【おうちづくりコラム】資金計画の真意 その2

前回お伝えさせていただいたように、
家づくりではほぼ確実と言っていいほど
理想の家づくりと理想の返済の間に
大きなギャップが生まれます。

そして、そのギャップを埋めるために
まずは土地や家にかける予算を
再考していただいているのですが、
多くの場合、それだけではこのギャップを
完全に埋めることが出来ないため、
個人的には、このタイミングで
預金・投資・保険の見直しをすることによって
このギャップを完全にカバーすべきだと考えています。

例えば、銀行から3500万円を
金利1.4%(全期間固定金利)で
借り入れしなければいけない場合、
35年ローンだと
毎月105,458円の返済になりますが、
これを40年ローンにしてみただけで
95,270円まで返済額がダウンします。

つまり、毎月の負担が約1万円減るため
その分、家計にゆとりが生まれるということですね。

ゆえ、個人的には
可能な限り返済を長くするという手段を
推奨させていただいています。
そして、その浮いたお金を
長期積立投資に回していただくことを推奨しています。

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とはいえ、
返済期間を長くするということは、
ローンに縛られる期間が長くなるだけだし、
利息の支払いが増えるだけなので、
ダメじゃないかと思ってしまう方も
決して少なくないかと思います。

ですが、住宅ローンの金利の中には
団体信用生命保険という
掛け捨ての生命保険料が含まれていて、
債務者にもしものことが起こった場合、
住宅ローン返済の義務から解放されるという
大きなメリットが存在するため、
個人的にはこの保証期間は
長ければ長いほどいいと考えています。

ゆえ、繰上げ返済することによって
返済期間を圧縮していく必要もない
というのが個人的な考え方です。

かつ、この死亡保証があることを考えると、
現在入っている生命保険を
全て見直してもいいと考えています。

もしものことが起こった場合、
住宅ローン返済という大きな固定費がなくなると共に、
債務者の生活費や車の維持費などもなくなり、
逆に遺族年金が入ってくるため、
たちどころに生活が苦しくなる可能性は
ほぼゼロに近いからです。

そんなわけで、
借入期間は出来るだけ長くすればいいと思っているし、
かつ、この保証があることから
必要なさそうな生命保険を全て解約し、
これらの余剰資金を全て長期積立投資に回すべきだと
考えているというわけですね。

利息に関しては、現在は空前の超低金利状態なので
今のうちに全期間固定を組んでいく方が得策だと考えているし、
たかだか1%強の金利を必死で圧縮するよりも
利回りが5〜10%はあると過去のデータから実証されている
長期積立投資にお金を回す方が、
ずいぶんと合理的だというのが個人的な考え方です。

目先の返済を抑えるために
金利が安い変動金利を選べば、
万が一、金利が上がってしまった場合
急激に返済負担が上がってしまい、
そうなればライフプランが大幅に狂ってしまいますしね。

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ゆえ、わずか1%前後の
住宅ローン金利の差に躍起にならずに、
安心の固定金利を選んでいただきつつ
長期積立投資に目を向けてもらえたら
と思っている次第です。

仮に、返済期間を延ばすことによって
毎月1万円の余剰資金が生まれ、
かつ、生命保険を見直すことによって
毎月さらに1万円の余剰資金が生まれ、
これに銀行への貯蓄に当てていた中から
1万円を加えた合計3万円を
今後40年間長期積立投資に回し続けたら
一体どうなるのか?

毎年の平均利回りを7%で計算すると、
計1440万円の掛け金が、
40年後なんと7875万円まで増える
(約5.46倍になる)ということになります。

あるいは、もっと低めの5%で計算しても、
40年後4578万円まで増える
(約3.18倍になる)ということになります。

いかがですか?上がったとはいえ、
金利わずか0.2 %の定期預金にお金を預けていくよりも
遥かに魅力的で合理的だと思いませんか?

もし、これだけお金が増えるとしたら
老後資金の心配もほとんどしなくていいし、
外壁の塗り替え費用や
家電の買い替え費用はもちろん、
大規模なリフォームも心おきなく出来そうだし、
もしかしたら再び家を建てることも
出来ちゃうかもしれませんしね。

では、今回はここまでにして
次回は家を建てる時に見直すべき
もう2つの保険について
お伝えしていきたいと思います。

もちろん、これらを見直すことによって
生まれた余剰資金も、
老後資金と教育資金を形成するための
長期積立投資に回していただきたいので、
次回もぜひご覧いただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画の真意

「家づくり」は
誰もが初めての経験であるもの。
ゆえ、住宅会社側から
予算や希望する家の大きさについて
質問を投げかけられても
「どう答えていいのか分からないから困る」
というのが本音ではないでしょうか。

実際、人から聞いた情報や
ネットやSNSなどから仕入れる情報で
なんとなくこれくらいなんだろうなー
という指標を知ることは出来るものの、
あくまでそれは平均的な指標であって
必ずしもそれが自分にとってベストだとは限らないわけですしね。

そんなわけで弊社では、
「予算はいくらぐらいでお考えですか?」
という質問は一切投げかけず、
一緒に予算を導き出していくという作業を
最初のステップとして行っています。
いわゆる「資金計画」という作業ですね。

では、弊社が行う資金計画とは
一体どのようなものなのか。
何をどのように決めていくのか。
これについて今回はお伝えしていきたいと思います。

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✔️理想と現実のギャップを埋める作業

弊社では、
どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
先にお聞きした上で予算を組んでいくのではなく、
まず総予算を算出してから
どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
お聞きするようにしています。

こうしている理由は、
自分たちの理想と現実(理想の家づくりと理想の返済)
との間に生じるギャップがどれくらいあるのかを
まずは知っていただきたいからです。

これを知らないまま家づくりを進めてしまうと、
今後とんでもない状況が
待ち受けることになるかもしませんからね。

例えば、自分が住みたい場所で
自分が建てたい家を建てるとなると
諸経費なども含めると4500万円かかるとしたら、
一方で、固定金利で毎月の返済を
9万円以下に抑えたいとしたら、
借入を3000万円にしないといけないため、
理想の家づくりと理想の返済を両立するためには、
1500万円前後もの自己資金を
準備していただかなくてはいけないのですが、
身内から多額の資金援助でもない限り
これだけの自己資金を準備出来る方は
そうそういらっしゃらないと思います。

ゆえ、こういう状況に陥った場合、
単純にローンの負担を増やすしか手段がなくなってしまいます。

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仮に準備出来る金額が500万円なら
借入が1000万円増えるため
毎月の負担を3万円アップさせるか、
あるいはそのアップは流石にキツいので
返済金額を抑えたいとなれば、
金利が安い変動を選ぶことで
そのアップを1.5万円までに抑えるか、
という感じですね。

まー、変動金利を選ぶ場合は、
金利が上がることによって
下手をしたら3万円以上負担が上がってしまうかもしれない
というリスクを今後ずっと抱えながら
暮らしていかないといけませんけどね。

一方で、準備出来る自己資金と
毎月の返済金額を先に算出した上で、
家づくりを進めるようにすれば、
自己資金500万円と借入3000万円を合計した3500万円の中で
どのような土地を買い、どのような家を建てればいいかを
あらかじめ理解した上で土地選びと設計が出来るようになります。

つまり、今後の暮らしに
大きな負担や不安を背負うことなく
家づくりをすることが出来るというわけですね。

とはいえ、口で言うのは簡単ですが、
実際のところ、理想と現実の間に生じる
1000万円ものギャップを埋めるのは
そう簡単なことではありません。

つまり、家づくりの予算を抑えるために
選ぶ土地や建てる家を見直したとしても
1000万円もコストを落とすのは流石に難しいというわけですね。

ゆえ、弊社では住宅ローン選びや各種保険の見直し、
そして貯蓄の手段の見直しなどをアドバイスしたり
提案させていただくことによって、
家づくりを見直すだけではカバーしきれない部分を
完全にカバーするようにしております。

というわけで次回は、
家づくり以外の部分である
お金のことについての見直しや提案を
どのような考えをもってさせていただいているのかについて
お伝えしていきたいと思います。

建築資材の高騰によって
建築代が上がっている現在では、
この作業はとっても大事なことであり、
これから家を建てるのであれば
例外なく誰もが真剣に考えるべきところだと思うので、
ぜひご覧いただけたらと思います。