【おうちづくりコラム】設計の考え方と土地を見る視点

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この写真の土地はとある場所にある売り土地で、
法務局に備え付けられている寸法図によると
間口約9.25m×奥行き約16.75m 、
面積約47坪の北向きの土地なのですが、
さて、あなたがこの土地で家を建てなければいけないとしたら
どんな家を想像するでしょうか?

というわけで今回は、
この土地に家を建てなければいけないとしたら
弊社ではどんな住まいを提案するのかについて
お伝えしていきたいと思います。

あくまで「弊社ならでは」の考え方ではありますが、
これから土地選びをする方はもちろん、
すでに土地を買ってしまった方も
多少なりとも参考になる内容だと思うので、
ぜひ最後までお付き合いください!

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✔️考えられるデメリットを解決する

まず、家を建てる方みんなにお伝えしていることが、
「間取りは建てる方の要望だけじゃなく
環境を考慮しておかないといけない」ということです。

環境を無視して家を建てると、
いざ住んでみると確実に
「あれっ?こんなはずじゃなかったのに」となってしまうからです。

その代表的なことが、
日当たりも良いし窓もたくさんつくったにもかかわらず
照明なしでは過ごせないという状況です。

この土地は北向きであり、かつ奥行きも深めであるため、
リビングを道路と反対側に配置しやすいし、採光も確保しやすいし、
南向きの土地に比べてプライバシーも担保しやすいものの、
通過する電車やその向こうのにある教習所から見られやすいことから
単純に南に大きな窓をつくりそこからの採光を頼りにし過ぎると
そのような状況になりかねませんからね。

また、今は両隣ともに平屋であるため、
東・西そろって採光が確保しやすいのですが、
この古さを見る限りいつ建て替えが行われてもおかしくないので、
それも考慮しておくべきです。
2階建てが建つとなると、
比較的太陽高度が低い東、西は採光に影響が出るでしょうからね。

さらに、この土地は間口がそれほど広くないため、
居室の日当たりを優先し
水回りを北にまとめて配置しがちになりますが、
これも大きな後悔を引き起こす原因となります。

北に水回りをまとめると、
窓や換気扇や給湯器が全て北に存在することになり、
これらが家を汚す原因となるからです。
北は直射日光が当たらない分、
ただでさえ汚れやすいのに、
それに拍車をかけてしまうわけですからね。

結果、家の正面が汚れやすく、
メンテナンス周期が早くなる可能性が高くなるというわけです。
家の正面だってカッコよく設計しにくいわけですしね。

そんなわけで、
考えられるこういったデメリットを全て解決する方法も考えながら、
どんな家にしたいのかという要望をお聞きしていくという流れになります。
これが、土地が決定した時点で行う「ヒアリング」という作業です。

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✔️敷地を有効に使う

そして、どんな土地であっても
弊社では「平屋」に出来ないかを優先して考えるようにしています。

この土地の場合、車を3台置きつつ駐輪場もつくれて、
かつ最大89.43㎡(約27坪)という(間口8.19m×奥行き10.92mで計算)
建築面積の平屋を建てることが出来ます。

仮に玄関ポーチを0.5坪(1帖)、中庭を3坪(6帖)つくるとしたら、
延床23.5坪の平屋なら建てることが出来るというわけですね。

では、その平屋は一体どれくらいの広さなのでしょうか?
1坪=2帖なので23.5坪×2=47帖だとして、
どれくらいの家になるのか考えていってみますね。

玄関とホールに2帖、玄関収納に1帖、LDKに16帖、
寝室に6帖、子供部屋に4.5帖ずつ、トイレに1帖、洗面に1帖、
脱衣に2帖、風呂に2帖、ウォークインクローゼットに3帖、
子供部屋に合計2帖のクローゼット、パントリーに2帖、
これで合計47帖(=23.5坪)ですが、
仮にあなたが「あれっ?これで全然いけそうじゃない?」
「っていうか、これで充分!」と感じられるのであれば、
実は、この広さの土地でも平屋を建てることが出来てしまうんですよね。

いかがでしたか?
たった47坪しかないのに「平屋」が建つなんて何だかビックリでしょ?
しかも「中庭付き」で。
これに加えて、敷地に無駄な余白を残さなくなる分、
外構面積も小さくなるため外構費用だって抑えられますしね。

というわけで、
今回は弊社の家づくりの考え方を
具体的に土地に落とし込んでお伝えしてみました。

【おうちづくりコラム】現地でチェックすべきお金に関わる2つのこと

土地は土地代だけで買えるわけではなく、
付随して様々な費用がかかるし、
その費用も土地の状況によって異なるため、
あらかじめ現地でそのチェックをしておく必要があります。

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例えば、この土地は分譲地ではなく、
昔ながらの家に囲まれた土地なのですが、
このような土地を見に行った時には、
写真に(汚く)書き込まれている5つを現地でチェックした上で、
不動産屋さんに確認するなり自ら調べるなどしなければいけません。
この5つは全て費用に直結することだからです。

そして、それらの費用がどれくらいかかるのかを織り込んだ上で
この土地を買うかどうかを考えるべき、なんですよね。

というわけで今回は、
土地のチェックポイントについて
具体例を挙げながらお伝えしていきたいと思います。
簡単なのでぜひ覚えておいてください!

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✔️隣地との境界

①~③は全て隣地との境界ですが、
①・②・③全てそれぞれ若干状況が違うので、
あえて分けてお伝えさせていただきます。

まず①ですが、
奥半分ぐらいには境界の基礎のような構造物が目視出来るのに対し、
手前半分には境界基礎のような構造物がなく
アスファルト舗装された道路のようなものが目視出来ます。

なので、確認すべきことは、
この道が道路として認定されているのか?
それとも、奥の土地の方の所有物なのか?
(私道か?)ということです。

確認すべき理由は、
これが道路として認定されているとしたら、
4mに満ちていない場合は
道路の中心から2mのところが新たな境界となるため、
そこまでは構造物をつくることが出来ないからです。

つまり、仮に境界をつくるとしたら
今の道路との境目ではなく、
道路から2mのラインに合わせて
境界をつくらなければいけなくなるということですね。

もちろん、この場合その費用は
全額自分で負担しなければいけないので、
その費用も計算しておかなくてはいけません。

そして、奥の半分には基礎のようなものがありますが、
これも奥まで道路が続いていて
それが道路として認定されているとしたら、
この基礎は一旦取り壊さなければいけないかもしれません。
道路の中心から2mのところが新しい境界になるからです。

そして、そうだとしたら
その費用は売主の負担なのか?あるいは買主の負担なのか?
これをあらかじめ聞いておかないといけません。
かつ、この境目に境界基礎をつくるのだとしたら、
その費用も計上しておかないといけません。
これが①のラインで確認しておきたい事ですね。

続いてが②の境界なのですが、
この直線には境界の基礎のようなものが目視出来ます。
(黒い線のせいで見えませんが・・・)

なので、これが境界だとしたら、
この基礎が使えるものなのか?
そのまま使えないとしたら補強をすれば使えるのか?
あるいは一旦壊して新設しないといけないのか?
を確認しておかなくてはいけません。
そして、やり直す場合は、
どれくらい費用がかかるのかも計算しておかないといけません。

続いてが③ですね。
これも①同様に奥には境界壁があり手前には何もないという状態ですね。
この場合、奥のブロックまで積んでいる境界が隣との中心なのか?
自分たち側に入っているのか?あるいは隣側に入っているのか?を
不動産屋さんに確認してください。

これによって手前の何もないところに境界をどうつくるかが違ってくるし、
費用負担も全く違ってくるからです。

もちろん、一旦壊してやり直すのが、一番コストがかかるので、
出来れば使えるものはそのまま使いたいところですが、
これだけ古そうだと強度的な問題も否めませんからね。

なので、まずはとっても大切な境界について
不動産屋さんに必ず聞くようにしてください。
これを見落とすと後からとんでもない費用が必要になるので絶対にお忘れなく。

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✔️水道と排水

そしてもう1つ現地で
チェックしておいて欲しいことが水道と排水です。

④をご覧いただくとお分かりいただけますが、
この土地は水道が入ったままになっています。
コーンが立っているところには水道の立ち上げがあるし、
その横にメーターボックスがあるからです。

ゆえ、もしかしたらこの土地は水道をそのまま使えるかもしれないし、
そのままではダメなので再度引き込まないといけないかもしれないのですが、
もちろん、このどちらなのかでこれにかかる費用が大きく異なってきます。

なので、この水道がそのまま使えるのか?
あるいはやり直さないといけないのかを
必ず不動産屋さんに確認いただけたらと思います。
(不動産屋さんが曖昧なら市役所の水道課に行くと丁寧に教えてくれます)

排水については⑤の矢印をご覧いただくと分かるように、
敷地に接した道路の隅っこに側溝と呼ばれる蓋付きの溝があるかどうかを
チェックしておいてください。

そして仮に、これが敷地に接してない場合は
道路の反対側にないかを、
道路の反対側にもない場合は、どこに排水すれば良いのかを
不動産屋さんに確認しなければいけません。
排水が出来ないとなれば、
かなり高い確率で家を建てることが出来ませんからね。

ちなみにこの土地に関しては、
道路の真ん中あたりにでっかいマンホールがあり、
この蓋に「おすい」と書かれているため下水道地域ということになります。
つまり浄化槽を設置する必要がないということですね。

いかがでしたか?
かなり長くなってしまいましたが、
実例を挙げながらご説明させていただくと、
少し分かりやすかったのではないでしょうか。

というわけで、この2つのチェックポイントを
現地で見逃さないことを意識しながら
土地の下見に行ってもらえたらと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画の事前準備のやり方

以前、ローンの返済額を決めるに当たって
まずは家計の収支を把握してくださいというお話をしましたが、
では、あなたはどれくらい家計の収支状況を把握されているでしょうか?

ぶっちゃけた話、
どんなものにお金がいっているのかはなんとなくは理解しているけど、
じゃあ具体的にどれくらいなのかまで把握している方は
割と少ないのでないかと思います。

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なので、今回は予行練習がてら
一般的だと思われる家庭(子供2人)をモデルにして
家計の収支を洗い出していってみたいと思います。

では、まずは収入からですが、
仮にご主人の年収が400万円で
奥さんの年収が300万円だとしたら、
おそらくご主人の手取りは毎月平均26万円ぐらいで、
奥さんの手取りは毎月平均20万円ぐらいだと思います。
つまり毎月46万円ぐらいが世帯収入ということですね。

続いて支出です。
前回お伝えした項目に数字を当てはめていってみますね。
・家賃+駐車場代=月75,000円
・電気代=月平均6,000円、
・ガス代=月平均6,000円、
・水道+下水道代=月平均4,000円、
・家財保険代=月平均1,000円、
・車のローン(2台分)=月50,000円
・ガソリン代(2台分)=月平均30,000円
・車検代(2台分)=月平均10,000円
・車の保険代(2台分)=月平均10,000円
・車の税金(2台分)=月平均5,000円
・車のメンテ代(2台分)=月平均2,000円(オイル、バッテリー、タイヤ交換など)
・習い事代(2人分)=20,000円
・携帯代=12,000円
・ネット&TV代=7,000円
・美容室代(2人分)=月平均12,000円
・外食代=月平均10,000円
・旅行代=月平均10,000円
・サブスク代=月5,000円(ネットフリックスやアマゾンなど)
・食料品代=月平均100,000円(日用品代・化粧品代・衣料品代なども含む)
・小遣い(2人分)=40,000円
・生命保険代=月10,000円
・医療保険代=月5,000円
・学資保険代(2人分)=20,000円
ざっとこんな感じでしょうか。

これらを合計すると450,000円となったので、
仮にこれに加えて奨学金があるとしたら、
貯金が出来ないどころか、
これまで貯めた貯金を吐き出すような
状態になっているということになります。

それゆえ、このご家庭に関しては、
返済額をいくらにするかの前に家計を矯正しなければいけません。
現状では家賃並みの返済でも貯金を吐き出し続けてしまうだけですからね。

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✔️見直すべき点は固定費

まず、見直すべきところは車にかけるお金です。
上記項目の中で車に関連した費用を合計すると
1台所有すれば毎月5万円以上かかるわけですからね。

なので、車の台数を1台にするとか(これが最も効果があります)
あるいは、買う車を中古にし、車体価格をグンと抑えるとか、
ランニングコストとなる燃費をグンと抑えられる車にする
といった工夫をなるだけ早くすべきだと思います。

続いて見直すべきところは保険です。

生命保険に関しては、家を建てると必然的に
団体信用生命保険という掛け捨ての定期保険に入ることになるため、
万が一の死亡保証に備える必要がなくなると
考えていただいて問題ないと思います。

学資保険に関しても、
保険期間が短過ぎることから残念ながら全くお金が増えないので、
入っている意味はほぼないと考えていただいても問題ないかと思います。

というわけで、保険に関しても家を建てると同時に
思い切って見直してみていただけたらと思います。

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そして、ここで浮いてきたお金は全て「つみたてNISA」に
注ぎ込んでいただきたいと考えています。
もちろん、夫婦そろってです。

理由は、銀行にお金を預けておくよりも、
また保険で運用するよりもお金が増える可能性が高いから、
そして、必要なタイミングでお金を引き出すことも出来るからです。

個人的には、ここまでしていただいた上で、
家づくりに取り掛かっていただきたいと考えています。

先程リアルに数字をご覧いただきましたが、
よほど突き抜けて収入が高くない限りは、
たとえ共働きだとしても決して生活が楽なわけではないはずです。

なので、これから家を建てようとお考えの方は、
夫婦で未来の計画についてよく話し合っていただいた上で、
より正確な資金計画が立てられるよう
収入と支出について考えていただければと思います。

【おうちづくりコラム】住宅ローンのリスクヘッジ

家という大きな買い物をする場合、
借金をゼロにすることは不可能ですが、
なるだけ減らすことを意識しつつ、
ローン返済に並行して借りた利息以上のお金を生み出すなにかを
同時にした方がいいと個人的には考えています。

例えば、住みたい地域で土地を買って家を建てようと思えば、
銀行から4,000万円お金を借りなければいけないとします。

この場合、おそらく800~1,000万円ほど
利息を払わなければいけないのですが、
仮に、何らかの方法によってその予算を1,000万円圧縮出来れば、
単純に200~250万円も利息の支払いを圧縮することが出来ます。

実家に土地があってそれを使ってもいいとか、
親御さんが土地を買ってくれたとか、
住むエリアを変更しつつ建てる家を小さくするなどの方法によってです。

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そして、次に考えていただきたいことが
利息を帳消しにする方法についてです。

まず考えられることは、自らの収入をアップさせる方法ですが、
それはスキルアップかもしれないし、
転職かもしれないし、副業(複業)をすることかもしれません。

とにかく手段は人それぞれですが、
どのみち子供の成長とともに出費は増えていくばかりなので、
これは誰もが真剣に考えるべきところですよね。

今後、消費税や所得税などの増税も十分考えられますし、
社会保険料の負担も上がり続けていくため、
給料がそのままだと実質の手取りは下がっていくばかりですしね。

続いての方法が、節税によってお金を増やすということです。
例えば、あなたの年収が500万円だとしたら、
所得税と住民税の税率はそれぞれ10%なのですが、
仮に個人型確定拠出年金「iDeCo」に
毎月2万円積み立てていくとしたら、
今後年末調整によって毎年2.4万円所得税が返ってきて、
翌年の住民税が2.4万円安くなるため、
年間で合計4.8万円お金が増えたということになります。

これに加えて、家を建てたら13年間は
住宅ローン控除という節税制度の恩恵を受けられ、
もちろんこれは借入額によるものの、
大抵の場合、所得税は丸々返還で住民税もかなりの額が控除されます。

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この他、「ふるさと納税」も所得控除の対象になりながら
住民税を納めた市町村からなんらかの返礼品もいただけるので、
iDeCo同様に前向きにやっていただくといいのではないでしょうか。

最後に、チャレンジしていただきたいことが、
長期積立投資を行うということですね。
銀行への貯金ではなく投資信託をこれからずっと
毎日・あるいは毎月買い続けていくということです。

仮に毎年2%ずつお金が増えていったとしたら、
35年後には元本が約2倍に膨れ上がるし、
ここから得られるリターンは長期になればなるほど大きくなるので、
それを遥かに上回る可能性が高いでしょうしね。

そんなわけで、
家を建てるにあたり住宅ローンをたくさん組むのだとしたら、
以上の3つ全てに取り組んでいただきたいと思っている次第であります。

今後、土地の資産価値はそう大きく変化しないと思いますが、
家は建てた時が、一番評価(価値)が高く、
以降、その価値は徐々に目減りしていき
35年後には価値がほぼゼロになってしまいます。
これに加えて家を維持管理していくための費用だって
生きている限りずっとかかり続けます。

なので、家を建てるにあたっては、
出来るだけ予算を減らす方法がないかを模索してみること、
そして、収入アップ、節税、積立投資に前向きに取り組むこと、
この2つを意識していただければと思います。

これらの合わせ技をやることで、
家を建てた後も豊かに暮らし続けていきましょう!

【おうちづくりコラム】平屋に最適な広さ

もちろんこの話は必ずしもそうだとは限らないのですが、
個人的には家族3~4人で暮らす平屋を建てるにあたって
最適な土地の広さは「55坪」ではないかと思っています。

例えば、この土地は
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弊社の近くにある分譲地の一画で、
間口約12m×奥行き約15mの約55坪の長方形の土地なのですが、
この土地には基準法的にも建築面積約33坪の平屋を建てることが出来るし、
実際、車を4~5台置けるようにしながらも
建築面積約27.55 坪の平屋を建てることが出来るし、
あるいは駐車スペースはもっと少なくて良いのであれば、
もっと面積を広げることも出来ます。

しかし、一般的にはこの広さの土地には
95%以上の確率で2階建てが建てられているし、
おそらく今後もこの確率が減る可能性もかなり低いのではないかと思います。

というわけで今回は、
その理由についてお伝えしていきたいと思います。

では早速。
2つあるので1つずつご説明していきたいと思います。

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✔️平屋では日当たりが確保出来ないから

まず1つ目の理由がこれです。
つまり、平屋を建てるには土地が狭すぎると思っている方が
圧倒的に多いということですね。
住宅会社、不動産会社も含めて。

なんせ、この広さに平屋を建てるとなれば、
駐車スペース以外は敷地いっぱい使うことになりますからね。
ましてや、この土地なんかは南側に2階建ての家が建っていて、
いかにも日当たりの悪さを醸し出してくれていますからね。
その上、東と西両隣に2階建ての家なんて建とうものなら
まさに「四面楚歌」状態になってしまいますしね。

そんなこんなで、
南に建つ家との距離を十分に開けるために
2階建ての家にするというわけですね。
そして、リビングだけじゃなく寝室や子供部屋といった
部屋という部屋をなるだけ南向きで設計するというわけです。
日が沈んだ時間に使う寝室や
昼間、眩しすぎて結局カーテンを閉めっぱなしにしている子供部屋までです。

いわば、直射光一本頼みの「南向き信者」になってしまっている人は、
こういった設計しか手段を知らないまま
家を建てざるを得ないというわけですね。

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✔️平屋は高いから

そして、もう1つの理由がこれです。
もちろん、同じ広さで価格を比べた場合、
2階建てより平屋の方が高くなるのは紛れもない事実です。

しかし、平屋には階段がありません。
2階建てのように無駄な廊下も必要ありません。
トイレだって1つで大丈夫です。
2階建てでは1階にリビングとは別で1つ部屋がないと使い勝手が悪いですが、
平屋はそんな部屋をつくる必要がありません。

そして、これらを組み合わせていくと、
2階建てに比べて面積がかなり小さくなるので、
むしろ安い価格で建てられるようになります。
そして、家が小さくなった分、
55坪の土地にも十分収まるようになります。

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✔️この土地に建つ平屋とは?

弊社がこの土地で平屋を建てるとしたら以下のように考えます。

・リビングダイニングキッチンには絶対に直射光を入れたい
・直射光を入れるためには、南の家から十分な距離を開けた場所に
リビングダイニングキッチンを配置しなければいけない
・寝室や子供部屋は明るくしたいが、かといって直射光じゃなくても良い
・であれば、天空光や反射光を使って明るく出来る場所に配置すればいい
・洗面や脱衣室にこそ直射光が入るように出来ないか?
・かつ、キッチンかリビングから近い場所に水回りをつくれないか?
・玄関を明るくするためにはどのように光を入れればいいか?

こんな感じでしょうか。
そして、これらが全て叶う平屋をこの土地に合わせて提案させていただきます。

とにかく個人的には、たとえ少々日当たりが悪かろうと
55坪もあれば平屋を建てるには十分だと思っているので、
平屋を建てたいけど土地の広さや日当たりや家の価格のことで
悩んでいらっしゃる方は一度ご相談にお越しいただければと思います。

きっと何らかの突破口が見つかると思いますよ!

【おうちづくりコラム】スペックの基準

脱炭素の流れに伴い、
住宅の高性能化が著しく進んできたここ数年ですが、
正味の話、若干行き過ぎた感が否めないなと感じている方も
少なくないのではないでしょうか。

また、どこに行っても性能の話をされるものの、
どこも同じような話ばかりだし、
その違いもイマイチ理解出来ないため
その説明にうんざりしている方も
少なくないのではないでしょうか。

というわけで、
今回は業界の中で加熱し過ぎている
「オーバースペック(過剰性能)」
についてお伝えしていきたいと思います。

要は、お施主さんが最高の形で暮らせるぐらいの
ハイスペック(高性能)を備えておくのは
プロとして当たり前のことですが、
それを超えた「オーバースペック」は、
不要だと言っても過言ではない
というのが個人的な意見なので、
その理由についてお伝えしていきたいと思います。

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✔️オーバースペックとは?

ウィキペディア曰く、
「オーバースペック(過剰性能)」とは、
利用者が求めるよりもさらに高く持っている性能と、
その性能を持つ機械の総称ですが、
過剰という言葉が指し示す通り
利用者にとっては不要なものだし、
多くの場合「宝の持ち腐れ」になってしまっていると思います。

「いやいや、そんなことないでしょ!
施主が求めている以上のものを搭載してくれているのだから
素晴らしいじゃないですか!」

このようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、
ハッキリと申し上げると、
お施主さんが求めている以上のものを搭載するために
かけるコストが絶望的に無駄だと思っています。

そもそも平屋にすれば、
99.9999%必要じゃない「制震ダンパ」
これだけでも40~50万円の負担増です。

また、この地域では、
「UA値0.87」という数値さえクリアしていれば
最高クラスの断熱性能を備えているし、
あるいは「0.6」という数値をクリアしていれば、
ZEH基準すらもクリアしていて
超快適に暮らしていけるにも関わらず、
なぜかその遥か上を行く北海道級の数値を標準にするという
謎の快適性の追求。
なのに、空気の循環を遮る「廊下」を大量につくるという
矛盾だらけの提案をする住宅会社。

この2つの要素を兼ね備えているだけで、
100万円~200万円はコストの無駄を
叩き出しているのではないでしょうか。

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この他、200万円~300万円ほどする全館空調システムなんかも
体感したら「これ欲しいー!!」となりやすいアイテムですが、
これだって確実に製品寿命がやってくるので、
後々のメンテナンスコストまで踏まえると
かなり大きな負担増になるのではないでしょうか。

そんなわけで、
住む人のためにというよりは
むしろ他社との差別化のためだけに、
お施主さんが負担するコストを犠牲にしてまで
「自社の強み」を作り出すのは間違った考え方ではないか
と思っている次第であります。

現在は、木材をはじめとした原材料費の高騰によって
かなり負担増になっているので、
本来私たちはコストを抑える工夫や提案をすべきですからね。

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✔️活かすも殺すも間取り次第

私たち住宅会社は、
お施主さんが最高の状態で暮らせるように
ハイスペックを備えておく必要はありますが、
コストを犠牲にして
それ以上の「オーバー(過剰)スペック」を備えるのではなく、
そのハイスペックを活かす間取りを
考えることが大切ではないでしょうか。

先程お伝えした「制震ダンパ」は
平屋にすれば設置する必要すらありません。
また、平屋にしつつ空気を遮断する廊下をなくせば、
体積も小さくなり冷暖房効率が格段に高くなるので、
過剰な数値を追いかける必要もありません。
かつ、平屋にすれば階段による
上下階の温度差が生まれなくなるので、
全館空調システムだって必要なくなります。

つまり、間取りによって
暮らしの中で起こる問題を解決することさえ出来れば、
不用意にコストを上げることなく
最上級に暮らしやすい住まいを提供することが出来るというわけですね。

なので、オーバースペック(過剰性能)は
確かに魅力的に感じるかもしれませんが、
それは確実にコストに跳ね返るということ、
そして、そんなことをしなくてもいい間取りさえ出来れば、
一般的なハイスペック(高性能)住宅で
充分過ぎるぐらいだということを
覚えておいていただけたらと思います。

【おうちづくりコラム】コスト調整の秘策

一生に一回の家づくり。
であれば、なるだけ後悔がないように、
予算が許す限りは出来るだけやりたいことを詰め込みたい!
誰もがそうお考えになると思います。

どっこい、
そう上手くいかないのが家づくりの困ったところ。

たいていの場合、
予算と要望の間には大きなギャップが生まれ、
予算にその皺寄せがいくというパターンが圧倒的に多い
というのが現実です。

というわけで今回は、
やりたいことの皺寄せをなるだけ予算にいかせないためには
どのように考え、どのように対処していくべきなのかについて
具体的にお伝えしていきたいと思います。

結論としては、
「何か1つだけで解決するのではなく合わせ技によって解決しましょう」
ということであり、
そのためには今回お伝えする知識が絶対に必要なので、
最後までお付き合いいただければと思います。

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✔️小さなことをコツコツと!

例えば、家を建てるにあたって
どうしても床暖房をキッチンとダイニングとリビングの
3箇所に設置したいとなった場合、
無垢の床を使用しているとしたら、
そのグレードアップ費用まで含めると
約80万円コストアップするのですが、
そうは言っても家の予算は上げられないとしたら、
このアップ分をなにかを減らすことによって埋めなければいけません。

この場合、1.5坪(=3帖)ほど
1階の面積を削れば相殺できることになるですが、
いざ、それを実行するとなると
そう簡単に削ることが出来ないのが現実です。

無駄な廊下がたくさんあれば一瞬で解決ですが、
そうじゃない場合、1階の3帖はとっても貴重ですからね。
それによって1階にファミリークローゼットが
作れるか作れないかってことになってくるわけですからね。

なので、面積だけに集中するのではなく、
家に使われている材料が減らせないかにも同時に着目することが大切です。

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1つは「窓」の数です。
外に出られる大きな窓なら1本あたり12万円~15万円するし、
小さな窓でも1本あたり4万円~5万円しますからね。

なので、大きな窓を減らしその分小さな窓に出来ないかとか、
あるいは、そもそも大きな窓の数を減らせないかとか、
かつ、同時に小さな窓の数も減らせないかということを
同時に検討してみることも大事かと思います。

窓を減らすことが出来れば、
カーテンなしでは過ごせない家の場合、
同時にカーテン代までカットすることが出来るわけですからね。

続いて着目していただきたいことが家の中のドアの本数です。
ドアも1枚あたり4万円~5万円するし、
引き違い戸やクローゼットの折戸に至っては、
1箇所だけでドアが2、3枚必要ですからね。

ゆえ、個室ごとにクローゼットが必要なのか、
クローゼットは必要だとしてもドアは必要なのか、
ホントはドアがない方が便利なのに
ドアを設置してしまっていないか、
なども同時に考えていただくといいかと思います。

そして仮に窓で15万円ほど削減出来て、
カーテンで10万円ほど削減出来て、
ドアで15万円ほど削減出来そうだとしたら、
その分、カットしなければいけない面積は
先程の半分で済むということになりますからね。

少ない窓でも採光さえキッチリと取れるのであれば、
窓が減り、壁が増えることによって
耐震性も断熱性もアップするわけですしね。

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また、家だけでコストの調整を考えるのではなく、
土地に分散してみてもイイかと思います。
仮に、建てようと思っている家が2階建てだとしたら、
55坪ぐらいの土地を買おうとしているのを
50坪にするといった感じですね。
あるいはもっと削らなければいけないとしたら
45坪ぐらいまで削るといった感じです。

この場合、土地の坪単価が15万円だとしたら
5坪削れただけで75万円安くなります。
となると、家のコストは一切削らなくても
よくなるかもしれません。

あるいは、10坪まで削れたとしたら150万円安くなるので、
床暖房に加えて、巷で人気の衣類ガス乾燥機や
海外製の食洗機を設置出来るかもしれません。

まー、口で言うのは簡単ですが、
実際はこんなに上手い具合には
なかなかいかないものなんですけどね。

とはいえ、
こういったコストダウンの方法を頭で理解出来ているのと
理解出来ていないのとでは全く違うと思うので、
本当にやりたいことを実現していただくためにも、
こんな方法もあるんだよということを
ぜひ覚えておいてもらえたらと思います。

【おうちづくりコラム】資金計画より大事なこと

家づくりを具体的に進める前に「資金計画」をすることは
どこの住宅会社でも当たり前になりつつありますが、
この資金計画をするにあたり、なにより大事なことが
「何を根拠にローンの返済額をその金額に決めたのか?」です。

この根拠がしっかりしていないと、
あれよあれよという間に予算が上がってしまいやすいから、
そして住宅会社の都合が良いように予算を上げられやすいからです。

とりわけ原材料費のインフレによって
建築コストが上がりつつある現在は、
その度合いも大きくなりがちなので、
どこまでなら大丈夫でどこからがダメなのかのラインを
自分自身が把握しておけるように、
資金計画をする前に一手間かけていただくことをオススメしています。

というわけで今回は、
「資金計画の前準備」についてお伝えしていきたいと思います。
要は、資金計画では最初に銀行からの借入額を決定するので、
借入額を決定するにあたり必要な三要素
「返済額」「金利」「年数」の中の「返済額」をいくらにすべきなのかを
決定するための根拠を出すということですね。

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✔️家計の収支と今後を考える

現実と向き合い過ぎるとブルーになるので、
僕自身もあまり正確に収入や支出を把握したくないのですが、
家を建てる時、まずここから始めるべきなのは間違いありません。

どれくらいずつ収入があって、
その中で何にどれくらいお金を使っていて、
どれくらいを貯金や保険に回しているのかを
全て洗い出して把握するということですね。

出費の内訳としては、
家賃、駐車場代、電気代、ガス代、水道代(下水道代)、家の家財保険代、
車のローン、ガソリン代、車検代、車の保険代、車の税金、車のメンテ代、
習い事代(塾代)、携帯代、ネット&TV代、美容室代、外食代、衣料品代、
旅行代、サブスク代(音楽・本・新聞・映画など)、食料品代、日用品代、
小遣い、貯金、生命保険代、医療保険代、学資保険代、
といったところでしょうかね。
あと奨学金がある場合、そのローン返済と。

なので、まずはこれらにどれくらいお金がいっているのか
ある程度正確に把握することから始めていただければと思います。

そして、次に考えていただきたいのが、
今後はもっと出費が増えるということと、
家を持つとさらに出費が増えるということです。

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出費が増える理由は、子供の成長と共に
食費・旅費・習い事や塾代・携帯代などが高くなるからです。
その上、大学に行くとなれば、
県外なら学費の上に家賃と生活費が、
県内なら学費の上に車代とガソリン代、車検代と保険代と税金が
それぞれ必要になってくるので、
早い段階からその備えをしていかないと
家計が火の車になるのは必至です。

また、家を持ったからには当然
維持していくためのお金も必要となります。

まず、4月に納税通知が届く固定資産税。
次に、火災保険。(入るなら地震保険も)
そして、定期的な外壁塗り替え費用。
(15年に一度ぐらいにペースです)
さらに、水回りの入れ替えに伴う修繕工事。
(20~25年に一度ぐらいのペースです)
最後に、家電製品の買い替え費用。

これらが家を持っている限り必要となるコストなのですが、
要はこれらの資金のことまで考慮した上で
毎月のローン返済額を決めた方がいいというわけですね。

じゃないと、家のローンに上積みして
子供たちの進学資金や定期的な修繕費用をローンに頼ることになり、
死ぬまでずっと借金地獄から抜け出せなくなってしまいますからね。
家計が厳しくなれば車だってローンで買うしかなくなるでしょうしね。

というわけなので、
単純に家賃と比較していけるかどうかを決めるという
危険な賭けだけは絶対にしないでもらえたらと思います。

家計の収支と今後の必要経費を全てテーブルの上に出し
把握した上で返済額を決める。
面倒臭がらずこのルールに従って
家づくりを一歩一歩進めていただければと思います。

【11/3(金)・4(土)・5(日)シンプルノート新築内覧会開催!】

今週末、3(金)、4(土)、5(日)と
喜多方市塩川町内でシンプルノートの新築内覧会を開催します。

今回のお家は
中庭のある真っ白い平屋になります。
道路側に窓がない超シンプルなデザインで、
屋根も外壁もすべて真っ白というこだわりがポイント。

土地は50坪と小さめですが、中庭もあり、
中庭では視線を気にすることなく、のんびり過ごすことができます。
さらに駐車場も3台分あるので、来客時も安心ですね。

そんなステキなお家をすみずみまで見られるチャンスです。
まだどんなお家がいいのか分からない、
資金計画が心配、
住宅メーカーを見学している、
どんなお家か決まっている、
土地探しをしている...
そんな方は、内覧会に来てみませんか?

資金計画についてや土地の情報なども、相談できます。
また、無料でプラン作成いたしますので、お気軽にご来場ください!

内覧会は完全予約制ですので、こちらからご予約お願い致します。

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