【おうちづくりコラム】光と色の特性を活かす

安定的に家の中を明るく保ち続けるためには、
直射光と天空光を上手に使い分けた方がいいということを
前回お伝えさせていただいたのですが、
入ってきた光を効率よく家全体に拡散していくための工夫も
同時に必要なことです。

例えば、弊社では室内の壁のほぼ全てを
「白」で仕上げるようにしているのですが、
この理由は「白」が最も光を反射し拡散してくれる色だからです。

また、壁同様に天井も
基本「白」で仕上げるようにしています。
もちろん、光の拡散効果を狙ってです。

さらに、室内に使用するドアも
壁同様に「白」を基本としているのですが、
これに加えて、室内のドアは全て
凹凸のないフラットなデザインにしつつ、
天井と高さをそろえるようにしています。

理由は、壁とドアを一体化させた方が、
空間がよりスッキリと見えること、
そして、天井と高さをそろえれば
ドアの上に出来る垂れ壁がなくなり、
抜け感が出ると同時に、
反射光をより遠くまで運んでくれるからです。

こうして天空光を中心に採り込んだ優しい光を
家全体に拡散させていくという感じですね。

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このように安定した状態で
明るさを保ち続けるためには
間取りだけじゃなく仕上げにも工夫を施すのですが、
弊社の家の特徴である中庭の
壁を白で仕上げていることが多いのも、
もちろん光の反射効果を狙ってです。

直射光を反射させた光を
中庭を通して室内に届けることが出来れば、
たとえ日当たりが悪い場所に部屋を配置しても、
安定した明るさを保ち続けることが出来るからです。

ゆえ、中庭につくる窓は
基本、大きいサイズを採用しているし、
かつ、窓の高さもドア同様に
天井と合わせるようにしています。
こうすれば、より多くの光を
室内に届けることが出来るからですね。

✔️明るさの最大の秘訣

以上のような手法を使い
どんな土地でも安定した状態で
明るさを保ち続けられるような
住まいづくりを提案しているのですが、
言わずもがな、
これを実現するために最も心がけていることが、
「カーテンありきの窓」をつくらないことです。

外からの丸見えを防ぐために
カーテンをしなければいけないとしたら、
99.99%カーテンが開けられる日が
訪れることはないからです。

つまり、大なり小なり
侵入してくる光を殺してしまい、
自然光だけで日中過ごすのが
難しくなってしまうというわけですね。
そして、四六時中照明が必要な暮らしを強いられます。

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また、カーテンありきで窓を考えると、
採光に不安が残ることから、
不用意にたくさん窓をつくってしまいます。
そして、窓のコストが上がると同時に、
カーテンのコストまでもさらに余分に必要になります。

かつ、窓が増えることによって
耐震性が悪くなり、断熱性が悪くなり、
窓掃除の手間が増えることになり、
戸締りの不安が増えることになり、
外壁の汚れが増えることになり、
家具や家電の配置がやりにくくなり、
設計段階では分からない様々な支障が
暮らしの中で生じることになります。

ゆえ、弊社では、
可能な限りカーテンがいらない窓をつくるようにしています。
カーテンが必要になる時は、視線を遮るためではなく、
入ってき過ぎる直射光を遮るため程度という感じでしょうか。

世間一般とは違った考え方かもしれませんが、
これを知っているかどうかで
家づくりの幅が大きく変わってくるので、
これから家を建てられる方は、
ぜひこの考え方も頭に入れておいていただけたらと思います。