当たることもないし、
    強風によって何かが飛んできて
    ガラスが割れるような心配もないので、
    シャッターをつける必要もありません。

    結果、カーテン費用だけじゃなく
    けっこう馬鹿にならないシャッター費用までも
    大幅に削減出来るというわけですね。

    大きな窓1箇所にかかるシャッターとカーテン費用が
    合計で15万円ぐらいだとしたら、
    「中庭」をつくることで75〜90万円ほどの
    オプション費用を追加で払う必要がなくなる
    という感じでしょうか。

    そして、このカーテンが不要であるということは、
    コスト的な利点だけじゃなく
    日常に大きな恩恵をもたらしてくれます。

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    ✔️家の中が劇的に明るくなる

    カーテンが不要になれば、
    外部からの光を遮るものがなくなるため、
    家の中が劇的に明るくなり、
    日中は一切照明に頼る必要がありません。
    サンサンと晴れた日はもちろん、
    たとえどんより曇っていようとも、
    また、たとえ雨が降っていようとも、です。

    「中庭」から採光を取るということは、
    家の中心部から光を取り込むということなので、
    家全体が満遍なく明るくなりやすいですしね。

    ✔️常に外が感じられ、空が見える

    また、カーテンが不要となれば、
    常に外を感じることが出来ます。
    「中庭」に射し込んでくる光の動き。
    時間の移ろいや四季の移ろい。
    雨がデッキを叩く姿や窓を伝う雫。
    しんしんとデッキに積もっていく雪。

    これらを家の中に居ながら見たり感じることが出来るだけで
    とっても豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

    中庭のデッキからはもちろん、
    リビングやダイニング、そしてキッチンからも
    空にプカプカと浮かぶ雲や月の姿も
    常に見ることが出来るわけですしね。

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    ✔️なにより開放感が半端ない

    そして、これらの要素は
    圧倒的な開放感をもたらしてくれます。

    カーテンがいらない家は
    カーテンがある家に比べて
    圧倒的に奥行きが感じられること。

    「中庭」につくったデッキも
    リビングの一画のように感じられるため、
    さらに空間に奥行きが感じられること。

    これらの効果によって、
    リビングダイニングキッチンという空間が
    よりいっそう価値ある空間になることこそ、
    「中庭」をつくる最大の意義ではないか
    と感じているぐらいです。

    いかがでしたか?
    今回は明るさと開放感にのみフォーカスしてみたのですが、
    その素晴らしさをなんとなくでも感じていただけたでしょうか?

    では、次回も
    「中庭」がもたらす暮らしの恩恵の
    続きをお伝えしていきたいと思います。
    「中庭」がどのように使えるのかについて
    詳しくお伝えしていきますので、
    次回もぜひご覧いただければと思います。