【おうちづくりコラム】頭金も繰上げ返済も必要ない最大の理由

歯止めが効かない高いインフレを抑えるために
利上げをはじめとした金融引き締めに
本格的に乗り出した欧米とは裏腹に、
長期金利の上限幅を引き上げたものの
依然、金融緩和を維持し
金利が上がらないようにしている日本。

というわけで、我が日本は
世界の情勢なんてどこ吹く風で、
かれこれ30年前から続く流れを引き継ぎ
順調に金利が低空飛行しているわけですが、
家を建てる時には、
この低金利を上手く利用すべきではないでしょうか。

つまり、現在の日本はありえないぐらいの低金利なので、
この金利を圧縮したり
より安くすることに全力を注ぐよりも、
出来るだけ長く固定金利で借りておいて、
手元資金や余剰資金を住宅ローンよりも利率が高い
投資商品にお金を回した方がいいというのが、
頭金をたくさん入れたり、
繰上げ返済をする必要がないと考えている
4つ目の理由であり、最大の理由でもあります。

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例えば、家づくりの総予算が3,500万円だとして、
自己資金として投入出来る資金が500万円あったとしたら、
それを全額自己資金として入れることによって圧縮出来る利息は
35年でざっと100万円ぐらいなのですが、
この500万円を35年間分散して積立投資していけば、
過去70年のデータをもとに試算すると
1,200万円ほどお金が増えることになります。
(年利7%で試算しています)

また、毎月コツコツと貯金していけば
10年後、20年後に貯まったお金で
繰上げ返済をすることが出来ますが、
それによって利息を圧縮するよりも
その余剰資金を先程の手元資金に追加して
積立投資に回した方がいいのは、
先程の数字をご覧いただければ一目瞭然だと思います。

そんなわけで、家を建てるタイミングで
積立投資を始めていただくことをオススメしています。
この増えた資金から子供たちの進学資金も捻出出来るし、
定期的に必要となるメンテ資金も捻出出来るし、
ともすれば、宝くじなんかに期待せずとも
老後を目前にして2回目の家づくりが出来るかもしれませんからね。

ただし、これを実行するためには
1つだけ気を付けていただかなくてはいけないことがあります。

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✔️家づくりの総予算を抑える

それがこれです。
家づくりの予算が増えて
毎月の返済負担が高くなり過ぎれば
頭金を入れざるを得なくなるし、
それでも返済負担が高いのだとしたら
生活していくだけでいっぱいになり、
とてもじゃないけど積立投資なんて
出来る余裕がなくなってしまうからです。

まず抑えるべきは「家」の予算ですが、
そのためには適切な家の大きさを知ることが大切です。
また、必要なもの必要じゃないものを
しっかりと見分けられる力も必要です。

続いて抑えるべきは「土地」の予算ですが、
そのためには適切な土地の広さを知ることはもちろん、
いい家を建てるために土地の向きは
全く重要じゃないことを知ることが大切です。

さらに家づくりの総予算を抑えるためには
「外構予算」も抑えなければいけないのですが、
そのためには適切な土地の広さを知ることはもちろん、
無駄な余白をつくらないように
家を建てることを意識しなければいけません。

これらの知識は全て確実に家づくりのコストを圧縮してくれ、
きっとあなたの懐と心に
大いなるゆとりをもたらしてくれることでしょう。

なので、大きく夢が膨らみ
もっと・・もっと・・と欲が出てしまうし、
他のみんながなんとかなっているから
自分もなんとかなるだろうと
ついつい考えてしまいがちですが、
なんとか踏みとどまり冷静な判断が出来るようになってください。

【おうちづくりコラム】頭金も繰上げ返済も必要ない4つの理由

利息の支払いを少しでも減らすため、
あるいは借金を少しでも減らすために、
可能なら出来るだけ頭金を入れた方がいい
と巷では言われています。

また、計画的にコツコツと貯金して
繰上げ返済をすることによって
なるだけ早く返済を終わらせた方がいい
とも巷では言われています。

しかし、個人的には
これからお伝えする4つの理由から
いずれもする必要はないと考えています。

つまり、頭金を無闇矢鱈と
たくさん入れる必要もなければ、
繰上げ返済も無理にする必要もないというわけですね。

というわけで今回は、
住宅ローンを借りる時というか
家づくりをする時に知っておきたい
4つのコトについてお伝えしていきたいと思います。

平たく言うと「借金を上手く利用することで
ネガティブなイメージをポジティブにしましょう!」
ということなので、
金融の知識をつけるためにも最後までお付き合いください。

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✔️その1:団体信用生命保険

住宅ローンの金利には「団体信用生命保険」という
掛け捨ての生命保険料が入っています。

つまり、住宅ローンというものは、
名義人にもしものことが起こった場合、
生命保険によって全額繰上返済される
システムになっているというわけですね。

ゆえ、個人的にはそんなに焦って返済せずに、
出来るだけ長くこの保証をおいておく方がいいと思っています。
人生100年時代に突入したと言われているものの、
いつどこで何が起こるかなんて誰にも分からないですし、
この保証をずっと残しておけば、
他の生命保険に加入する必要だってなくなるわけですしね。

そんなわけで、借入期間は長い方がいいし(保証期間が長くなるから)
頭金の比率を上げて借入金を減らす必要もないし(保証金額が大きくなるから)
繰上げ返済をすることによって無理に返済期間を圧縮する必要もない、
(保証期間も長くなるし保証金額も大きくなるから)
と思っている次第であります。

✔️その2:定年と年金の変化

これからは間違いなく定年の年齢がどんどん延びていき、
とてもじゃないけど65歳なんかで仕事をやめられないし、
健康であるなら80歳ぐらいまで
働き続けるのが当たり前になってくると思います。

ゆえ、45歳未満の方なら35年ローンを組んでいただいても、
40歳未満の方なら40年ローンを組んでいただいても
いいんじゃないかと思っています。
(先程の団体信用生命保険の年齢制限があるかもしれませんが・・)

借金がある方が働く原動力にもなるし、
仮に100歳前後まで生きるのが当たり前になるのだとしたら、
あんまり早く仕事をやめても、
何もしていない退屈な時間が長くなるだけだし、
暇な分、お金も使ってしまいやすいでしょうしね。

また、年金は最大75歳まで
支給を遅らせられるようになったのですが、
その方が65歳からもらうより
1.84倍も多くもらえることになるので、
どうせ長く働くのが当たり前になるのなら、
そうした方がいいのではないでしょうか。

そんなわけで75歳ぐらいまで働き続けることを前提に
ローンを組んでいただくのでいいんじゃないか
と思っている次第です。

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✔️住宅ローン控除

家を建てると13年もの間、
納めた所得税を国が返してくれるし、
所得税で控除しきれなかった場合、
住民税を割引してくれるのですが、
せっかく返してもらえるなら、
なるだけ多く返してもらった方が得だと思いません??

ゆえ、自分が納めている所得税と住民税の額を
あらかじめ知った上で、
借入金をいくらにするか決めなければいけません。

例えば、年収が500万円の方は
所得税が約14万円で住民税が約25万円ですが、
住民税は最大で13.65万円まで控除してくれるので、
所得税と住民税を合わせると年間最大で27.65万円
国から税金を還付してくれることになります。

なので、この方は
仮に建築費と土地代の合計が3,500万円だとしたら、
自己資金があったとしても
手元に残しておいて全額借りた方がいいと思います。

3,500万円×0.7%=24.5万円なので、
3,500万円借りたとしても、
上限いっぱい(27.65万円)まで還付の枠を使えていないからです。

そして、どうしても借金が多いのが嫌だという方は、
この13年間のローン控除が終わった後に
入れなかった頭金を繰上げ返済に回していただいても構わないのですが、
出来ればその手段は使わずに、
次回お伝えする別の手段にお金を回してもらいたいと思っています。

その手段こそが、
いわば家を建てる時に頭金を入れる必要もないし、
返済期間を短くする必要もない最大の理由でもあるので、
引き続き次回もお付き合いいただければと思います。

【おうちづくりコラム】ウッドデッキに必要なたった一つのルール

別名「アウトドアリビング」と呼ばれるウッドデッキは、
暮らしの幅を広げ、質を高めてくれる素晴らしいアイテムです。

バーベキューを楽しんでいる姿を想像しただけで、
とってもワクワクするし、
日々の暮らしの中で、朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんを
あえて外に出て食べるというのも風情があっていいですしね。
いわば、ちょっとしたピクニック気分って感じですね。

また、ウッドデッキにテントを張って
キャンプ風にそこで一泊するというのも、
子供たちがとってもワクワクしそうで、
親としては嬉しいことですよね。

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さらに、ウッドデッキに
ハンモックなんかつけようものなら
最高の休日を過ごせそうだと思いませんか?

ユラユラ揺られながら、
日光を浴びてそよ風を感じつつ一眠りするもよし、
文庫本を持っていって読書するもよし、
スマホやタブレットを持っていって映画を楽しむもよし、
という感じですね。

個人的には、
お気に入りのチェアーをデッキに持って出て、
お気に入りのマグカップに温かいカフェラテを注いで
お気に入りの音楽を聴きながらボケーっとするというのが
最高に贅沢だと思っているんですけどね。

あとは、夏のプールなんかもホント最高ですよね。
お昼ご飯の後の昼下がりに厳しい日差しを浴びながら
水遊びをキャハキャハと楽しんだ後は、
冷房でキンキンに冷えたリビングで軽くお昼寝。
想像しただけで幸せな気分になります。

そんなわけで弊社では、家を建てる全ての方に
おうち時間をより豊かにしていただくために
常にウッドデッキをご提案させていただいているわけですが、
このウッドデッキのポテンシャルを最大限に引き出すためには、
守るべきルールがたった1つだけ存在します。

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✔️プライバシーの担保

それがこれです。
いわば、他人の視線が気にならないということですね。
なんせ、周りから丸見えだとしたら
全てのことが気恥ずかしくて出来そうにありませんからね。

友人やご近所さんを招いてのバーベキューならともかく、
家族だけでのバーベキューや食事、
自分たちも水着になってのプール遊び、
ハンモックに寝転がる姿、
チェアーに座ってカフェラテを飲んでいる姿、
優雅に読書をしている姿、
テントを張って模倣キャンプをしている姿。

このどれもが、です。
たとえ目隠しを立てたり、植栽を目隠し代わりにするなどして
視線を防ごうとしても、です。

というわけなので、
ウッドデッキのポテンシャルを最大限に引き出し、
日々の暮らしの質を格段に上げていただくためにも、
このたった1つのルールである「プライバシーの担保」
これを意識しながら家づくりをしていただければと思います。

【おうちづくりコラム】ライフスタイルと間取りづくり

今や家づくりの定番となっている
ダイニングキッチンとリビングに仕切りをつくらず
キッチンを対面式にするスタイルは、
共働きが当たり前となっている現在のライフスタイルに
フィットした合理的な考え方です。

ダイニングで宿題をする子供たちの姿を見ながら、
そしてリビングで遊ぶ子供たちの姿を見ながら
キッチンで食事の準備や後片付けが出来るし、
リビングに取り込んだ洗濯物をたたむことが出来るからです。
また、キッチンで作業をしながら
お風呂に入る子供たちの姿だって見ることが出来るからです。

要するに「ながら作業」がしやすい間取りなのですが、
家事に育児に仕事に忙しい奥さんが
少しでも自分の時間をつくるためには
この合理性は必要不可欠ですよね。

そんなわけで、弊社でも
このリビングダイニングキッチン(LDK)を
生活の中心とした間取りづくりをしているのですが、
このLDKにまつわることで2つ推奨していないことがあります。

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✔️広くし過ぎない

ここでほとんどの時間を過ごすのだから
出来るだけ広くしたいと多くの方がおっしゃるし、
そのお気持ちは凄くよく分かります。

しかし、この空間とて
他のスペース同様に広げれば広げるほど
コストに跳ね返っていきます。

しかも、面積がアップする比率が高いため
その分コストの上がり幅も大きくなり、
他の場所で相殺しようとしても
とてもじゃないけど追いつかない
ということになりかねません。

また、リビングダイニングを広げた場合、
どこに余白が出来るのかというと
ダイニングとリビングの間です。
つまりダイニングテーブルとソファーの間に
スペースが出来るというわけですね。

そしてこの結果、
子供たちがこの余白に色んなものを
置き散らかしていくことになります。

いつも使うものを
いちいち自分の部屋に片付けるのって面倒臭いし、
ましてや自分の部屋が2階だとしたら
なおのこと置きっぱなしにしちゃいますよね。

以上の理由から、闇雲に広げるのではなく
ちょうどいい広さでつくるのが
一番良いと思っている次第であります。
経験から申し上げると、16帖という広さが
最もちょうどいい広さではないでしょうか。

人は余白があると埋めたくなるという
性質を備え持っているため、
仮にLDKを広げ過ぎたせいで
1階に充分な収納が取れなかった場合、
せっかくの広々リビングの周辺に
チェストや収納家具を置いていくことになり、
そのせいで部屋が狭く感じることになってしまうだけですしね。

要するに、更なる出費をすることによって
空間を狭くしようとするという
非合理的な行動をするというわけですね。

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✔️家事室ってホントに必要?

そしてもう1つ、
コストを上げる原因となるため
つくらなくていいかなと思っているスペースが
この「家事室」です。

だって、せっかく子供たちの様子が見えるところで
家事をすることが出来る間取りになっているのに、
わざわざ分離した部屋で家事をこなす
必要なんてないと思いません?

確かにリビングダイニングを
いつもキレイに保ちたいとか、
出来るだけ生活感を出したくない
という気持ちはよく分かります。
また、家事動線をさらに短縮し、
より合理的に家事をこなしたい
という気持ちもよく分かります。

しかし、仮にこのスペースを3帖でつくったとしたら、
それだけで家の価格が100万円ほど高くなってしまいます。
また、このスペースで快適に家事をするために
この部屋にも冷暖房を設置するとなれば、
さらに出費が増えることになります。

なので、これから家を建てる方は、
「コスト」という観点にも目を向け
不用意に面積が広がらないように意識しながら
家づくりをしていただければと思います。

現在は、以前に比べて家の価格が高くなっているし、
原油次第で今後さらに価格が上がることも充分考えられますしね。