【おうちづくりコラム】多面的に捉えることの大切さ

例えば、東向きの土地に家を建てるとしたら、
光を遮る建物がない東に部屋を配置し、
採光と風通しのための窓をつくるのが一般的です。

しかし、この場合、
何点か注意しておかないといけないポイントがあり、
それらを知らないまま建ててしまうと
思っていたのとは違う家が出来上がってしまいます。

まず注意すべき点は、
エアコンの室外機を置く場所が
どこになるのかということです。

東向きの土地で
東にしか室外機が置けないとなると、
家の正面に室外機が置かれると同時に、
エアコンの配管カバーまで見えてしまうからです。

ゆえ、図面を見る時には
エアコンをどこにつけるのかということも
一緒にチェックするようにしてください。

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続いて、注意すべき点が
換気扇がどこにつくのかということです。
換気扇はトイレや脱衣などにつける
排気のためのものだけじゃなく、
各部屋につける給気もあるからです。

ゆえ、エアコンのチェックと共に
換気扇の種類と製品がどこにつくのかも
チェックするようにしてください。

細かいようですが、
外部につく換気扇のカバーも
景観を乱す原因となるものだし、
壁から突起した部材は全て外壁を汚す原因となり、
それが正面だとただただ汚れが
目立つことになりますからね。

最後に注意していただきたいことが、
そこにつける窓が充分な採光と風通しを
もたらしてくれるのかということです。

闇雲に窓のサイズを大きくしても
透明ガラスだとカーテンが必ず必要になるし、
かつカーテンを開けることが出来なくなります。

また、カーテンが開けられないということは
イコール窓も開けられないということでもあるので、
基本、風を取り込むことも出来ません。

ゆえ、窓に関してもその場所ごとに
どのような形状がベターなのかと
どのようなサイズがベターなのかも
しっかり考えていかないといけないということも
覚えておいていただいた方がいいかと思います。

窓もカーテンも開けられないでは、
そこに窓をつくった意味は
「皆無に等しい」わけですからね。

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✔️設計図の見方を知っておくことが大事

ここまでお伝えしたようなことは
こうやって言われてみると
ごく当たり前なことのように
お感じになると思いますが、
現実は決してそうではありません。

例えば、間取り提案の時に
お見せする立面図(外観図)や立体パースなどには、
エアコンの室外機まで記載しないし、
もちろん換気扇の外部カバーなんかも
記載されることはありません。
かつ、雨樋も記載されていません。

つまり、実際建ってみたら
結構ゴチャゴチャしそうなのに、
プラン上は割とスッキリ見えてしまう
ということですね。

ゆえ、この問題を解決するには
ご自身でしっかり想像していただくか、
あるいは、そういった細かい部材まで
図面に反映して出してもらうか
のいずれかを選択するしかありません。

また、窓に関しても
平面図だけを見ていたのでは
99.99%設置すべき窓を間違えてしまうと思います。

窓はただサイズを大きくしたから
その分光量が増えるわけではありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。
また、数を増やしたから
その分光量が増えるわけでもありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。

風通しに関しても、
同じ部屋に2ヶ所窓をつけたから
単純に風が通るわけではないし、
開口を大きくしたから
その分取り込める風量が増えるわけでもありません。

これらに関しても、
家の中や外からどのように見えるのかを
想像していただくことが
なにより大事なのは
もはや言うまでもないと思います。

そして、そこまで考えつつ
窓の形やサイズ、そしてガラスの種類などを
一つ一つ考えていかないといけません。

というわけなので、
本当に暮らしやすい住まいや
本当に景観が美しい家をつくるためには、
平面図(間取り図)だけを
見ていてはいけないということ、
そして間取りや動線だけじゃなく
外観との兼ね合いなども
一緒に見なければいけないということを
ぜひ覚えておいていただければと思います。

【おうちづくりコラム】理想の借入と現実の家づくりと

一般的に銀行からの借入は
(税込)年収の5倍ぐらいが適切だと言われています。
仮に世帯年収が500万円だとしたら
2500万円ぐらいが適切で、
3500万円銀行から借りたいとお考えなら
世帯年収が700万円ぐらい
あった方がいいという感じでしょうか。

もちろん、この説はなかなかいい線を行っていて
この実現が理想的なのは
火を見るよりも明らかなことなんですが、
どっこい現実を見てみると
20%以上建築費が値上がりした現在は、
この理想論からはかけ離れざるを得ない方の方が
圧倒的に多いというのが現実です。

例えば世帯年収500万円のご家族が
土地から買って家を建てる場合、
仮に自己資金が300万円あるとしたら
理想的なローンと自己資金を合計すると
2800万円が家づくりの総予算となるのですが、
購入しようとしている土地が1000万円だとしたら、
家そのものにかけられる予算は
マックス1500万円となり、
数年前まではこの予算でも
家を建てることが出来ていたものの、
現在の建築価格では
思い描いている理想を叶えるどころか
そもそも家を建てることすら難しいというのが、
悲しいかな今の現実です。

ゆえ、この場合使える土地があるなら
そこを使っていただくか、
不足分を自己資金とローンによって
賄っていただくというお話を
せざるを得ないということになります。

もっとも土地を買わなくてよくなれば
土地に費やす予定だった1000万円を
建築代(と外構代)に回すことが出来、
借入を増やすどころか
むしろ減らすことが出来るかもしれないので
まずはこちらを優先して
考えていただく方がいいですけどね。

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では、土地を買わないといけない方は
どうすればいいのか?

この場合、まずは購入する土地の価格を
少しでも落とせないかを優先して
考えていただくことをオススメします。
住む地域を変えるとか、
面積を小さくするなどによって、です。

理由は、理想的な予算からのはみ出しを
少しでも小さくするためです。

かつ、家の予算を少しでも小さくするために
コンパクトさを意識しながら
間取りを考えていただくことをオススメしています。

このように土地にせよ家にせよ
これまでの常識は一旦脇に置いていただき、
現状にフィットした考えになって
いただかないといけないのですが、
とはいえ、これを実行していただくことは
想像以上に難易度が高く、
おそらく大多数の方が年収の5倍ルールの範囲内では
全く収まらないと思います。

なので、最後に予算が大きくはみ出た場合、
どうしないといけないかについて
お伝えしていきたいと思います。

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✔️「攻撃は最大の防御なり」

それは勇気を持ってリスクを取り、
安全だと考えられている
銀行への貯金と生命保険を減らし、
その分を「長期積立投資」に回すことです。

ここでは銀行への預金が必要ない理由や
生命保険や学資保険がいらない理由、
そして医療保険もほどほどでいい理由
などについては触れませんが、
要は、今すぐこれらを見直して
夫婦そろって「新NISA」を活用しつつ
積立を開始してください。

そして、いつか仕事を辞める時まで
積み立てた資金を引き出すことなく
ずっと運用し続けていってください。

もちろん、未来のことなんて誰にも予測はつきません。
ですが、過去150年間のデータによると
年間で約10%ずつ資産が増えてきており、
今後も短期的・中期的には
世界情勢によって不安定な時期が定期的に訪れるものの、
長期的にはそのパフォーマンスを
きっと維持してくれるのではないでしょうか。

そしてそう考えると、
勇気を持ってそこに踏み込んだ人と
踏み込めなかった人とでは、
やがて迎える老後にとてつもない大差が開いていることは
もはや言うまでもありません。

というわけなので、
これから家を建てる方は、
同じタイミングでここまでするのが
セットであることを忘れずに
家づくりをしていただければと思います。